当社グループでは、第5期中期EHS経営方針において「省エネルギー・省資源、温室効果ガス・廃棄物の削減に取り組み、サプライチェーン全体の環境負荷の低減を実現する」を掲げ、資源・エネルギーの効率的利用に努めています。気候変動に対する責任ある企業活動として、パリ協定の目標(世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えること)と整合した「Science Based Targets(SBTi)*1」の考え方に基づき、2025年度のCO2排出量目標として2015年度比▲42%、2030年までのCO2排出量目標として2015年度比▲63%を設定しました。 小名浜工場では新管理棟が2023年3月に竣工し、第一三共グループ初となる建築物省エネルギー性能表示制度(BELS*2)の「Nearly ZEB*3認証」を取得しました。太陽光発電設備については小名浜工場、第一三共ヨーロッパのパッフェンホーフェン工場に続き、第一三共製薬(上海)有限公司の上海工場においても稼働を開始しています。2022年4月より国内の本社ビル、生産事業所、研究所、研修所など13拠点の電力について、実質的な再生可能エネルギー(トラッキング付FIT非化石証書)への転換を行いました。さらに欧州やブラジルの事業所でも、再生可能エネルギーの活用を拡大することでCO2排出量削減を実現しています。国内外事業所における一層の再生可能エネルギーの活用に向けた取り組みを継続しています。
2024年度のCO2排出量(Scope 1+Scope 2)は116,312t(2015年度比▲42.7%)となりました。CO2排出量削減等の「緩和」のみならず、気候変動により顕在化した影響や中長期的に避けられない影響に対する「適応」についても取り組みを推進しています。

*1パリ協定の目標である世界の平均気温上昇(2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃)に抑え、また1.5℃に抑えることを目指す)の達成に向け、科学的根拠と整合したCO2削減目標を企業に求める国際的イニシアチブ

*2Building-Housing Energy-efficiency Labeling System

*3消費するエネルギーと創出するエネルギーの収支をゼロにするZEB(Net Zero Energy Buildingの略称)に限りなく近い建築物として、エネルギーの収支を75%以上削減した建築物

TCFD開示

気候変動リスク

第一三共グループは、地球温暖化や異常気象などの環境問題について、私たちの生活や仕事に影響する重要な課題と認識しています。気候変動をはじめ様々な環境問題に対し責任ある企業活動を行うために、第一三共グループ企業行動憲章および第一三共グループEHSポリシーに基づき、環境経営を推進しています。 また、2019年5月にTCFD*4提言への賛同を表明し、2020年にはガバナンスやシナリオ分析結果など、TCFDの開示枠組みに沿った情報開示を行いました。さらに2021年10月に改訂されたTCFD提言に対応した情報開示を進めると共に、グローバルな課題である気候変動に積極的に応えていくため、気候変動に関するガバナンスや事業戦略の更なる強化を目指します。

 

*4Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略。主要国の中央銀行や金融規制当局などが参加する国際機関である金融安定理事会 (FSB) によって2015年12月に設立されたタスクフォース。

TCFDの提言に基づく情報開示

<ガバナンス>

第一三共グループは、社会課題や社会環境等の外部環境の変化を的確に把握し、事業と一体となり社会課題解決に取り組むサステナビリティ経営を推進するために、「サステナビリティコミッティ」を設置しました。サステナビリティコミッティは、Head of Global Corporate Strategy を委員長とし、各ユニット/コーポレート機能長などを委員として構成され、人権、EHS(環境・健康・安全)、サステナビリティ情報開示、社会貢献について戦略や方針を原則年2回議論しています。EHSについてはEHSマネジメントに関する方針や目標設定、活動の審議・報告を実施し、その結果を経営会議(EMC:Executive Management Committee)に上申します。重要事項は取締役会に報告されます。

コーポレートガバナンス

環境経営推進体制の運用

<リスク管理>

気候変動や水に関するリスクなど、事業活動の変更を余儀なくされる可能性のあるリスクを把握し、当社グループのリスクマネジメントシステムの一環としてリスク対応策を実施しています。サステナビリティコミッティは、気候変動による影響が当社ビジネスにどのようなリスクと機会をもたらすのか、その財務的なインパクトを評価・管理し、レジリエンスを高める重要な役割を果たしており、重大リスクの懸念がある場合はEMCに報告、さらに取締役会に報告し、総合的リスク管理に統合されます。加えて、長期的なカーボンニュートラルへの移行を目指し、中期および短期での目標・実施計画を審議・決定しています。

リスク
1.5℃シナリオ
  IEA SDS (WEO2021)
  IEA NZE 2050
炭素税や排出量市場の導入、エネルギーコスト増、環境規制強化による販売機会損失リスク
4℃シナリオ
  IPCC RCP8.5
気象災害や水不足によるサプライチェーン寸断・操業停止、原材料不足、空調コスト増、社員健康リスク
機会
1.5℃シナリオ 省エネ・脱炭素施策推進によるコスト削減、ESG評価向上
4℃シナリオ 気候変動で増加する疾患への医薬品開発・供給

TCFDの分析に使用したスコープ別CO2排出量比率

<戦略>

地球への環境負荷が増大するなか、持続可能な社会が実現されなければ、企業活動を行っていくことはできません。特に、生命関連製品である医薬品は、気象災害の激甚化に伴うサプライチェーンの寸断や医薬品供給能力の低下は大きな事業リスクであり、社会リスクでもあります。したがって、当社事業の環境負荷低減・脱炭素化を推し進めていくと同時に、ビジネスパートナーとの協働によりサプライチェーン全体の脱炭素化も推進し、カーボンニュートラルの達成と物理的影響を緩和することが重要であると考えています。当社のCO₂排出量の特徴として、事業活動から直接排出されるScope 1およびScope 2の排出量は少なく、サプライチェーンを通じて排出されるScope 3の排出量が大部分を占めています。このような認識に基づき、気候変動に伴う当社ビジネスへの影響を把握し、レジリエンスを明確にするため、シナリオ分析を実施しました。 

シナリオ分析の実施

2024年度に部門横断のタスクチームを立ち上げ、関係部門に対し、シナリオ分析の概要およびIEA(国際エネルギー機関)・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が公表するネットゼロシナリオなどに関する勉強会を実施し、2030 年以降の事業リスクおよび機会について検討を行いました。IEA・IPCCのシナリオを用い、「移行」および「物理」双方について、バリューチェーン全体のリスク・機会を洗い出し、洗い出されたリスク・機会については、2025 年度のサステナビリティコミッティで審議・承認されました。具体的には「調達」「直接操業」「製品・サービス需要」の観点からリスク・機会を洗い出し、6つに分類しました。IEA・IPCCの脱炭素化シナリオ(1.5℃)と、脱炭素化が達成されないシナリオ(4℃)を選択したのは、移行リスク・物理的リスクの両方において、その極端なケースを想定し、予め備えることが重要であると判断したためです。それぞれについて、「発生頻度」「事業影響・財務影響」「投資家の関心有無」の観点から2030 年と2050 年までを対象に総合的なリスク・機会の評価を実施し、事業への潜在的影響およびレジリエンスを整理しました。

シナリオ分析の結果と第一三共のレジリエンス
1.5℃シナリオ (移行が進んだ世界)
ビジネス環境の変化 リスク・機会 第一三共への潜在的影響 影響度 第一三共のレジリエンス 事業リスク
脱炭素関連の政策・法規制強化 調達コストへの価格転嫁 カーボンプライシングの導入や価格上昇により、サプライヤーや物流業者の負担増が調達価格に反映されることによるコスト増 ビジネスパートナーとの協働によるスコープ3の削減を通じた、カーボンプライシングによる負担の回避と調達コストの上昇抑制
カーボンプライシングの導入に伴うコスト増 国内におけるカーボンプライシングが導入され、排出量取引市場が本格稼働されることによるコスト増 脱炭素施策の推進による排出量の削減
エネルギーコスト等増加 エネルギー事業会社の脱炭素対策が実施された際、導入・運用コストによるエネルギー調達コスト増 省エネの継続的推進、電力調達における長期契約による価格変動リスクの低減
エネルギー価格の変動性の高まり エネルギー価格の変動性が高まることによるコストの増減 省エネの継続的推進、エネルギー調達における長期契約による価格変動リスクの低減
既存の製品およびサービスに対する命令および規制 製品を販売している国において環境規制の強化により、顧客企業の一時的操業停止や閉鎖により販売機会を損失することによる売上の減少
  • 関連規制の動向に関する情報収集、それによる対応方針の早期策定とリスク回避
  • 適切な在庫確保および重要な原材料に関するサプライヤーの複数化検討、それによる供給リスクの低減と安定調達の確保
  • エネルギーコストの削減 低燃費車導入等の省エネに取り組むことによるエネルギーコスト削減 エコドライブの推進、低燃費車への切り替えによるエネルギーコストの低減 機会
    企業評価に対する脱炭素への取組の影響増大 企業価値の増加 企業価値向上脱炭素への取り組みがESG投資家からの評価向上につながり、株価上昇などの企業価値向上に寄与 定性 脱炭素社会に向けた取り組み、各イニシアティブへの積極的な対応、株主・投資家の期待に応える情報開示、それによる企業評価の向上 機会

    *影響度は、軽微 (1億円未満)、小 (1億円~50億円)、中 (50億円~100億円)、大 (100億円~300億円)を基準に評価

    *事業リスクは影響度と発生頻度を考慮し総合的に評価

     

    4℃シナリオ (物理的影響が大きくなる世界)
    ビジネス環境の変化 リスク・機会 第一三共への潜在的影響 影響度* 第一三共のレジリエンス 事業リスク*
    気象災害
    (大雨・洪水・台風) の発生頻度増、規模拡大
    自社拠点の一時操業停止 豪雨や洪水により直接操業が停止したことによる復旧のためのコスト増
  • BCPの観点から拠点の水災リスク評価を実施し、強靭化を推進
  • 緊急事態訓練では洪水対応・減災対策を強化し、水災マニュアルの整備・実証によりレジリエンスを向上
  • サプライチェーン寸断 (浸水)豪雨や台風によりバリューチェーンが被災し、一時的操業停止・出荷不能による売上減
    (渇水)干ばつや熱波、水不足によるサプライチェーンの寸断による一時的操業停止・出荷不能による売上減
    定性
  • 災害に備えた適切な在庫確保
  • 災害時の安定供給のための複数社からの購買
  • 緊急時の原材料調達先の切替
  • 複数社から購買出来ていない一部の原料の在庫確保を検討
  • 地震・風水害の発生時の防災情報提供サービス(Bois)利用による調達先
  • 被害状況の確認
  • 気温上昇 感染症や災害、規制決定、気候政策によって引き起こされる原材料不足 気候政策によって引き起こされる市場全体の原材料不足によるコスト増 定性
    気候変動に伴う疾患増加等 製品需要の高まりに対する供給不足が生じ、販売機会損失、社会からの信頼の損失 定性 気候変動に伴い新規医薬品の開発・製造が必要となる事態に備え、CMC開発のリードタイム短縮やサプライチェーンの強靭化など、安定供給体制の整備を推進
    気候変動に伴い増加傾向となる疾病の予防薬・治療薬を開発することによる販売機会、社会からの信頼向上 定性
  • 既知・未知のアンメットメディカルニーズに対応できる創薬能力の維持・向上
  • 新薬研究開発から上市に至るまでのバリューチェーン能力の維持・向上
  • 自社ケイパビリティの不足している領域の特定および充足するための外部ネットワークの構築
  • 機会
  • 悪性黒色腫、循環器、呼吸器疾患、各種熱帯病などに対す  る関連医薬品の需要拡大と販売機会、社会からの信頼向上
  • 疾病構造の変化に伴う既存製品の需要減少
  • 定性
  • 需要拡大に応える生産ライン、適正な在庫の確保
  • 疾病構造の変化やパンデミックも含め、アンメットメディカルニーズ・社会要請の高い疾患に対応する研究開発の外部リソースとの連携
  • 機会/低
    空調設備のコスト増 屋内で作業を行うオフィス、研究開発、製造拠点における気温上昇による空調設備の稼働増加とエネルギー消費量の増大によるコスト増 軽微
  • 効率的な空調システムの導入
  • エネルギー効率の向上
  • 人件費の上昇によるコスト増 暑熱により社員が病気や体調不良で離脱することによる、業務効率の低下や経済的損失 定性
  • 健康診断による体調不良者の早期発見・休職リスクの未然防止
  • ウォーキング&フォトイベント、第一三共グループオリジナル体操「One DS体操」などの施策実施による健康維持の支援
  • 水不足 自社拠点の一時操業停止 最も取水リスクの高い工場であるアメリカ、中国とブラジルでの水不足による一時的操業停止による売上減
  • 雨水タンク設置、節水パッケージの導入
  • リサイクル水活用による渇水対策の推進
  • 他拠点活用・製造委託などの緊急時供給対応の検討
  • *影響度は、軽微 (1億円未満)、小 (1億円~50億円)、中 (50億円~100億円)、大 (100億円~300億円)を基準に評価

    *事業リスクは影響度と発生頻度を考慮し総合的に評価

    当社の事業活動に対する直接的な移行リスクは限定的であると認識していますが、サプライチェーンについては、今後、炭素税や移行対策などのコスト上昇がリスクとして考えられます。また、物理的リスクについては、気象災害などの激甚化による安定供給に懸念があります。このような分析結果に基づき、移行リスクについてはこれまでの省エネ対策の推進に加え、再生可能エネルギーの活用や脱炭素技術の導入、ビジネスパートナーとの協働による炭素税などの負担回避を通じたコスト低減を機会として創出していきます。また、物理的リスクについては、水害対策を含めたBCPの強靭化、サプライチェーンの安定性を高める予防策の実施、緊急時供給対応の検討、代替策の確保、渇水対策として雨水タンクの設置やリサイクル水の活用等の対策を実施することで、当社グループにおける毀損を回避し、持続的な企業価値向上を目指していきます。シナリオ分析で評価・特定された重要なリスク対策については、サステナビリティコミッティおよびEMCにおいてグループ全体の進捗管理を行っていきます。

    <指標と目標>

    バリューチェーンごとに事業への潜在的影響および気候関連のリスク・機会を評価・管理する指標と目標として、第5期中期経営計画におけるKPIおよび環境に関する目標を定めています。第5期中期経営計画の進捗を踏まえ、2021年度に気候変動に関わるKPIの見直しを行った結果、Scope 1およびScope 2については1.5℃の世界に対応した目標水準へ引き上げを行うとともに、2022年度には、Scope 3についてもサプライヤーエンゲージメント目標として、サプライヤーに要請するCO₂排出量削減目標の設定を「1.5℃水準」へと更新し、2023年6月に、SBTイニシアチブより「1.5℃目標」の認証を取得しました。

    第5期中期経営計画における第5期中期EHS経営方針・目標
    CO2排出量 (Scope 1+Scope 2) 2025年目標:2015年度比42%減
    2030年目標:2015年度比63%減
    CO2排出量 (Scope 3、Cat1) 2025年目標:2020年度比売上高原単位15%減
    ビジネスパートナー・エンゲージメント (Scope 3、Cat1) 2025年目標:ビジネスパートナーの70%以上が1.5℃水準の目標を設定
    再生可能電力利用率 2025年目標:60%以上
    2030年目標:100%
    CO2排出量
    単位:t-CO2
    2021年 2022年 2023年 2024年
    Scope 1 88,249 86,006 85,245 91,836
    Scope 2 103,150 23,729 23,994 24,447
    算定方法

    Scope 1:日本の二酸化炭素およびエネルギーの換算係数は、地球温暖化対策の推進に関する法律の数値を使用。日本以外の国々については、排出源地域の当局等の基準あるいはGHGプロトコルに基づく。

    Scope 2:電力購入の契約に基づく排出係数を用いて算定(マーケット基準) 

    また、当社取締役は気候変動を含むESG指標の目標達成度等に応じた中計業績連動株式報酬を採用しています。

    当社役員報酬制度の概要

    内部カーボンプライシングについては、仮想炭素価格の形式で費用対効果を検証する仕組み (国内グループ会社において、特に大きな省エネ効果が期待できる施設を対象として、ランニングコスト、消費電力量、CO2排出量、炭素税などを考慮) から、国内のカーボンクレジット市場導入を見据えた新しい仕組みへの変更を検討していきます。

    CDP2025「気候変動」

    当社は、国際的な非営利団体であるCDP*5より、「気候変動」「水セキュリティ」の2分野において、透明性とパフォーマンスにおけるリーダーシップが認められ、2025年度のAリスト企業に選定されました。

    *5企業や自治体を対象とした世界的な環境情報開示システムを運営する国際環境非営利団体

    「RE100」に加盟

    2021年7月、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的イニシアチブである「RE100」に加盟しました。当社は、「世界中の⼈々の健康で豊かな⽣活に貢献する」というパーパスと「⾰新的医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」というミッションに基づき、事業活動を通じて社会やステークホルダーの皆さまへ持続的に価値を提供し、同時に当社グループの成⻑と発展を図っています。第5期中期経営計画では、事業基盤に関わるマテリアリティの⼀つとして「環境経営の推進」を特定し、「脱炭素社会」、「サーキュラーエコノミー」、「⾃然共⽣社会」の実現に向け、バリューチェーン全体で、環境負荷の低減に向けた様々な取り組みにチャレンジしていきます。

    CO2排出量の削減目標と実績

    2024年度のCO2排出量(Scope 1+Scope 2)は116,312t-CO2(2015年度比▲42.7%)となりました。CO2削減等の「緩和」のみならず、気候変動により顕在化した影響や中長期的に避けられない影響に対する「適応」についても取り組みを推進しています。Scope別では、Scope 1およびScope 2のグループ全体の2024年度実績はそれぞれ7.7%増加および2.0%増加となりました。
    Scope 3 CO2排出量は4,159,664tで、2023年度から5.6%減少となりました。Scope 3(Cat.1)の削減に向けては、70%以上のサプライヤーが1.5℃目標を持つことを第5期中期経営計画におけるKPIとして設定しており、現在エンゲージメントを強化しています。

    CO2排出量の内訳(グループ全体)

     

    スコープ別CO2排出量

    地域別CO2総排出量(スコープ1およびスコープ2)

    (t-CO2


    Scope 1 Scope 2 合計
    日本地域 69,517 1,650 71,167
    日本以外 22,319 22,827 45,145
    合計 91,836 24,477 116,312

    サプライチェーン排出量(スコープ3)(グループ全体)

    カテゴリ 2023年度
    排出量
    (t-CO2
    2024年度
    排出量
    (t-CO2*
    対前年
    増減率
    算出方法
    1. 購入した
    製品・サービス
    3,887,790 3,549,346 △8.7% 全ての製品・サービスの調達金額に、ガイドライン等による排出係数を乗じて算出した。ただし、スコープ1、2およびスコープ3の他カテゴリーに含まれる内容やグループ内取引は除く。
    2. 資本財 220,563 213,987 △3.0% 固定資産の取得金額に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。
    3. Scope 1,2に含まれない
    燃料およびエネルギー関連活動
    28,217 28,793 2.0% 電力使用量、蒸気使用量に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。
    4. 輸送、配送(上流) 49,275 124,607 152.9% 当社が委託した運送や配送、保管に関する費用に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。
    5. 事業から出る廃棄物 10,800 6,890 △36.2% 工場・研究所から排出される廃棄物の種類別の重量値に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。
    6. 出張 44,043 52,301 18.8% 出張に伴う移動手段別の交通費および宿泊費に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。ただし、スコープ1に含まれる営業車両の使用分は除く。
    7. 雇用者の通勤 4,926 6,495 31.9% 雇用者の通勤に伴う移動手段別の交通費に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。
    8. リース資産(上流)貸借 自社が賃借しているリース資産の操業に伴う排出量はスコープ1,2に含まれているため、カテゴリ8は算定対象外とする。
    9. 輸送、配送(下流) 145,857 167,456 14.8% 当社のグループ連結の売上高に、ガイドライン等による排出係数を乗じて算出した。
    10. 販売した製品の加工 当社が製造・販売している製品のうち、川下の企業向けに原薬を販売しているものの、該当する排出量が全体に占める割合は極めて小さいことが想定されるため、カテゴリ10は算定対象外とする。
    11. 販売した製品の使用 医薬品の特性上、製品使用にもとづくエネルギー使用はないため、カテゴリ11は算定対象外とする。
    12. 販売した製品の廃棄 4,072 7,077 73.8% 販売した製品の容器・包装の材料別重量に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。
    13. リース資産(下流) 2,248 2,248 0% 自社から他社に賃貸している保有資産の用途別の建物床面積に、ガイドライン等による排出原単位を乗じて算出した。
    14. フランチャイズ フランチャイズ店を運営していないため、カテゴリ14は算定対象外とする。
    15. 投資 10,945 466 △95.7% 株式を保有する各社のCO2排出量(スコープ1+2)に、当社の持ち株比率を乗じて算出した。
    合計 4,408,736 4,159,664 △5.6%

    *2023年度は排出量単位割当の見直し等の算定方法の変更および活動量の増加により、CO2排出量が増加しました。

    CO2排出量削減への取り組み

    工場・研究所の取り組み

    国内、海外グループともに、設備更新時は省エネルギー性能にすぐれた高効率冷凍機・ボイラーを選択、導入するとともに、蒸気配管の断熱工事、空調運転の効率化、光ダクトを使用した太陽光利用など、CO2排出量削減に取り組んでいます。

    オフィスの取り組み

    オフィスビルでは、全館LED照明や人感センサーを採用し、省エネルギー化を推進しています。その他、通年ビジネスカジュアル、未使用会議室の消灯・空調オフの徹底、スケジュール管理の適正化による定刻退社の推奨など、オフィスでのエネルギー削減も積極的に展開しています。また、社員の事業所間移動については、Webシステムのさらなる充実と活用により、国内外の出張を削減するよう努めています。

    エネルギー使用量

    エネルギー使用量の内訳(グループ全体)

    再生可能エネルギーの活用

    第一三共ヨーロッパ パッフェンホーフェン工場(ドイツ)では、2014年より購入電力をすべて再生可能エネルギーによる電力に転換していますが、2022年2月より同工場の敷地内に自家消費型 太陽光発電設備(年間発電量580MWh)を稼働し、さらに、2023年度から蒸気製造についてバイオマスの木質ペレットを使用した再生可能燃料への転換を開始しました。さらに、第一三共製薬(上海)有限公司の上海工場においては同工場の事務棟で消費される年間電力相当を賄うことのできる太陽光発電設備(年間発電量約540MWh)が2023年1月より稼働を開始し、年間300トンのCO2削減効果を見込んでいます。また、2020年12月から年間発電量約4,000MWの太陽光発電設備の稼働を開始した小名浜工場では、第一三共グループ初となる「Nearly ZEB認証」を取得した新管理棟が2023年3月に竣工しました。この管理棟は、太陽光発電によりエネルギーを創り、高効率な空調・給湯・照明機器を効果的に組み合わせて省エネを実現することで、基準建築物のエネルギー消費量の78%削減(省エネ:51.9%、創エネ:26.9%)を達成しました。第一三共グループはRE100*6に加盟しており2030年度に再生可能エネルギー由来の電力利用率100%、マテリアリティKPIとして2025年度に60%以上を掲げています。2024年度の再生可能電力利用率は79.9%とRE100達成に向け順調に推移しており、今後も太陽光発電をはじめとする各種再生可能エネルギーを積極的に導入していきます。

    ※6国際環境NGOであるThe Climate Groupと企業に気候変動対策に関して情報開示を促しているCDPによって運営される、企業の再生可能エネルギー100%を推進する国際的イニシアチブ

    小名浜工場

    第一三共製薬 (上海) 有限公司 上海工場

    第一三共ヨーロッパ パッフェンホーフェン工場

    再生可能エネルギー量と内訳

    種類 エネルギー量
    (MWh)
    備考
    太陽光発電 126,036 日本、ドイツ、中国のサイトで発電した電力および日本で購入した電力です。
    水力発電 73,790 日本、ドイツおよびブラジルのグループ会社で購入しています。
    バイオマス熱 8,416 ドイツのグループ会社で購入しています。
    その他
    再生可能エネルギー
    14,624 日本、ドイツ、フランス、スペイン、中国などのグループ会社で購入しています。

    排出権取引等

    品川研究開発センターと葛西研究開発センターは東京都環境確保条例に、第一三共バイオテックは埼玉県地球温暖化対策推進条例に基づく総量削減義務と排出量取引制度の対象事業所となっています。地球温暖化対策の推進の程度が特に優れている事業所として、品川研究開発センターは2019年度に、葛西研究開発センターは2020年度に準トップレベル事業所に認定されています。

    その他補足事項

    換算係数とその出典

    二酸化炭素換算係数およびエネルギー換算係数については、地球温暖化対策の推進に関する法律(以下、温対法)での換算係数(算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧)を使用しています。また、日本以外の国々の係数に関しては、排出源地域の当局等の基準あるいはGHGプロトコールに基づいています。

    算定除外対象について

    排出量データの内、スコープ1、スコープ2ともに、日本を除くスモールオフィスの排出量は算定対象に含んでいません。また、CO2以外の温室効果ガス等についても排出量が少ないことから含んでいません。

    販売製品の温室効果ガス排出量について

    販売製品のうち、その利用により温室効果ガスの排出量を削減するものはありません。

    環境パフォーマンスデータの信頼性向上

    ステークホルダーへの情報開示の信頼性の向上を目的として、環境パフォーマンスデータの第三者保証を受けています。環境パフォーマンスデータの集計は、購買伝票など第三者が発行する証憑に基づき、客観性の高いデータ入力を基本とし、開示データの精度向上、信頼性向上に努めています。

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