当社役員報酬制度の概要

(1) 取締役の報酬等の決定に関する方針と手続

当社は、2021年5月13日開催の取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を定め、2022年5月19日開催の取締役会において、その内容を一部改訂しております。概要は、以下の通りです。

1. 報酬方針

当社の取締役の報酬等は、以下の考え方に基づき制度設計しております。

  • 優秀な人材を確保・維持できる報酬水準を備えた報酬制度
  • 中長期に亘る持続的な成長へ向けた動機付けとなり、企業価値・株主価値の向上に資する報酬制度
  • ステークホルダーへの説明責任を果たすことができる、透明性のある公正で合理的な報酬制度

2. 報酬水準

当社の取締役の報酬等の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、産業界の上位水準を志向して設定しております。具体的には、東京証券取引所に上場する会社のうち時価総額上位100社以内の企業群を主な比較対象とし、国内大手製薬企業の水準についても参照いたします。

3. 報酬構成

社内取締役

固定報酬である基本報酬、並びに、変動報酬である短期インセンティブ報酬としての年次業績連動賞与、長期インセンティブ報酬としての譲渡制限付株式報酬及び中計業績連動株式報酬の4つの報酬構成とすることにより、短期及び中長期の視点による経営への取り組みを促し、その成果に対して適切に報いることができる報酬構成としております。なお、退職慰労金制度は採用しておりません。

社外取締役

経営の監督機能を担い、業務執行を担う立場にはない社外取締役の報酬構成については、固定報酬である基本報酬のみとしております。インセンティブ報酬及び退職慰労金制度は採用しておりません。

4. 報酬構成割合

  • 代表取締役社長兼CEOの報酬等の構成割合は、業績目標を100%達成した場合に、基本報酬40%、年次業績連動賞与30%、譲渡制限付株式報酬15%、中計業績連動株式報酬15%となるように設計しております。
  • 他の社内取締役の報酬構成割合は、代表取締役社長兼CEOの報酬構成割合に準じて、職責や報酬水準を考慮し決定いたします。
  • 社外取締役の報酬等は、基本報酬のみとしております。

報酬構成割合の図

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5. 基本報酬

取締役の基本報酬は、在任中、毎月一定期日に支給するものとし、個人別の報酬額は、報酬方針・報酬水準に沿って決定されております。

6. 年次業績連動賞与(短期インセンティブ報酬)

  • 短期インセンティブ報酬となる年次業績連動賞与の支給額は、当該事業年度の売上収益、コア営業利益率(注1)、親会社の所有者に帰属する当期利益の期初に公表する業績予想値の達成度、また、期初に設定した各役員の目標・課題の達成度に応じて決定いたします。
  • 支給額の算定式、並びに、年次業績連動賞与の評価割合及び仕組みは以下のとおりといたします。
    (注)1.コア営業利益率:経常的な収益性を示す指標として、営業利益から一過性の収益・費用(固定資産売却損益等)を除外した指標。
(1) 年次業績連動賞与の算定式

賞与支給額=役位別の基準額×年度目標達成度(売上収益+コア営業利益率+親会社の所有者に帰属する当期利益)×業績評価

(2) 年度目標達成度(評価割合及び仕組み)
年度目標達成指標 評価割合 評価係数変動幅 目標(以下を目安に設定)
売上収益 10% 0~200% 上限:目標×105%
目標:期初公表予想値
下限:目標×95%
コア営業利益率 10% 0~200% 上限:目標×115%
目標:期初公表予想値
下限:目標×85%
親会社の所有者に帰属する当期利益 80% 0~200% 上限:目標×120%
目標:期初公表予想値
下限:目標×80%
合計 100% 0~200%

年度目標達成度の図

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(3) 業績評価

期初に設定した各役員の目標・課題の達成度に応じて、係数に変換して計算いたします。

  1. 会長及び社長の業績評価は、指名・報酬合同委員会に諮問の上、決定される評価を適用いたします。
  2. その他の取締役については、業績会議において審議の上で社長により決定される評価を適用いたします。なお、取締役の評価結果は、報酬委員会へ報告いたします。
指標 係数 評価方法
会長・社長 研究開発進捗等全社課題
後継者育成等
50~150% 指名・報酬合同委員会に諮問の上、決定
その他の取締役 部門(個人)目標 80~120% 業績評価(社長)

7. 譲渡制限付株式報酬(長期インセンティブ報酬)

  • 長期インセンティブ報酬となる譲渡制限付株式報酬は、取締役が当社株式を継続して保有することにより、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との価値共有を可能な限り、より長期に亘り実現させることを目的とし、原則として毎年、取締役の退任直後時点までの譲渡制限が付された当社株式を交付するものといたします。発行又は処分される当社の普通株式総数に関しては年24万株以内(ただし、当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含む。)又は株式併合が行われた場合、その他当該総数の調整が必要な事由が生じた場合には、分割比率・併合比率等に応じて、当該総数を必要に応じて合理的な範囲で調整いたします。)といたします。
  • 譲渡制限付株式報酬の支給に際しては、当社の取締役会決議に基づき取締役に対して金銭報酬債権が支給され、取締役は支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式の交付を受けるものといたします。
  • 当社の普通株式の交付に際しては、当社と取締役との間で譲渡制限付株式割当契約を締結し、取締役は当該割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について、当該割当契約において定める一定期間中は、自由に譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないものといたします。
  • なお、当該割当契約においては、(1)譲渡制限期間中に当社の取締役を退任又は退職した場合には、その退任又は退職につき、任期満了、死亡その他取締役会が正当な理由がある場合として認める場合を除き、当社は、譲渡制限付株式の全部を無償取得すること、(2)役務提供期間中に任期満了、死亡その他取締役会が正当と認める理由により取締役を退任又は退職した場合には、当社は、譲渡制限を解除する株式数や解除時期を必要に応じて合理的に調整し、譲渡制限が解除されないことが確定した譲渡制限付株式を無償取得することなどを定めるものといたします。
  • 交付される譲渡制限付株式報酬の数は、役位ごとの譲渡制限付株式報酬の額を、取締役会における割当決議前日の当社の普通株式の市場株価終値で除した株数といたします。

8. 中計業績連動株式報酬(長期インセンティブ報酬)

  • 長期インセンティブ報酬となる中計業績連動株式報酬は、中長期的な株主価値向上を重視した経営を推進するため、中期経営計画の業績達成に連動した報酬として、社内取締役及び執行役員(以下「対象取締役等」といいます。)に対してパフォーマンス・シェア(業績連動株式報酬)の性質を持つ信託型株式報酬制度といたします。
  • 中期経営計画の対象となる事業年度(以下「対象期間」といい、当初の対象期間は第5期中期経営計画(2021~2025年度)とします。)を対象とした信託期間を設定します。
  • 対象取締役等に交付等が行われる当社株式等の数は、毎年一定の時期に、役位に基づいて付与されるポイントの対象期間の累積値に業績連動係数を乗じて算出した株式交付ポイントに基づき決定されます。業績連動係数は、対象期間の最終事業年度の会社業績指標(当初の対象期間においては、2021年度に公表した当社の中期経営計画に掲げている売上収益、研究開発費控除前コア営業利益率、ROE、研究開発進捗、ESG指標、相対TSRを採用しています。)の目標値に対する達成度等に応じて、0~200%の範囲で決定し、1ポイントにつき当社の普通株式1株を交付いたします。なお、信託期間中に当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含む。)又は株式併合が行われた場合、その他ポイント数の調整が必要な事由が生じた場合には、分割比率・併合比率等に応じて、当該ポイント数を必要に応じて合理的な範囲で調整いたします。対象期間中に対象取締役等に対して交付等を行う当社の普通株式等の総数は、1事業年度あたりの上限数である50万株に対象期間の事業年度数を乗じた数(当初対象期間については、5事業年度を対象とするため250万株)を上限といたします。なお、対象取締役等が当社株式等の交付等を受ける時期は、原則として退任後で、交付される株式の50%は、源泉所得税等の納税資金に充当することを目的として、金銭に換価して支給されます。株式及び金銭の給付は三菱UFJ信託銀行株式会社の役員報酬BIP(Board Incentive Plan) 信託を通じて行います。
  • 正当な理由により信託の設定、信託契約の変更、若しくは信託への追加拠出ができない場合、又は対象取締役等が国内非居住者であることその他の正当な理由により信託を通じて対象取締役等に対する当社株式等の交付等を行うことができない場合、当社は、当社が拠出する金員の上限の範囲内で、対象取締役等に対し、本制度に基づいて交付等がされるべきであった当社株式等の数や株価等を踏まえて合理的に算定される額の金銭を給付することができるものとします。
目標達成指標 評価割合 評価係数変動幅 目標(以下を目安に設定)
売上収益 20% 0~200% 上限:目標×110%
目標:中計公表予想値
下限:目標×90%
研究開発費控除前
コア営業利益率
20% 0~200% 上限:目標×120%
目標:中計公表予想値
下限:目標×80%
ROE 20% 0~200% 上限:目標×140%
目標:中計公表予想値
下限:目標×60%
研究開発進捗 15% 0~200% 研究開発業績(3ADCの新規適応上市数、初期・後期のパイプライン価値)
ESG指標 10% 0~200% Dow Jones Sustainability Indices、FTSE Russell、Access to Medicineに基づく評価
相対TSR(注2) 15% 0~200% 上限:配当込みTOPIXとの比較結果×150%
目標:配当込みTOPIXとの比較結果×100%
下限:配当込みTOPIXとの比較結果×50%
合計 100% 0~200%

(注)2.TSR:Total Shareholder Returns(株主総利回り)の略

9. クローバック条項

  • 会計上の重大な誤り、または不正が明らかになった場合、あるいは巨額な損失を計上した場合、報酬委員会への諮問を経て、取締役会の決議により、年次業績連動賞与及び中計業績連動株式報酬について、受け取った報酬の一部または全額の返還を請求できるクローバック条項を設けるものとします。
  • 本条項は、2021年度の年次業績連動賞与及び中計業績連動株式報酬より適用対象となり、以後、全ての期間において適用されるものとします。

10 .報酬ガバナンス・決定手続

  • 取締役及び執行役員の報酬等の妥当性と決定プロセスの透明性を担保するため、取締役会の諮問機関として報酬委員会を設置しております。なお、報酬委員会は、社外取締役のみで構成され、オブザーバーとして社外監査役1名が参加し、委員長は委員の互選により選定されます。
  • 報酬委員会は、報酬制度、報酬構成、役位ごとの報酬水準の検証と見直し、年次業績連動賞与及び中計業績連動株式報酬の目標設定・結果確認並びに譲渡制限付株式の割当等について、十分に審議いたします。
  • 当社の取締役の個人別の報酬の額等は、まず報酬委員会において審議された後、当該審議結果を踏まえ、報酬の種類ごとに株主総会で決議された報酬総額内で取締役会決議により決定されております。

当社取締役会は、当社の報酬ガバナンスが上記方針に記載の通り、報酬委員会において、報酬制度、報酬構成、役位ごとの報酬水準の検証と見直し、業績連動賞与の目標設定・結果認及び譲渡制限付株式の割当等について、十分に審議され、また、当事業年度における取締役の個人別の報酬等の内容についても、まず報酬委員会において審議された後、取締役会により決定されているものであるため、その内容は上記取締役の個人別報酬等の内容についての決定に関する方針に沿うものであると判断しております。

(2) 監査役の報酬等の決定に関する方針と手続

当社における監査役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針の概要は、以下の通りです。

  • 監査役の報酬等は、経営の監督機能を担い、業務執行を担う立場にはないという役割に鑑 みて、固定報酬である基本報酬のみとしております。
  • 基本報酬の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、産業界の上位水準を志 向して設定しております。具体的には、東京証券取引所に上場する会社のうち時価総 額上位100位以内の企業群を主な比較対象とし、国内大手製薬企業の水準についても参 照いたします。
  • 監査役の個人別の報酬の額等は、株主総会で決議された報酬総額内で、監査役会において 協議し、監査役全員同意の上、決定しております。

2022年度の役員ごとの連結報酬等の総額等

氏名(役員区分) 連結報酬等の総額
(百万円)
会社区分 役員報酬等の種類別の総額(百万円)
基本報酬 年次業績連動賞与
(非金銭報酬)
譲渡制限付株式報酬
 (非金銭報酬)
中計業績連動株式報酬
眞鍋 淳
(取締役)
402 提出会社 108 172 40 81
平島 昭司
(取締役)
167 提出会社 56 63 16 31
大槻 昌彦
(取締役)
154 提出会社 51 59 14 29
奥澤 宏幸
(取締役)
152 提出会社 51 59 14 27
  • 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
  • 上記の「譲渡制限付株式報酬」及び「中計業績連動株式報酬」の額は、2022年度に費用計上した額であります。

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