当社の新型コロナウイルス感染症対策への取り組み

今般、新型コロナウイルスに罹患された皆様、および感染拡大により影響を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の早期回復と一日も早い流行の終息を心よりお祈り申し上げます。また、患者さんを救うため、困難な状況下で医療の最前線に立たれている医療関係者の皆様に心より敬意を表し、深く感謝いたします。当社では新型コロナウイルス感染症対策の一環として、ワクチンおよび治療薬の研究開発への貢献や医薬品の継続供給、被災救済策等を実施しております。当社の事業活動全般においては、引き続き在宅勤務の推進など感染拡大防止施策を講じております。



[コロナ禍でも変わることのない当社パーパスについて]
(2020年11月10日 第22回 日経フォーラム「世界経営者会議」にて行われた代表取締役社長 眞鍋淳の講演より一部抜粋)
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当社の取り組み

1. ワクチン及び治療薬の研究開発への貢献

当社は、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)に対するワクチンおよび治療薬の研究開発を全社横断的に推進するタスクフォースを2020年4月に立ち上げました。当社の持つ研究財産を知識を最大限に活用し、かつ外部機関とも連携し、以下の研究開発に積極的に取り組んでおります。

1. 新型コロナワクチンの開発

当社は、COVID-19の予防を目指し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)が支援する「新型コロナウイルス(2019-nCoV*1)の制圧に向けての基盤研究」*2(研究代表者:東京大学医科学研究所 河岡義裕 教授)に参画し、当社が見出した新規核酸送達技術*3を用いた「新型コロナウイルス(2019-nCoV)に対するmRNAワクチン開発」を分担しております。当社は本mRNAワクチンの開発を最優先プロジェクトの1つに位置づけ、厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募)」およびAMEDが実施する創薬支援推進事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)*4(第2次公募)」からの支援を得て、2021年3月頃の臨床試験開始を目指します。

  • ※1 2019-nCoVはSARS-CoV-2の暫定名称で同義語
  • ※2 流行が世界各国へ拡大している新型コロナウイルス感染症に関して、政府全体の緊急的な取組みの一部として、AMEDが支援することを決定したワクチン開発課題の一つ
  • ※3 医薬品有効成分の安定化ならびにデリバリーを効率化することで、従来のワクチン技術と比較して、より至適な免疫応答を誘導することを確認しています。
  • ※4 企業においてすでに研究開発が進められているCOVID-19に対するワクチンの開発を重点的に支援し、実用化を目的とした事業

2. ナファモスタット吸入剤の共同研究開発

当社は、COVID-19の治療を目指し、2020年6月、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所および日医工株式会社と共同でナファモスタット吸入製剤の研究開発を実施するための基本合意書を締結しました。

東京大学医科学研究所 井上純一郎教授(研究当時、現:東京大学 特命教授)らは、ナファモスタットが、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性がある薬剤であることを見いだしました。ナファモスタットは、急性膵炎や播種性血管内凝固症候群などの治療薬として、国内で長年にわたって処方されており、安全性については十分な臨床データが蓄積されている注射剤です。

第一三共は、抗インフルエンザウイルス薬「イナビル®」の開発で得た技術を活用して、ナファモスタットの吸入製剤化の研究開発を推進します。2020年7月より非臨床試験を実施中であり、2021年3月迄の臨床試験移行を目指します。

3. ドラッグリポジショニング

当社は、COVID-19治療薬探索のためのドラッグリポジションニングを実施中です。当社既存品を対象にCOVID-19治療への応用可能性を評価すると共に、当社の過去及び現在の研究開発プロジェクトの知見からヒントを見出し、COVID-19治療薬の標的分子や化合物の候補を選抜することにも焦点を当てた“広義のドラッグリポジショニング“をアカデミア等と連携して実施しております。

2. 医薬品・ワクチン等の製造と供給

1. ワクチンの製造

当社は、アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発中の新型コロナウイルスワクチンの国内における安定供給に向け、アストラゼネカと協議を進めることに合意しました。

アストラゼネカが、日本政府と国内における本ワクチンの導入に向けた具体的な協議を進めることに合意したことを踏まえ、当社は、本ワクチンの国内における製剤化(バイアル充填、包装、保管等)などについて、アストラゼネカと協議を進めることにしました。また、当該製剤化は、当社子会社の第一三共バイオテックがアストラゼネカから原液供給を受けて実施する予定であり、「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」の設備を活用して検討を進めております。

2. 医薬品・ワクチン等の継続供給

当社医薬品・ワクチン等のグローバルでの供給について必要な対策を講じており、現状、供給に支障を来たすような事態は生じていませんが、引き続き状況変化を注視していきます。

3. 治験の実施

当社は、患者さんの安全を第一に考え、各国地域の薬事規制当局から発効される直近の通知や治験実施地域の状況を踏まえて、公衆衛生への負担軽減を考慮し、治験責任医師やCROと十分連携して、治験を実施しています。
地域の状況によって新規患者登録の一時中断を経験していますが、治験自体の中断はしておりません。一部の地域では一時中断後に新規患者登録が再開されています。
特に、投薬中の患者さんについては、安全確保を最優先し、継続投与ができるよう、治験責任医師をはじめとする様々な関係者と十分な連携を図っています。

4. 被災救済策

新型コロナウイルス感染症対策に対する世界的な支援が必要とされるとともに、今後、医療アクセスの整備が不十分な地域での急速な感染拡大が懸念される状況に鑑み、当社のグローバルな社会貢献の一環として、国連財団やスイス慈善基金会が世界保健機関(WHO)の新型コロナウイルス感染症パンデミックの予防や検出などの迅速対応を支援できるように運営する基金(新型コロナウイルス感染症連帯対応基金)に、公益財団法人日本国際交流センターを通じて100万米ドルを寄付いたしました。

なお、その他グループ各社においても、各国・各地域のニーズに合わせ、寄付金を含む様々な支援を実施しております。

米国においては、米国研究製薬工業協会(PhRMA)を通じた支援としてHealthcare Ready、自然災害への対応やグローバルヘルスに対する支援を行っているNPOであるアメリケアズ、米国赤十字社その他の現地機関の新型コロナウイルス感染症パンデミックへの対応支援のために合計64万5千米ドルの寄付を行い、さらに2020年度後半に28万米ドルを様々な支援団体に追加で寄付を行いました。また、適切な医療資格を有する従業員に対し、患者のケアを担当する第一線の医療従事者の負担軽減に貢献するための、ボランティア活動を認めています。

欧州においては、多くの地域の医療機関や行政府、研究機関などに、必要とされるマスクや精製水などの物品寄付や金銭的寄付を行っています。

  • ドイツにおいては、生産拠点のひとつであるミュンヘン近郊のパッフェンホーフェン市に、マスクの購入を目的として10万ユーロを寄付しました。また、難民支援や地域のフードバンクへの支援も実施しました。さらに、感染リスクを避けるための戸外活動支援の一助として、障がい者福祉施設に対し自転車やヘルメットの購入のための寄付を行っています。そして地元の警察の協力で購入した自転車を使って子どもたちが日常生活に有用なスキルである乗り方を学ぶトレーニングに活用されています。
  • イタリアにおいては、医療機関に必要物資を提供するために4万ユーロを寄付しました。また、従業員による募金活動にマッチングギフトも実施しています。同時に、新型コロナウイルス感染症と心疾患に関連する論文などを医療関係者に提供するサイトや、高齢者のための啓発パンフレット発行とメンタルサポートを行う活動への支援を実施しております。
  • スペインにおいては、約34万ユーロ相当の緊急的に必要な物資を医療機関に寄付しました。
  • ベルギー、フランス、アイルランド、ポルトガル、トルコにおいても医療機関などに計7万ユーロを寄付しました。
  • トルコでは" Covid-19対策を支援する”Silent Heroes" プロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは医師、医療従事者、第一三共トルコの従業員および著名な歌手が協働し “Uzun İnce Yoldayım”(私は長く細い道を歩いています)という民謡を再解釈して、COVID-19と闘いながら命を失った医療従事者のこと決して忘れず、その闘いに対する意識を高めることを広く社会に啓発することに貢献しました。この取り組みは評価され、トルコ製薬業界が表彰する「社会的責任賞2020」に選ばれました。

中国においては、中国紅十字会を通じて100万元の寄付金の拠出、および現地グループ会社から主要医療機関への医薬品の提供を実施しております。韓国やタイにおいては、医療機関や共同募金へ約2万8千米ドル相当の寄付を実施しました。

当社およびグループ会社における支援については、順次更新してまいります。

5. 感染拡大防止策の実施

当社では、CEOを本部長とする緊急対策本部を設置し、国内外の感染拡大状況、政府および専門家会議の見解を踏まえつつ、感染拡大防止策を講じております。日本国内での取り組みは以下のとおりです。

1. 国内グループ全従業員(派遣社員含む)を対象とした勤務体制

  • 全社員を対象にテレワーク制度を拡大しました。COVID-19に関する状況の変化を十分注視し、医薬品の安定供給のために必要な在庫量の確保等に努めるとともに、業務上可能な社員は積極的に在宅勤務を実施しています。
  • 公共交通機関を利用して出社する社員は、マスク着用と原則、時差出勤を実施し、職場や通勤時等における感染防止に努めています。
  • 緊急事態宣言再発出中は、地域に限らず、極力出社日を減らすよう、テレワーク・出社勤務を組み合わせた業務計画を調整し、生産、研究、営業等の出社・外勤必須業務を除く社員の在宅勤務率 7 割 を目指しています。また、業務執行上、他の代替手段がない場合を除き、オフィスでの就業は20時迄としています。

2.感染拡大防止策

出張、会議、研修、イベント等

  • 国内出張については、原則として 中止 ・延期、またはオンライン会議など の代替手段に変更しています。
  • 会議、研修、イベント等については、原則オンラインで実施。対面での実施が必要・有効な場合は、3密対策を講じた上で開催しています。
  • 海外出張は原則として中止・延期、またはテレビ・電話会議等の代替手段に変更しています。
  • 感染リスクが高まる「5つの場面」等の注意喚起を実施しています。

医療機関等への訪問

  • 医療関係者等への訪問は、先方の訪問ルール等の指示に従うこととし、訪問する場合は必ずマスクを着用しています。

一般行動

  • 社外の来客は、原則として中止・延期を要請、または電話等で対応しています。
  • 事業場内での手洗い、手指消毒、マスク着用、咳エチケットを実施しています。
  • 多くの人が集まるイベントや行事等への参加を極力避けています。
  • 緊急事態宣言再発出中は、社内外問わず、業務に関連した会食は原則として禁止しています。
  • 接触確認アプリ(COCOA)の活用を推奨しています。

事業場における対応

  • 本社など一部施設では、食堂へのアクリル板設置や消毒用アルコールスプレー・フェイスマスクの配布などの措置を実施しています。

体調不良時の対応

  • 発熱等の風邪の症状が見られるときは、上長に報告の上、症状が改善するまで出社を控え、毎日、体温を測定して記録しています。

感染者発生時対応

  • 感染者は医師の就業許可があるまで就業を禁止しています。
  • 濃厚接触により感染が疑われる場合は、感染者と最後に接触した日から14日間出社不可としています。
  • 感染、または濃厚接触により感染が疑われる場合は会社への報告を義務付けています。
  • 各事業場で発生時を想定した対応策を事前に定め、事務所の消毒など適切な二次感染予防策を実施しています。

感染拡大防止を目的とした臨時休校への対応

  • 小学生以下の子・特別支援学校に通学する子の臨時休校に伴い休務が必要な社員には特別休暇(有給)を付与しています。

6. 高齢者の方が健康に過ごすためのお役立ち情報の発信

「高齢者生活サポートサイト」で、「外出を自粛されている高齢者が健康に過ごすためのお役立ち情報」を発信しています。高齢者とそのご家族・介護をされている方だけでなく、外出自粛や在宅勤務で運動が不足しがちな方にも、ご自宅での生活の工夫、気をつけたいポイントなどについて、お役に立てれば幸いです。





[新型コロナウイルス感染症に関する、代表取締役社長 眞鍋淳のメッセージ]
このメッセージの英語版は、当社の英語サイト(https://www.daiichisankyo.com/)と共に、国連グローバル・コンパクト* が、国連と連携して開始した「#Uniting Business to Respond to COVID-19」キャンペーンの「CEOs Taking Action」サイトを通じて発信しています。
 *国連グローバル・コンパクト:各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組み

当社は今後も新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めてまいります。

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