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医療アクセスの拡大

医療アクセスの拡大は製薬企業の重要な使命の一つです。
アンメットメディカルニーズ(未充足な医療ニーズ)および公衆衛生や教育、所得格差などのさまざまな社会的要因により十分な医療を受けられないといった医療へのアクセスの制限は、健康と医療に関する社会課題です。第一三共グループは社内外のリソースを有効活用し、貢献していきます。

取り組みにあたっては、以下を定めています。
第一三共グループ医療アクセス方針

基本的な考え方

第一三共グループは、「革新的医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供することで、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」を企業理念とし、人的、知的、財務などの社内資本に加えて、パートナーシップやオープンイノベーションなどの社会・関係資本を活用し、当社独自の強みである「サイエンス・テクノロジー」「グローバル組織・人材」「日本でのプレゼンス」を活かし、企業理念を実践していくことで、社会の発展に継続的に寄与していきます。
製薬企業が取り組むべき医療アクセスの課題として、アンメットメディカルニーズおよび公衆衛生や教育、所得格差などのさまざまな社会的要因に起因する基礎的な医療へのアクセスの制限が挙げられます。これらのグローバルヘルスの課題については、第4期中期経営計画に基づきCSR部グローバルヘルスチームを中心に、「研究開発の促進」「医薬品アクセスの向上」「地域医療基盤の強化」を活動の柱とする「第一三共グループ医療アクセス方針」(pdfリンク、別添のpdfです)を定め、当社グループとして、研究開発から製造、販売、信頼性保証にわたるバリューチェーンで取り組んでいます。これらの課題解決への取り組みは、国連が定めたSDGs※1(持続可能な開発目標)の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に貢献します。
また、知的財産権と開発途上国における医薬品アクセスについては、以下に定めています。

知的財産権と開発途上国における医薬品アクセスについての考え方

  • ※1 Sustainable Development Goalsの略

持続可能な開発目標(SDGs)

CSRハイライト

私たちのCSR課題への取り組み

Access Acceleratedへの参画

日米欧の製薬企業24社が、世界銀行および国際対がん連合と連携し、低所得国および低中所得国 の非感染性疾患(NCDs※2)の予防や診断、治療等の改善に取り組むことを目的としたAccess Acceleratedに参画しています。

Access Acceleratedは、SDGsの目標3のターゲットの一つに掲げられている「2030年までにNCDsによる若年死亡率を予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健および福祉を促進する。」ことの達成に向けて取り組みます。

  • ※2 Non-Communicable Diseasesの略。がん、循環器疾患、慢性呼吸器疾患、糖尿病などの非感染性疾患

本イニシアティブへの参画にあたり、当社CEOからのビデオメッセージをご覧ください。

2018年5月には、Access Accelerated の活動初年度をまとめたYear One Reportが発行されました。Year One Reportでは、これまでの中国における保健人材の育成の活動報告を掲載しています。

Access Accelerated:Year One Report

Access Accelerated

タンザニアにおける移動診療サービスの継続実施

タンザニアでは、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンと協働し、医師不足や病院へのアクセスが悪いなどの医療インフラが未整備の地域に貢献するために、NGO、現地政府、地域社会と協力し移動診療サービスを行っています。
当社は、乳幼児死亡率と妊産婦死亡率が高く、医療アクセス上の課題がある地域において、2011年から移動診療サービスを展開し、当該地域における乳幼児のワクチン接種率の向上および妊産婦健診の受診率の向上などに貢献してきました。
2016年度からは、新たな活動地域として、タンザニアのキロンベロ県にて、当サービスを継続し、2017年2月にはキックオフセレモニーを開催しました。SDGsの目標3の達成に焦点をあてた活動として、乳幼児のワクチン接種率の向上や妊産婦健診の受診率の向上などに取り組みます。また、これらの活動を支えるために、活動をサポートできるコミュニティ保健員の育成にも注力していきます。
取り組みにあたっては、評価項目を設定し、継続的に活動の進捗をモニタリングしています。なお、これらの活動はAccess Acceleratedにおけるイニシアティブとしても取り組んでいる活動です(以下「社外からの声」参照)。

キックオフセレモニーを開催

タンザニアの巡回医療イメージ

・進捗報告(2017年2月~2017年12月)

巡回医療活動回数 521回
3種混合ワクチンを接種した1歳未満児 5,934人
産前健診を受けた妊婦(16週) 2,782人
意識啓発キャンペーン参加者数 13,509人
保健医療従事者トレーニング受講者数 110人

活動内容、これまでの活動報告については、下記をご覧ください。

中国における保健人材の育成

2015年7月から、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンと協働し、中国雲南省廣南県の6ヶ所の郷(約6万世帯)を対象に「母子の健康改善に資する保健人材の育成」と「地域住民に対する保健教育活動」への取り組みを行っています。5年間の活動において、小児疾患統合管理研修(IMCI※3トレーニング)の実施による保健人材の育成やコミュニティーセンター設置による地域住民の疾患対応能力向上のための保健教育を行い、当地域における5歳未満児の健康・栄養状態の改善を目指します。
これまでに、約260名の保健医療従事者(村医)がIMCIトレーニングを受講し、小児の疾患への対応、乳幼児へのケアなどについて学びました。また、6カ所の郷すべてにコミュニティーセンターを開設し、保護者向けの意識啓発活動を行っており、3年間で約9,900人の地域住民が活動に参加しました。IMCIトレーニングを受講した村医の活動も始まり、さらに住民の活動の充実が期待できます。
取り組みにあたっては、評価項目を設定し、継続的に活動の進捗をモニタリングしています。なお、これらの活動はAccess Acceleratedにおけるイニシアティブとしても取り組んでいる活動です(以下「社外からの声」参照)。

  • ※3 Integrated Management of Childhood Illnessの略

進捗報告(2015年1月~2017年12月)

IMCIトレーニング受講者数 257人
IMCIリフレッシャートレーニング受講者数 201人
必須新生児ケアトレーニング受講者数 202人
コミュニティーセンター活動参加者数 9,923人

取り組みの詳細については、以下をご覧ください。

【社外からの声】企業とのパートナーシップを通して革新的な活動を進めていきます

佐藤 活朗公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
事務局長
佐藤 活朗

第一三共と協働で取り組んでいるタンザニアでの移動診療サービスや中国での保健人材の育成は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標3の達成に貢献する活動です。
昨今、活動の評価において、アウトプット、アウトカムのみならず、中長期的な視点から社会的なインパクトが求められています。タンザニアでは、私たちの活動にあわせて、コミュニティ自らが県やNGOの支援無しに妊産婦のための健診や地域住民の教育活動のための簡易施設を建設しました。これらの住民の行動の変容も、社会的なインパクトの一つとして考えています。今後も、コミュニティの人々が地域の問題に対する継続的な解決の担い手になれるよう支援していきます。

コミュニティ自らが建設した簡易施設
PLAN INTERNATIONAL

グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」への参画

開発途上国における感染症を制圧するための創薬促進に向け、2013年4月に日本国政府、製薬企業6社、ビル&メリンダ・ゲイツ財団による日本発の官民連携パートナーシップとして設立された公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」に設立当初から2018年3月までの第一期5年間に亘り資金拠出しました。その間、同Fundは、投資活動を通じて多くの革新的な製品開発を飛躍的に前進させました。
当社グループにおいてもマラリア、および顧みられない熱帯病(NTDs※4)であるリーシュマニア症・シャーガス病の候補物探索のためのスクリーニングプログラムに天然物を含めた化合物ライブラリーを用いて共同研究を進めており、マラリアはリード化合物最適化ステージ、リーシュマニア症 ・ シャーガス病はリード化合物創出ステージに進展しています。
当社は、2018年4月に第二期を迎えた同Fundに対して、引き続き資金拠出します。

  • ※4 Neglected Tropical Diseasesの略

官×企業×市民

公益社団法人 グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」

【VOICE】グローバルヘルスで社内外に認められる結果を残したい

渡辺 剛史第一三共株式会社
経営戦略本部
経営推進部
経営戦略グループ
渡辺 剛史

2013年のGHIT Fund設立時から当社はグローバルヘルスにかかわる治療薬の探索プロジェクトに参画してきました。当社独自の化合物のスクリーニングから段階的に研究を進め、現在はマラリア、結核、NTDs(リーシュマニア症・シャーガス病)の治療薬の探索研究を実施しています。いずれも初期ステージの研究ですが、当社の創薬の知見を最大限に活かし患者さんを救うために、当社の研究チームと共同研究先が協力して精力的に研究を進めています。これらの活動の認知度はまだ低いですが、将来的に「第一三共は世界のさまざまなステークホルダーに対して真摯に関与し貢献している」と社内外の方々に認めていただけるような結果を残したいと強く思っています。

希少疾患への持続的な取り組み

当社グループは、健康と医療に関する社会課題の解決に向けた取り組みのひとつとして、希少疾患に対する医療アクセスの拡大を掲げております。当社は、ビオプテン※5、メチレンブルー※6、ギャバロン髄注※7などの希少疾病用医薬品を供給しています。
また、Orphan Disease Treatment Institute※8と共同開発しているDS-5141(デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤)、および東京大学医科学研究所の藤堂具紀教授と共同開発しているG47△(DS-1647:がん治療用ウイルス)があり、それぞれ先駆け審査指定制度※9、加えてG47△は希少疾病用再生医療等製品に指定されました。このように、自社資源に留まらずに共同開発など外部のリソースを活用し、希少疾患の課題解決に持続的に取り組んでいます。

  • ※5 天然型テトラヒドロビオプテリン製剤
  • ※6 中毒性メトヘモグロビン血症の治療剤
  • ※7 バクロフェンを作用部位である脊髄の周囲へ直接投与することにより、痙縮をやわらげるITB療法に使用される薬剤
  • ※8 株式会社産業革新機構と三菱UFJキャピタル株式会社の運用するファンドと当社との共同投資による会社
  • ※9 世界に先駆けて日本での革新的医薬品等の早期実用化を促すため、臨床試験や承認手続を優先して受けられる制度

麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)の製造に関する技術協力

北里第一三共ワクチンは、2018年3月までの5年間、ベトナムPOLYVAC※10への「MRワクチン製造技術移転プロジェクト」を独立行政法人国際協力機構(JICA)に協力し実施してきました。
この技術移転により、ベトナムの国内で生産したMRワクチンが予防接種拡大計画に組み込まれ、2018年3月にベトナムの子供たちへの接種が開始されました。
今後は、麻しん風しん流行時にも、ベトナムは輸入に頼ることなく迅速な対応ができるようになります。

このプロジェクトへの貢献は、ベトナムにおいて高く評価され、ベトナムの医療への功績を称える最も名誉ある「保健大臣賞」を2017年9月に受賞しました。

ベトナム国「保健大臣賞」受賞のお知らせ

  • ※10 ベトナムのワクチン公社であるワクチン・生物製剤研究・製造センター

ベトナム保健大臣表彰状

ベトナム保健大臣表彰状

ベトナム保健省との記念撮影

ベトナム保健省との記念撮影

偽造医薬品等への対応

日本国内で発生した偽造医薬品の流通を受け、2017年度に、偽造医薬品の流通防止に係る省令が改正されました。
当社は改正省令への対応を適切に進め、医薬品保管や譲受・譲渡記録等の厳格化を図っています。
同様に、医療用医薬品の流通効率化やトレーサビリティ強化のため、販売包装単位や元梱包装単位に有効期限・製造番号情報を含むGS1コードの表示が、2021年までに義務化されます。当社は、義務化を見据えた対応を進めており、既に8割以上の製品に対応を完了し、早期対応完了に目処がたっています。今後も、製薬業界および関係団体と連携し、製造販売業者に求められる役割と、製品リスクに応じた強化施策を検討します。
また、シリアライゼーションが義務化されつつある欧米等諸外国において、国別に的確な対応を順次進めています。特に米国では、医薬品サプライチェーン安全保障法(DSCSA)に基づき、シリアライゼーション対応準備を進めており、医薬品メーカーとしての対応期限である2018年11月までに対応を完了する予定です。
また、医薬品の保管・輸送時の信頼性保証を高めるべくGDP※11への対応も積極的に推進しています。さらにグローバルな品質保証システムや監査プログラムの導入による偽造品の防止を目的としたグローバル製薬メーカーとサプライヤーのコンソーシアムであるRx-360にも加盟しています。グローバルでの偽造医薬品対策を各国・地域の規制やリスクに合わせて的確に対応し、患者さんのお手元に、安全にお薬を届けるべく、日々研鑽を重ねています。

  • ※11 Good Distribution Practiceの略。医薬品の適正流通基準

アフォーダブルプライシングの実現

医薬品は、必要とする患者さんに届き、患者さんが正しく服用することにより、はじめて意味を持ちます。 開発途上国のみならず先進国においても、各国・地域の医療制度の仕組みや、所得格差等により、必要な医薬品へのアクセスが制限される患者さんが存在します。 各国・地域市場の事情を十分に考慮し、患者さんが入手しやすい価格で提供することを含めた医薬品へのアクセスを向上させるさまざまなイニシアティブとの連携を図り、取り組みます。

患者支援プログラム

当社の医薬品を、それを必要とする患者さんに確実にお届けすることは、革新的な治療法の開発への取り組みと同様に重要です。当社の米国子会社である第一三共Inc.とルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.では処方薬支援プログラムを通じて、アメリカの何万人もの患者さんが当社の医薬品を使用することを可能にしています。
Daiichi Sankyo Open Care Programは、第一三共Inc.の医薬品を処方された無保険や十分な保険給付を受けられない患者さんへ、無償で医薬品を提供しています。
ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.でも、一部の医薬品において、無保険や十分な保険給付を受けられない患者さんへのサポートプログラムを提供しています。また、第一三共Inc.は米国研究製薬工業協会(PhRMA)のメンバーとして処方薬支援パートナーシップ(PPA)に参画しています。PPAは、製薬会社と医療関係者、患者団体、コミュニティグループなどによる連合体組織です。PPAは、患者さんが利用可能な支援プログラムとその適格性を確認し、申請することをサポートしています。

人道的見地から実施する治験について

当社は、人道的見地から、生命に重大な影響がある疾患であって、当社の臨床試験の参加基準を満たさず、かつ代替治療薬が存在しない疾患の治療のため、「人道的見地から実施される治験」等の未承認薬を提供する制度を利用して、未承認の医薬品を提供します。
未承認薬の提供に際しては、患者さんが受けることのできるベネフィットとリスクならびに当該医薬品の開発状況を踏まえて検討した上で、提供の可否を判断しています。

臨床試験情報の開示

当社は幅広い関係者に対し、当社が治験依頼者として実施する臨床試験の情報を適切に開示することは重要な意義があると認識し、情報の開示を積極的に進めています。これまでに、各国の規制ならびに各業界団体から示される指針・見解に従って、臨床試験とその結果に関する情報を、ClinicalTrials.gov、EU-CTR、JapicCTI等の各種臨床試験登録サイトに登録・公開してきました。
これに加え、外部の研究者に対して臨床試験データを共有することが、医薬品への理解を深め、科学的知見をさらに広め、ひいては患者さんのための医療の発展に繋がるなど重要な意義があると考え、2016年2 月より、臨床試験データ共有ポータルClinicalStudyDataRequest.comを利用して、外部の研究者に、定められたプロセスの下、個人情報保護のために匿名化された臨床試験データを閲覧・解析する環境を提供しています。
2018年2月には、当社ウェブサイトの臨床試験情報開示ページをリニューアルし、当社の臨床試験の概要や結果にアクセスできるようになりました。また、2018年4月には、欧米で承認を取得した医薬品に加えて、日本で承認を取得した医薬品の臨床試験データ共有を開始しました。

第一三共株式会社