新卒入社から6年目を迎えた現在、生産統括部の製薬課で、原薬製造に携わる岩崎文也さん。サブチームリーダーとして新たに導入された製造システムの立ち上げを担い、商用製造開始に向けて奮闘しています。その業務は、大容量の原薬を製造する設備機器を用いた際の製造パラメーターの最適化や、製造をスムーズに進めるための関係者との連携、チームメンバーへの技術・知識の継承などさまざまです。そこには、患者さんへ確かな品質の医薬品を届けるために挑戦を続ける岩崎さんの、強い使命感と熱い想いがありました。

学生時代の学びを活かし、製薬業界へ
学生時代は、分子生物学を専攻し、生物の仕組みを分子レベルで解き明かす研究に打ち込んでいました。遺伝子組換えを行う中で、その知識を活かせる進路として頭に浮かんだのが製薬業界でした。現在は学んだ技術を活かしながら、医薬品の原薬製造に携わっています。
入社前から第一三共は「人を大切にする会社」というイメージを持っていました。社員一人ひとりの成長を促してくれる風土、柔軟な働き方を可能にする勤務制度、研究開発への積極的な投資。その姿勢に共感して、入社を決めました。
試行錯誤を重ね、新たな製造プロセスを検討
私が所属する組織は、医薬品の原薬を製造する部所です。私はその中で、製造作業のサブチームリーダーを務めています。現在は新たに導入された製造システムの立ち上げを任され、商用製造に向けたノウハウの蓄積に取り組んでいます。製造プロセスにおける設定値の決定や、製造作業をスムーズに進めるために関係する部所と連携しながら、チームメンバーへ技術・知識を継承することなどが主な業務です。
原薬の品質を担保するためには、数多くの製造パラメーターを精密にコントロールする必要があります。そして、新たに導入された製造設備は、これまでの設備と比べて数倍の大きさなので、単純にスケールアップをするのではなく、研究所での小規模試験を踏まえて、仮説を立てながら、パラメーターを一つひとつ検証していきました。
限られた条件で成果を出すため、徹底的に準備する

実生産機での試験製造は、本番と同じ量の原材料が必要です。医薬品の原材料は非常に高価なため、1回1回、慎重に実施します。研究所での小規模容量で成功した方法が必ずしも通用するわけではないので、起こりうる不具合を事前に洗い出し、対応策を準備した上で臨みました。それでも、初回は予想通りに進まず、苦戦。しかし、入念な事前準備とチームの協力が功を奏し、最終的には限られた試行回数の中で主要な製造パラメーターを確定させることができました。上長が「現場が一番状況をわかっているので、ある程度は任せる。責任は私たちが取る」と信頼してくれたことも、大きな支えになったと思っています。
現在は、その知見をプロジェクトメンバーに共有するフェーズへ。バックグラウンドの異なるメンバーにとっても理解しやすいよう、できるだけ簡潔に、わかりやすい資料を作り、誰もが安定したオペレーションを行える体制づくりを進めています。
患者さんの健康で豊かな生活を、今日もどこかで支えたい
私にとって第一三共は「前向きに挑戦できて、やりたいことを諦めなくていい会社」。博士号取得を目指して大学院にも通っていますが、学びを応援してもらえるのは大きな励みです。入社以来、多くの経験を積み重ねてこられたのも会社の支援があってこそ。今後は培った知識と技術を、さらに会社へも還元していきたいと考えています。
やりがいを感じる瞬間は、病院で処方された医薬品に「第一三共」の名前を見かけたとき。私たち生産技術のメンバーだけでなく、研究や開発、情報提供、メディカルアフェアーズ、信頼性保証や安全管理、コーポレートなど、幅広い分野から多くの仲間の力が結集して、患者さんへ医薬品が届けられている。その一端を担えていることに、誇りを感じます。企業理念にある「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」。その実現を、今日もどこかで支えていると思えることが、私の原動力です。
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