人権尊重の考え方

第一三共グループ企業行動憲章において、第4条で「人権の尊重」を掲げ、さらに第2条で「責任ある調達」、第5条で「従業員の多様性の尊重と、ハラスメントや差別のない、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境の整備」、第10条で「当社グループの経営者が憲章を率先垂範の上、グループ内に周知徹底するとともにビジネスパートナーにも憲章の精神に基づく行動を促す」ことを宣言しています。
また、第一三共グループの役員および従業員が取るべき行動を具体化した「第一三共グループ個人行動規範」において、「全ての人々の人権を尊重し、労働基準を守る」ことを行動基準として定めています。
2020年6月には、取締役会の承認を受けて、第一三共グループ人権ポリシーを制定しました。
働く社員の人権としての「世界人権宣言」や「国際労働機関(ILO)中核的労働基準」、人権の保護、尊重および救済を求める「国連ビジネスと人権に関する指導原則」の支持はもちろんのこと、ヒトゲノム・遺伝子解析研究における個人情報の管理やインフォームドコンセント*1の実施、ヘルシンキ宣言*2の精神をもとに定められたICH*3-GCP*4の遵守などを生命関連企業における人権の重要課題として取り組み、さまざまな研修を実施しています。
当社は2012年4月に「国連グローバル・コンパクト」に署名し、その4分野10原則にある「結社の自由及び団体交渉権」「強制労働の禁止」「児童労働の実効的な廃止」「雇用と職業に関する差別の撤廃」を支持し、その実践に努めています。4分野10原則の理解促進ツールを整備し、海外を含むグループ会社に展開しています。
また、「国連グローバル・コンパクト」に加え、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」および「子どもの権利とビジネス原則」の10原則等を踏まえて、「児童労働の禁止」「若年労働者の保護」はもちろんのこと、小児用製剤やワクチンの研究開発、治験などにおいて子どもの人権に対して事業として取り組んでいます。

  • *1事前の十分な説明と本人の自発的な自由意思による同意
  • *2人を対象とする医学研究の倫理的原則
  • *3International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Useの略。医薬品規制調和国際会議
  • *4Good Clinical Practiceの略。医薬品の臨床試験の実施の基準

人権デューデリジェンス実施体制の構築

当社グループは、グローバルに事業を展開する製薬企業として、ヘルシンキ宣言をはじめとする研究開発倫理、サプライチェーンにおける人権への配慮を含む持続可能な調達の推進、従業員の多様性の尊重と、ハラスメントや差別のない、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境の整備など、患者さんとそのご家族・医療関係者、社員、取引先、地域社会などの多様なステークホルダーの人権に配慮した事業活動を推進しています。2020年度は、当社グループ人権ポリシーに基づき、人権デューデリジェンス体制を構築します。

人権尊重に関する取り組み

ビジネスパートナーにおける人権

当社グループは、製品・サービスを提供いただくビジネスパートナーにも人権を含む各種の国際規範等を遵守、尊重することの期待を「ビジネスパートナー行動規範」にまとめています。本規範に基づき、定期的なCSR自己点検調査を通じ、ビジネスパートナーのビジネスにおける人権への対応状況を確認しています。

臨床試験における倫理

当社は、臨床試験の実施において、人を対象とする医学研究に関する倫理規範を定めたヘルシンキ宣言、ICH-GCPおよび各国の薬事規制等を遵守し、本人の自発的な自由意思のみに基づいた同意(インフォームドコンセント)を厳守しています。 当社が行うすべての臨床試験は、社内で定めた検討プロセスに従い、倫理的な妥当性と科学的な正当性の両面から検討しています。特に、初めてヒトに投与する臨床試験については、医師の資格を有する社員を検討メンバーに含めた臨床試験検討会議において、実施することが適切な医学試験であることを担保しています。さらに、社外の独立した委員会(治験審査委員会/独立倫理委員会)でも、同様の内容(被験者の人権等)が審査され、承認を得た上で臨床試験が実施されます。
また、当社では臨床試験に携わる者に対し、「GCP」と「臨床試験に関する倫理」のトレーニングを徹底しています。

医薬品開発業務受託機関とのパートナーシップにおける人権

当社は臨床試験を実施するためのグローバルポリシー「Global Policy of Clinical Trials Standards」を定め、臨床試験に参加するすべての被験者の人権と福祉を最大限に尊重し、臨床試験の科学的に高い質と成績の信頼性ならびに倫理性を確保するとともに、GCPおよび各国の薬事規制等を遵守してすべての臨床試験を計画・実施しています。
当社が実施する臨床試験に関する業務の一部または全てを「医薬品開発業務受託機関(CRO)」に委託した場合でも、当社のグローバルポリシーが適用されます。従って、CRO選定にあたっては、業務を遂行するために必要な事項を事前調査し、評価した上で決定します。CROが業務を実施するにあたっては、当社の方針と基準に沿った業務手順に基づき、必要とされるトレーニングを実施した者による業務遂行を取り決めます。契約後もその業務状況を定期的に確認するとともに、継続的に評価し、責任を持って管理しています。

従業員の人権に対する取り組み

当社グループは、従業員の多様性の尊重と、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境整備を推進しています。日本国内では新入社員から幹部社員まですべての層にわたり人権尊重に関する研修を継続的に実施しています。また日常の啓発活動に加え、各事業場や労働組合に設置されたハラスメント相談窓口担当者を対象に事例学習や相談対応スキル向上に向けた研修を実施しています。違反事例があった場合には、社会的相当性を重視し、社内に留めることなく弁護士など外部の意見を取り入れ、1件ごとに厳格に対処し、再発防止活動に取り組んでいます。グローバルにおいても、各国・地域で人権や労働問題を含む通報・相談窓口として、社内外からアクセスできる24時間対応可能なホットライン等を設置し、救済措置などを実施しています。当社グループは、善意の報告者に報復行為を行ないません。また、報告者の秘密を保持し、匿名の報告を受け付けます。

英国現代奴隷法への対応

当社グループは、自社の事業活動及びサプライチェーン上の現代奴隷及び人身取引を防止するための取り組みについて、報告しています。
現代奴隷及び人身取引に関するステートメント(参考訳)(2019年度).pdf

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