フードバスケットを運ぶ女性

Make a Difference ブラジルでのフードバスケット募金

2021年03月19日
Sustainability
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COVID-19のパンデミックにより、世界各国が前例のない試練に直面しています。この世界的な脅威に、政府や様々なセクターの組織・個人が一体となって立ち向かう時代を私たちは経験しているのです。こうした中で第一三共ブラジルが実施した支援策をご紹介します。

待ったなしの状況にあるブラジル

ブラジルでは、COVID-19の感染拡大の前から、貧困による社会的混乱が続いていました。実際、ブラジルのNGO(非政府組織)であるGerando Falcões(ジェラド・ファルチュア)によれば、ブラジル国内では1,360万人がスラムで生活しており、COVID-19感染拡大の影響により、スラム全体の84%の家庭で子どもたちが学校に通うことができなくなっているようです。子どもたちにとって学校は、学業だけでなく食事をする場所でもあるため、COVID-19の影響は人々の家計のみならず、子どもたちの健康面の不安も増長させています。多くの家庭が深刻な食糧不足に直面し、貧困層を支援する機関やNGO等の社会事業も打撃を受けている状況なのです。これを踏まえ、第一三共ブラジルは、ブラジル社会への貢献をすべく、「CESTOU(セストゥ)」という活動を2020年9月に立ち上げました。ブラジル国内の社会経済情勢によって大きな打撃を受けた人々を支援する取り組みです。

フードバスケット募金のマッチング

「CESTOU」では、貧困層などを支援する6団体を選定し、第一三共ブラジルは1,120のフードバスケットを寄付しました。また、この活動に賛同する社員が活動に参加しやすいよう、社員が直接『フードバスケット募金サイト』にアクセスできる環境を整えました。同サイトを通じて、社員は自身の募金額に応じたフードバスケットを選択し、寄付することができます。社員から寄付されたのと同額分のフードバスケットを第一三共ブラジルが上乗せして寄付することがこの活動の重要なポイントです。


2020年10月の1ヵ月間で、第一三共ブラジルの社員から253のフードバスケットが寄せられました。社員が社会課題解決のために一丸となることができたのは、大変有意義でした。そして、第一三共ブラジルでは、社員から集まったバスケット数を2倍にし、最初の寄付と合わせ6団体にそれぞれ230のフードバスケットを寄付することで、ブラジルの家庭に一層の貢献を果たすことができました。最終的には「CESTOU」を通じて、合計1,380のフードバスケットが寄付されました。

このイニシアティブは規模としては小さいものでしたが、女性、青少年、生活困窮児、高齢者、希少疾患者等、ブラジル社会において弱い立場に置かれた人々の生活改善に貢献することができました。「一緒だと強くなれる」をモットーに掲げ、第一三共のパーパス(存在意義)である「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを体現し、支持する活動となりました。
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「CESTOU」において寄付先に選定した6団体について

  • Hera Institute(ヘラ研究所)
    Hera Instituteは、家庭内暴力や家族間暴力に苦しむ女性、青少年及び児童に対する心理的、社会的及び法的支援に焦点を当てた団体です。また、病気で脱毛した人に対して、ウィッグやヘッドスカーフを無償で提供するなど、女性の健康、がん治療、脱毛、頭皮除去等に対する取り組みも行っています。
  • Grupo Vida Brasil(ヴィダ・ブラジル グループ)

    Grupo Vida Brasilは、60歳以上の高齢者の権利擁護と市民権の行使を推進するため、無償サービスを提供しています。プロジェクトの重点は、心身の健康、社会的支援、レクリエーション、文化・スポーツレジャー、社会教育活動に置かれています。

  • サンパウロ コミュニティー Paraisópolis(パライソポリス)
    2050年までに、高齢者の数が子どもの2倍になるというブラジル。サンパウロ コミュニティーはParaisópolisのコミュニティーから社会的弱者である女性たちが「持続可能な手のマリア・プロジェクト」に参加し、女性に対する暴力の連鎖を断ち切り、女性が自律し、住んでいる地域で働けるように職業を学び経済的にも自立することを支援しています。
  • ファベラスCUFA of Heliópolis (ヘリオボリス)―United Central of Slums
    CUFAはHeliópolis地域で、教育、レジャー、スポーツ、文化、市民活動(落書き、DJ、ブレーク、ラップ、オーディオビジュアル、ストリートバスケットボール、文学等)の分野で、社会的に弱い立場にいる人々の統合と社会的包摂を促進しています。
  • Igualdade e Vida(イグアルダ・デ・ビダ)協会―均等・生命協会

    同協会は、困窮している子どもたちや路上で暮らす人々、極度の貧困層等が尊厳をもって豊かな生活を送れるよう支援することを目的としています。施設では、150人以上の子どもたちが支援を受けています。

  • Hunter House(ハンターハウス)
    Hunter Houseでは、希少疾患患者を対象として、家族、友人、専門医、病因に関心のある全ての人々が集まることで、民間及び社会全体の問題解決と意識啓発を進めています。

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