当社の新型コロナウイルス感染症対策への取り組み

今般、新型コロナウイルスに罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の早期回復と一日も早い感染の終息を心よりお祈り申し上げます。また、患者さんを救うため、困難な状況下で医療の最前線に立たれている医療関係者の皆様に心より敬意を表し、深く感謝いたします。当社では新型コロナウイルス感染症対策の一環として、ワクチンおよび治療薬の研究開発への貢献や医薬品の継続供給、被災救済策等を実施しております。当社の事業活動全般においては、引き続き在宅勤務の推進など感染拡大防止施策を講じております。

[新型コロナウイルス感染症に関する、代表取締役社長 眞鍋淳のメッセージ]

このメッセージの英語版は、当社の英語サイト(https://www.daiichisankyo.com/)と共に、国連グローバル・コンパクト* が、国連と連携して開始した「#Uniting Business to Respond to COVID-19」キャンペーンの「CEOs Taking Action」サイトを通じて発信しています。

*国連グローバル・コンパクト:各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組み

当社の取り組み

1. ワクチン及び治療薬の研究開発への貢献

当社は、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)のワクチン及び治療薬の研究開発を全社横断的に推進するタスクフォースを2020年4月に立ち上げました。当社の持つ過去および現在の研究財産や技術、知識を最大限に活用し、かつ外部機関などとも連携して、現在、社会的に急務となっているCOVID-19の医療体制確立に向けて、製薬企業として以下の研究開発に積極的に取り組んでおります。

1. 新型コロナワクチンの開発

当社は、COVID-19の予防を目指し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)が支援する「新型コロナウイルス(2019-nCoV*1)の制圧に向けての基盤研究」*2(研究代表者:東京大学医科学研究所 河岡義裕 教授)に参画し、当社が見出した新規核酸送達技術*3を用いた「新型コロナウイルス(2019-nCoV)に対するmRNAワクチン開発」を分担しております。今般、動物モデルを用いた試作mRNAワクチンの薬理評価にて、新型コロナウイルスに対して抗体価が上昇している結果が得られました。この結果を受け、当社は、本mRNAワクチンの開発を最優先プロジェクトの1つに位置づけ、供給体制の整備を図るとともに、2021年3月頃の臨床試験開始を目指します。

当社は、ワクチン事業を展開する国内の製薬企業として、COVID-19流行の早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)、共同研究先である東京大学等の外部機関との連携により、本mRNAワクチンの研究開発を推進し、早期供給が可能となるよう取り組んでまいります。

また、新型コロナワクチンの生産体制の整備においては、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の設備を用いる予定です。日本における早期の新型コロナワクチンの供給開始に向けて、生産体制の整備及び安定供給に優先的に取り組んでまいります。

  • ※1 2019-nCoVはSARS-CoV-2の暫定名称で同義語
  • ※2 流行が世界各国へ拡大している新型コロナウイルス感染症に関して、政府全体の緊急的な取組みの一部として、AMEDが支援することを決定したワクチン開発課題の一つ
  • ※3 脂質ナノ粒子構造を形成し、医薬品有効成分の安定化ならびに免疫細胞内への核酸デリバリーを実現することで、従来のワクチン技術と比較して、より至適な免疫応答を誘導することを確認しています。

2. ナファモスタット吸入剤の共同研究開発

当社は、COVID-19の治療を目指し、2020年6月、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所および日医工株式会社と共同でナファモスタット吸入製剤の研究開発を実施するための基本合意書を締結しました。

東京大学医科学研究所 井上純一郎教授(研究当時、現:東京大学 特命教授)らは、ナファモスタットが、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性がある薬剤であることを見いだしました。ナファモスタットは、急性膵炎や播種性血管内凝固症候群などの治療薬として、国内で長年にわたって処方されており、安全性については十分な臨床データが蓄積されている注射剤です。

理研は、所内や大学等の基礎研究から生まれた医療シーズを、製薬企業における創薬プロセスや、医療の現場で活用される技術に最適化させるため、「創薬・医療技術基盤プログラム」を設立し、企業や医療機関への橋渡しを推進しています。本件においても、理研の持つ多方面の先端技術を用いて研究開発を支援します。

日医工は、製造販売元として、フサン®(一般名:ナファモスタットメシル酸塩)の点滴静注に関して長年にわたり蓄積してきた臨床データの提供や、本共同研究開発への原薬供給を行います。

第一三共は、抗インフルエンザウイルス薬「イナビル®」の開発で得た技術を活用して、ナファモスタットの吸入製剤化の研究開発を推進します。今後、非臨床試験を2020年7月から開始予定で、当局と協議したうえで2021年3月迄の臨床試験移行を目指します。

本提携を通じて、COVID-19の患者さんに一日でも早く新しい治療の選択肢を提供できることを期待しております。

3. ドラッグリポジショニング

当社は、COVID-19治療薬探索のためのドラッグリポジションニングを実施中です。当社既存品を対象にCOVID-19治療への応用可能性を評価すると共に、当社の過去及び現在の研究開発プロジェクトの知見からヒントを見出し、COVID-19治療薬の標的分子や化合物の候補を選抜することにも焦点を当てた“広義のドラッグリポジショニング“をアカデミア等と連携して実施しております。
ドラッグリポジショニングを通じて、COVID-19の患者さんに新しい治療の選択肢を提供できることを目指しております。

2. 医薬品・ワクチン等の製造と供給

1. ワクチンの製造

当社は、アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発中の新型コロナウイルスワクチンの国内における安定供給に向け、アストラゼネカと協議を進めることに合意しました。

アストラゼネカが、日本政府と国内における本ワクチンの導入に向けた具体的な協議を進めることに合意したことを踏まえ、当社は、本ワクチンの国内における製剤化(バイアル充填、包装、保管等)などについて、アストラゼネカと協議を進めることにしました。また、当該製剤化は、当社子会社の第一三共バイオテックがアストラゼネカから原液供給を受けて実施する予定であり、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の設備の活用も検討してまいります。

当社は、COVID-19流行の早期終息による社会の安心・安全の回復に向けて、アストラゼネカと協議のうえワクチンの国内安定供給に必要な準備を進めてまいります。

2. 医薬品・ワクチン等の継続供給

当社医薬品・ワクチン等のグローバルでの供給について必要な対策を講じており、現状、供給に支障を来たすような事態は生じていませんが、引き続き状況変化を注視していきます。

3. 治験の実施

当社は、患者さんの安全を第一に考え、各国地域の薬事規制当局から発効される直近の通知や治験実施地域の状況を踏まえて、公衆衛生への負担軽減を考慮し、治験責任医師やCROと十分連携して、治験を実施しています。
地域の状況によって新規患者登録の一時中断を経験していますが、治験自体の中断はしておりません。一部の地域では一時中断後に新規患者登録が再開されています。
特に、投薬中の患者さんについては、安全確保を最優先し、継続投与ができるよう、治験責任医師をはじめとする様々な関係者と十分な連携を図っています。

4. 被災救済策

新型コロナウイルス感染症対策に対する世界的な支援が必要とされるとともに、今後、医療アクセスの整備が不十分な地域での急速な感染拡大が懸念される状況に鑑み、当社のグローバルな社会貢献の一環として、国連財団やスイス慈善基金会が世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルス感染症パンデミックの予防や検出などの迅速対応を支援できるように運営する基金(新型コロナウイルス感染症連帯対応基金)に、公益財団法人日本国際交流センターを通じて100万米ドルを寄付いたしました。

また、中国において現地での対応を支援するため、2020年2月に中国紅十字会を通じて100万元の寄付金の拠出、および現地グループ会社からは武漢市の主要医療機関への医薬品の提供を実施しております。

なお、その他グループ各社においても、各国・各地域のニーズに合わせ、寄付金を含む様々な支援を実施しております。

米国においては、米国研究製薬工業協会(PhRMA)を通じた支援としてHealthcare Ready、自然災害への対応やグローバルヘルスに対する支援を行っているNPOであるアメリケアズ、米国赤十字社その他の現地機関の新型コロナウイルス感染症パンデミックへの対応支援のために合計64万5千米ドルの寄付を行いました。また、適切な医療資格を有する従業員に対し、患者のケアを担当する第一線の医療従事者の負担軽減に貢献するための、ボランティア活動を認めています。

欧州においては、多くの地域の医療機関や行政府、研究機関などに、必要とされるマスクや精製水などの物品寄付や金銭的寄付を行っています。

● ドイツにおいては、生産拠点のひとつであるミュンヘン近郊のパッフェンホーフェン市に、マスクの購入を目的として10万ユーロを寄付しました。また、難民支援や地域のフードバンクへの支援も実施しました。

● イタリアにおいては、医療機関に必要物資を提供するために4万ユーロを寄付しました。また、従業員による募金活動にマッチングギフトも実施しています。同時に、新型コロナウイルス感染症と心疾患に関連する論文などを医療関係者に提供するサイトや、高齢者のための啓発パンフレット発行とメンタルサポートを行う活動への支援を実施しております。

● スペインにおいては、約34万ユーロ相当の緊急的に必要な物資を医療機関に寄付しました。

● ベルギー、フランス、アイルランド、ポルトガル、トルコにおいても医療機関などに計7万ユーロを寄付しました。

アジアにおいては、中国以外でも、韓国やタイで医療機関や共同募金へ約2万8千米ドル相当の寄付を実施しました。

当社およびグループ会社における支援については、順次更新してまいります。

5. 感染拡大防止策の実施

当社では、CEOを本部長とする緊急対策本部を設置し、国内外の感染拡大状況、政府および専門家会議の見解を踏まえつつ、感染拡大防止策を講じております。日本国内での取り組みは以下のとおりです。

1. 国内グループ全従業員(派遣社員含む)を対象とした勤務体制

  • 業務上可能な社員には、積極的に在宅勤務を実施
  • 公共交通機関を利用して出社する社員は、マスク着用と原則、時差出勤を実施

2.感染拡大防止策

出張、会議、研修、イベント等
日本における緊急事態宣言解除を受け、以下のように対応

  • 国内出張については、出張先の地域の感染発生状況や医療機関等を含む訪問先の事情・意向を十分に考慮した上で実施の可否を判断。実施した場合、面会相手や時間、経路、訪問場所などの記録を残すなどの措置を取る
  • 会議、研修、イベント等については、原則オンラインで実施。対面での実施が必要・有効な場合は、3密対策を講じた上で開催
  • 海外出張は原則として中止・延期、またはテレビ・電話会議等の代替手段に変更

医療機関等への訪問

医療関係者等への訪問は、先方の訪問ルール等の指示に従うこととし、訪問する場合は必ずマスクを着用する

一般行動

社外の来客は、原則として中止・延期を要請、または電話等で対応
事業場内での手洗い、手指消毒、マスク着用、咳エチケットの実施
多くの人が集まるイベントや行事等への参加を極力避ける

体調不良時の対応

発熱等の風邪の症状が見られるときは、上長に報告の上、症状が改善するまで出社を控え、毎日、体温を測定して記録

感染者発生時対応

感染者は医師の就業許可があるまで就業禁止
濃厚接触により感染が疑われる場合は、感染者と最後に接触した日から14日間出社不可
感染、または濃厚接触により感染が疑われる場合は会社への報告を義務付け
各事業場で発生時を想定した対応策を事前に定め、事務所の消毒など適切な二次感染予防策を実施

感染拡大防止を目的とした臨時休校への対応

小学生以下の子・特別支援学校に通学する子の臨時休校に伴い休務が必要な社員には特別休暇(有給)を付与する

6. 高齢者の方が健康に過ごすためのお役立ち情報の発信

「高齢者生活サポートサイト」で、「外出を自粛されている高齢者が健康に過ごすためのお役立ち情報」を発信しています。高齢者とそのご家族・介護をされている方だけでなく、外出自粛や在宅勤務で運動が不足しがちな方にも、ご自宅での生活の工夫、気をつけたいポイントなどについて、お役に立てれば幸いです。

当社は今後も新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めてまいります。

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