第一三共グループでは、持続的な成長に向けて取り組むべき重要課題を、当社グループにおける重要度(中長期的な企業価値に影響を及ぼす重要性)と社会からの期待の両面から、2019年度に8つのマテリアリティとして特定し、2020年度には「事業に関わるマテリアリティ」と「事業基盤に関わるマテリアリティ」に整理し、マテリアリティ毎にKPIを設定しました。

価値創造のための8つのマテリアリティ

当社グループの価値創造の根幹である「革新的な医薬品を継続的に創出」していくことが、当社グループが取り組むべき最重要課題です。研究開発を通じて生み出した医薬品を患者さんにお届けするためには、高品質な医薬品の安定供給、高品質な医療情報の提供、医療アクセスの拡大が重要となります。また、持続可能な経営基盤の強化として、コンプライアンス経営の推進、企業理念の実現に向けたコーポレートガバナンス、環境経営の推進、当社グループの事業活動の競争力と優位性を生み出す多様な人材の活躍推進と育成についても、事業を支える重要な課題として取り組みます。

マテリアリティの特定プロセス

マテリアリティの特定と整理にあたっては、2015年度にCSRの観点から、36課題を選定しました。2018年度には、取り組むべき課題の新設や統合などを行い、21課題に見直しました。
さらに、2019年度にCSRに事業およびガバナンスの観点を加えた上で、当社グループの中長期的な企業価値に影響を及ぼす重要度と、当社グループのさまざまなステークホルダーを含む社会からの期待の両面から、中長期的取り組み課題として抽出し、ステークホルダーとの対話を参考にしてマテリアリティ案を作成しました。
そして、取締役会での2度の議論を経て、2020年3月に8つのマテリアリティとして特定しました。取締役会では、社外取締役から「コンプライアンス経営の推進」や「環境経営の推進」の重要度の高さについて意見が出され、活発な意見交換が行われました。 

 

 

マテリアリティ・マネジメントサイクル

2020年3月のマテリアリティの特定後、2020年度はマテリアリティ毎の取り組み指標「KPI」*1の設定についての議論を行いました。「KPI」については、経営会議での議論に加え、取締役会メンバーによる複数回の議論を経て、2021年3月の取締役会でKPIが承認されました。また、2021年4月の第5期中期経営計画の公表に併せ、マテリアリティ毎の長期目標、マテリアリティ実現に向けた課題に加えてKPIを公表しました。
社会環境変化を捉え、KPI設定時には、新型コロナウイルス感染症が社会にもたらした影響等も踏まえ、マテリアリティの追加、変更の必要性有無についても、取締役会メンバー間で議論を行いました。
* Key Performance Indicator(主要業績評価指標)の略

今後、マテリアリティ毎の長期目標の達成に向けて、KPIの進捗状況を管理していくとともに、社内外のステークホルダーと建設的な対話を行うことで、さらなる取り組みの強化につなげていきます。
マテリアリティマネジメントにおいては、経営企画部とサステナビリティ推進部が事務局を務め、各ユニットと密に連携して推進していきます。

 

ステークホルダーとの対話

2020年9月のバリューレポート発行後、投資家の皆様とのウェブ面談を実施し、マテリアリティを含む当社のサステナビリティへの取組みにフォーカスした対話を行いました。また、2021年2月には、クレディ・スイス証券株式会社主催のスモールミーティング形式オンライン説明会を実施し、投資家の皆様と当社経営陣とのバリューレポートに関する意見交換を行いました。これらの対話を通じていただいたご意見は、2021年4月に公表したマテリアリティKPIの策定において参考にしています。今後もさまざまな機会を捉え、ステークホルダーの皆様との対話を行ってまいります。


事業に関わるマテリアリティ

2025年度目標値は、第5期中計経営計画に合わせ、グループ全体の目標値として設定。 現状の実績値に関してはマテリアリティ毎の詳細セクションに記載。

マテリアリティ 長期目標 マテリアリティ実現に向けた課題
(2025年度目標に向けて)
KPI項目 2025年度までの
目標値
革新的な医薬品の創出

当社の強み(サイエンス&テクノロジー)を活かして、 革新的な医薬品を継続的に創出する がん領域におけるSOC*1を変革する先進的な製品・パイプラインの充実 3ADCの新規上市・適応追加数 3ADC:8適応追加
新たなモダリティによる革新的治療薬・予防薬の開発 初期ADC/その他Alphaプロジェクトの開発進捗状況 3ADCに次ぐ成長ドライバーとなる製品が、後期開発段階以降に複数ある 
ポストDXd-ADCプロジェクトの開発進捗状況 開発段階にポストDXd⁻ADCとなりうるモダリティがある
高品質な医薬品の安定供給


グローバルに堅牢なサプライチェーン体制を確立し、高品質な医薬品を安定的に供給する ADCを始めとする新たなモダリティ製品の増加に対応した、適切な設備投資によるグローバル生産供給体制の構築 ADC生産体制構築、高品質な医薬品の患者さんへの安定的供給状況 (設備投資額含む) 自社設備投資及びCMO投資:
最大3,000億円
(2021年度~2025年度の設備投資総額:5,000億円規模)
高品質な医療情報の提供


医療従事者が常に安心して患者さんの治療に使用いただけるように、安全性および有効性に関する情報を提供する 専門性/個別性の高い領域における有用性の高い医薬情報の提供 医療関係者を始めとするステークホルダーからの、当社の情報提供姿勢に対する評価 評価の向上
医療アクセスの拡大

政府、保険者、アライアンスパートナー等のステークホルダーと協力し、医療アクセスの拡大に貢献する AZ社とのコラボレーション等を活用したがん製品のグローバル展開 パートナーとの協働等を通じた、がん製品の販売国数および提供患者数 上市国数の拡大
自社の強み/アセットを活かした、外部機関との協働による、COVID-19等の新規リスクへの対応 各国当局、他社等との協働による新規リスクへの当社の取り組みによる貢献状況

AZ社の新型コロナウイルスワクチン(AZD-1222)の計画通りの供給達成(2021年度)

DS-5670の計画通りの開発進捗

*1 Standard of Care:現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法

 

事業基盤に関わるマテリアリティ

2025年度目標値は、現状をベースに、取り組みをより促進する方向でグループ全体の目標値として設定。 現状の実績値に関してはマテリアリティ毎の詳細セクションに記載(但し、新規取組み指標を除く)。

※新規取組み指標

マテリアリティ 長期目標 マテリアリティ実現に向けた課題
(2025年度目標に向けて)
KPI項目 2025年度までの
目標値
環境経営の推進

生命関連企業として事業活動における環境負荷の低減と先進的な気候変動対策を積極的に実践する サプライチェーン全体の環境負荷の低減 CO2排出量削減(Scope1+Scope2)*2 2015年度比25%減
CO2排出量削減(Scope3、カテゴリ1)*2 2020年度比売上高原単位15%減※

再生可能エネルギーの積極的な導入・活用

水素活用等、脱炭素技術の活用・実装

脱プラスチックへの適応範囲の拡大、技術開発

汚染リスク等、環境関連リスクの最小化

再生可能電力利用率 30%以上
廃プラスチックリサイクル率 70%以上を維持
有害廃棄物排出量 2020年度比10%減※
コンプライアンス経営の推進

法令遵守はもとより、社員一人ひとりが高い倫理観を持って行動する組織を目指す

全役員・社員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上

企業活動における不適切な行動や交流の防止

重大なコンプライアンス違反件数

重大なコード違反件数

0件


0件

企業風土に関する社員調査 スコアの向上※
コンプライアンス・モニタリング、プロモーション活動・モニタリング 各会社で継続実施
 ビジネスパートナーのサステナブル調達への理解促進とコンプライアンスリスクの極小化 サステナブル調査 調達先カバー率(全調達額に占める割合)  75% 
サステナブル調達推進に向けた社内外での啓発・研修強化 啓発・研修の実績を開示 
企業理念の実現に向けたコーポレートガバナンス

迅速果断な意思決定機能と、経営と執行に対する監督・監査機能を両輪とするコーポレートガバナンス体制を構築する 社会から求められるコーポレートガバナンスを踏まえた、当社に最適な体制の維持・構築 改訂コーポレートガバナンス・コードの各原則の遵守 改訂コーポレートガバナンス・コードの100%遵守
取締役会および監査機能の実効性向上 取締役会実効性評価の実施と評価結果に基づく改善施策への取り組み 取締役会実効性評価の実施と評価結果に基づく改善施策への取り組み(2025年度までに第三者機関による評価2回含む)
 監査機能の実効性の継続的な評価と向上  監査機能の実効性の継続的な評価と向上
コーポレートガバナンスに係る開示の充実・透明性向上 ステークホルダーの理解向上に資する開示の充実・透明性向上 各種媒体を通じた情報開示の充実・透明性向上
競争力と優位性を生み出す多様な人材の活躍推進と育成

社員一人ひとりの多様性を尊重するとともに、バリューチェーンの各領域における人材の活躍推進と育成により、社員と会社の相互の持続的な成長を目指す 多様な人材がエンゲージメントを高くもち、いきいきと活躍できる環境の整備 女性上級幹部社員*3比率 30%
企業風土・職場環境に関するエンゲージメントサーベイ肯定的回答率 80%以上もしくは2021年度比10%向上
事業競争力を高めていくための人材獲得と育成 育成・成長機会に関するエンゲージメントサーベイを通じた肯定的回答率 80%以上もしくは2021年度比10%向上
社員一人当たりの教育投資額 実績値の公表
*2 Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出 (燃料の燃焼)
  Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  Scope3:上記以外のその他間接排出量全てで、カテゴリ1は、原材料・部品・容器などが製造されるまでの活動に伴う排出
*3 上級幹部: 部所長或いはそれと同等以上の役職にある女性社員

 

マテリアリティと取り組み一覧

1. 革新的な医薬品の創出
選定理由 世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献することが当社グループのパーパス(存在意義)であり、当社の強み(サイエンス&テクノロジー)をかして、革新的な医薬品を継続的に創出していくことは、当社の価値創造の根幹である。
医薬品事業を通じて得た利益を研究開発に再投資し、新たな医薬品を創出していくサイクルを通じて、医療ニーズに応える医薬品を継続的に医療現場へ届けていく。
中期では、2025年度には、がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業となることを目標に、SOC*1を変革する先進的な製品・パイプラインを充実させてる。

長期目標 当社の強み(サイエンス&テクノロジー)を生かして、革新的な医薬品を継続的に創出する
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて)
  • がん領域におけるSOC*1を変革する先進的な製品・パイプラインの充実
  • 新たなモダリティによる革新的治療薬・予防薬の開発
KPI項目
  1. 3ADCの新規上市・適応追加数
  2. 初期ADC/その他Alphaプロジェクトの開発進捗状況
  3. ポストDXd-ADCプロジェクトの開発進捗状況
2025年度の目標値
  1. 3ADC:8適応追加
  2. 3ADCに次ぐ成長ドライバーとなる製品が、後期開発段階以降に複数ある
  3. 開発段階にポストDXd⁻ADCとなりうるモダリティがある
2020年度実績
  1. エンハーツ:HER2陽性胃がん3次治療、HER2陽性胃がん2次治療
  2. 3. 新薬開発パイプライン参照
創出する社会的価値 世界中の人々の健康で豊かな生活への貢献
創出する経済的価値 将来売上収益・利益に繋がる研究開発パイプラインの拡充、知的財産の獲得
*1 Standard of Care:現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法


取り組み事例

  • 画期的新薬指定制度を活用した開発加速・早期薬事承認の取得
  • 最先端のサイエンス&テクノロジーを適用した疾患研究の推進とマルチモダリティ戦略による革新的医薬品の創出
  • Omicsを活用したトランスレーショナルリサーチの強化
  • アカデミア・バイオテックや異業種との積極的な協働関係(オープンイノベーション)
  • 境界を越えて協働できる研究開発人材の能力開発
2. 高品質な医薬品の安定供給
  • 生産設備の増強・合理化および研究開発の強化・効率化等を目的とした設備投資を継続的に実施しており、 2020年度の設備投資総額401億円
  • 機能および地域特性に合わせた事業継続計画(BCP)を更新
選定理由 自然災害や政治的リスクのグローバルレベルでのサプライチェーンへの影響が拡大しており、取引先における調達リスクも考慮する必要がある。
堅牢なサプライチェーン体制を確立し、高品質な医薬品を安定的に供給していくことは当社にとって最も重要な課題の一つである。
中期では、特にADCをはじめとする新たなモダリティ製品の増加に対応するため、適切な設備投資を行うことによりグローバル生産供給体制を構築する。




長期目標 グローバルに堅牢なサプライチェーン体制を確立し、高品質な医薬品を安定的に供給する
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて) ADCを始めとする新たなモダリティ製品の増加に対応した、適切な設備投資によるグローバル生産供給体制の構築
KPI項目 ADC生産体制構築、高品質な医薬品の患者さんへの安定的供給状況 (設備投資額含む)
2025年度の目標値 自社設備投資及びCMO投資: 最大3,000億円
(2021年度~2025年度の設備投資総額:5,000億円規模)
2020年度実績
  • 生産設備の増強・合理化および研究開発の強化・効率化等を目的とした設備投資を継続的に実施しており、 2020年度の設備投資総額401億円
  • 機能および地域特性に合わせた事業継続計画(BCP)を更新
創出する社会的価値 世界中の人々の健康で豊かな生活への貢献
創出する経済的価値 売上収益・利益の拡大、企業価値毀損リスクの低減/回避

取り組み事例

  • 原薬、製剤、品質評価に関する研究を通じた高品質で安定的に生産できる商用生産プロセス開発
  • 製品構成変化に適合した柔軟かつ効率的なグローバル生産供給体制(サプライチェーンマネジメント)の整備
  • DS-8201をはじめとしたADC、Axi-Cel™、がん治療ウイルスといった先進的医薬品の生産供給体制整備
  • GMPに則り、原材料の納入から生産、製品の出荷を通して科学的に裏づけられた手法により製品の品質を保証
  • 有事の際の速やかな業務復旧、医療体制維持のための医薬品安定供給と品質確保を可能とする体制の整備(原材料の安定調達等)
3. 高品質な医療情報の提供
選定理由 医薬品は、信頼性の高い安全性・有効性の情報があって初めて、医療従事者が患者さんの治療に安心して用いることができ、医療の課題(およびそれを通じた社会課題)の解決も可能となる。
当社グループは、多領域の製品を販売しており、安全性および有効性情報提供に努めていく。
中期では、より患者さん個々の状態に応じた情報提供が求められるがん領域の新薬の情報を創出し、グローバルに医療現場に提供する。



長期目標 医療従事者が常に安心して患者さんの治療に使用していただけるように、安全性および有効性に関する情報を提供する
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて) 専門性/個別性の高い領域における有用性の高い医薬情報の提供
KPI項目 医療関係者を始めとするステークホルダーからの、当社の情報提供姿勢に対する評価
2025年度の目標値 評価の向上
2020年度実績
創出する社会的価値 世界中の人々の健康で豊かな生活への貢献
創出する経済的価値 売上収益・利益の拡大、企業価値毀損リスクの低減/回避

取り組み事例

  • 医薬品の持つベネフィットを最大化し、リスクを最小化する、科学的根拠に基づいたグローバル開発
  • グローバルで安全性情報を一元管理し、評価・分析した結果を医療現場に情報提供することで適正使用を推進
  • 製品上市後も、患者さんへのさらなる貢献のため、臨床研究等を通じてリアルワールドにおける新たな情報を創出
  • チーム医療を担う医療関係者のニーズに応える医療情報提供活動の実施
  • コールセンターの専門性を高め、AIも活用して迅速かつ適切に医療関係者からの多種多様な問合せに対応
4. 医療アクセスの拡大
選定理由 第一三共グループ医療アクセスポリシーの浸透を社員に図ると共に、政府、保険者、アライアンスパートナーなどのステークホルダーと協力し医療アクセスの拡大に努める。
中期では、AZ社とのコラボレーションなどを活用しながら、がん製品をグローバルに展開する。また、COVID-19対応など、当社の事業基盤の活用や外部機関との協働により、社会課題の解決にも貢献する。





長期目標 政府、保険者、アライアンスパートナー等のステークホルダーと協力し、医療アクセスの拡大に貢献する
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて)
  • AZ社とのコラボレーション等を活用したがん製品のグローバル展開
  • 自社の強み/アセットを活かした、外部機関との協働による、COVID-19等の新規リスクへの対応
KPI項目
  1. パートナーとの協働等を通じた、がん製品の販売国数および提供患者数
  2. 各国当局、他社等との協働による新規リスクへの当社の取り組みによる貢献状況
2025年度の目標値
  1. 上市国数の拡大
  2. AZ社の新型コロナウイルスワクチン(AZD-1222)の計画通りの供給達成(2021年度)
    DS-5670の計画通りの開発進捗
2020年度実績
  1. 米国、日本、欧州(2020年度までの累計)
  2. AZD-1222の国内での製剤化を実施
    DS-5670プロジェクトが厚生労働省のワクチン生産体制等緊急整備事業の事業者、およびAMEDのワクチン開発(企業主導型)に採択
創出する社会的価値 世界中の人々の健康で豊かな生活への貢献
創出する経済的価値 売上収益・利益の拡大、企業価値毀損リスクの低減/回避

取り組み事例

  • 希少疾患への持続的な取り組み
  • 感染症領域の研究開発と薬剤耐性(AMR)対策の推進
  • 低所得国および低中所得国における非感染性疾患(NCDs)改善を目的としたAccess Acceleratedへの参画
  • 開発途上国における感染症征圧のための創薬促進を目的とした、官民連携のグローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」への参画
  • ミャンマーにおける移動診療サービスの実施
5. 環境経営の推進
選定理由 地球温暖化の進行に伴う自然災害の激甚化や海洋プラスチック問題など、環境問題による持続可能性に及ぼす影響が顕在化しており、環境対策は企業も含めて世界が一丸となって取り組むべき課題となっている。
また、環境問題による影響について疾病構造の変化や医薬品の安定供給への懸念などが当社の長期的なビジネス基盤へのリスク要因であることも認識し、責任ある社会の一員として、事業活動における環境負荷の低減と持続可能な社会に向けた環境対策に事業活動と一体的に取り組む。
       
長期目標 生命関連企業として事業活動における環境負荷の低減と先進的な気候変動対策を積極的に実践する
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて)
  • サプライチェーン全体の環境負荷の低減
  • 再生可能エネルギーの積極的な導入・活用
  • 水素活用等、脱炭素技術の活用・実装
  • 脱プラスチックへの適応範囲の拡大、技術開発
  • 汚染リスク等、環境関連リスクの最小化
KPI項目
  1. CO2排出量削減(Scope1+Scope2)*2
  2. CO2排出量削減(Scope3、カテゴリ1)*2
  3. 再生可能電力利用率
  4. 廃プラスチックリサイクル率
  5. 有害廃棄物排出量
2025年度の目標値
  1. 2015年度比25%減
  2. 2020年度比売上高原単位15%減
  3. 30%以上
  4. 70%以上を維持
  5. 2020年度比10%減
2020年度実績
  1. 19.4%
  2. 63.4t-CO2/億円
  3. 7.5%
  4. 76.1%
  5. 5,614t
創出する社会的価値 脱炭素社会の早期実現、海洋プラスチック問題改善、環境汚染防止等による持続可能な生活基盤構築への貢献
創出する経済的価値 環境経営に対する取組み評価による企業価値の向上(企業価値毀損リスクの低減/回避)
*2  Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出 (燃料の燃焼)
    Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  Scope3:上記以外のその他間接排出量全てで、カテゴリ1は、原材料・部品・容器などが製造されるまでの活動に伴う排出


取り組み事例

  • TCFD提言に基づいたシナリオ分析と第5期中期環境経営目標への反映
  • RE100*3への加盟
  • 太陽光発電設備の設置(小名浜工場、パッフェンホーフェン工場)
  • 水災リスクへの対応(日本地域)
  • 水枯渇リスクへの対応(中国、ブラジル)
  • 再生可能エネルギーの活用(全地域)
*3  国際環境NGOであるThe Climate Groupと企業に気候変動対策に関して情報開示を促しているCDPによって運営される、企業の再生可能エネルギー100%を推進する国際的イニシアチブ
6. コンプライアンス経営の推進
選定理由 製薬企業は、医薬品という生命に関わる製品を扱っていることからより高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は、企業価値の毀損につながるおそれがある。一方、医薬品を介する一連の企業活動の中では多様なステークホルダーとの関係性において、不適切な関係となりうる潜在的なリスクもあり、直近のさまざまな事件の顕在化を受けて、規制の強化が進んでいる。
第一三共グループにとって、「コンプライアンス」は企業活動の基盤をなすものであるとの考えのもと、法令遵守はもとより、社員一人ひとりが高い倫理観を持って行動する経営を推進する。
中期では、グローバルなガバナンス体制やコンプライアンス推進活動の基盤をさらに整備することにより、第一三共グループ全体の高い倫理観を維持し、コンプライアンスリスクを低減する。







長期目標 法令遵守はもとより、社員一人ひとりが高い倫理観を持って行動する組織を目指す
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて)
  • 全役員・社員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上
  • 企業活動における不適切な行動や交流の防止
  • ビジネスパートナーのサステナブル調達への理解促進とコンプライアンスリスクの極小化
KPI項目
  1. 重大なコンプライアンス違反件数
  2. 重大なコード違反件数
  3. 企業風土に関する従業員調査
  4. コンプライアンス・モニタリング、 プロモーション活動・モニタリング
  5. サステナブル調査 調達先カバー率(全調達額に占める割合)
  6. サステナブル調達推進に向けた社内外での教育・研修強化
2025年度の目標値
  1. 0件
  2. 0件
  3. スコアの向上
  4. 各会社で継続実施
  5. 75%
  6. 教育・研修の実績を開示
2020年度実績
  1. 0件
  2. 2021年度より開示予定
  3. 2021年度より調査を実施
  4. 各会社で実施
  5. 72%(前回調査)
  6. 新規取組み指標(2021年度より実績集計)
創出する社会的価値
  • 製薬業界全体の信頼の維持・向上
  • サステナブル調達を通じた社会全体のコンプライアンス向上
創出する経済的価値 当社ブランドへの信頼性向上による企業価値の向上(企業価値毀損リスクの低減/回避)

取り組み事例

  • 第一三共グループ個人行動規範の周知徹底
  • 贈賄および腐敗防止に関するグローバルポリシーの運用
  • 倫理的マーケティングの推進
  • コンプライアンス意識調査の実施
  • 通報制度の運用
  • コンプライアンス研修および意識啓発活動
  • 調達におけるコンプライアンスの推進
7. 企業理念の実現に向けたコーポレートガバナンス
選定理由 当社グループを取り巻く外部環境は、常に大きく変化している。そのような中、透明性が高く、実効性のあるコーポレートガバナンス体制が、企業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に不可欠なものとなっている。
当社グループは、経営環境の変化に迅速かつ機動的に対応し迅速果断な意思決定を行う経営体制と、経営と執行に対する監督機能を両輪とするコーポレートガバナンス体制を構築し運用することで、持続的な企業価値の向上を図っていく。





長期目標 迅速果断な意思決定機能と、経営と執行に対する監督・監査機能を両輪とするコーポレートガバナンス体制を構築する
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて)
  • 社会から求められるコーポレートガバナンスを踏まえた、当社に最適な体制の維持・構築
  • 取締役会および監査機能の実効性向上
  • コーポレートガバナンスに係る開示の充実・透明性向上
KPI項目
  1. 改訂コーポレートガバナンス・コードの各原則の遵守
  2. 取締役会実効性評価の実施と評価結果に基づく改善施策への取り組み
  3. 監査機能の実効性の継続的な評価と向上
  4. ステークホルダーの理解向上に資する開示の充実・透明性向上
2025年度の目標値
  1. 改訂コーポレートガバナンス・コードの100%遵守
  2. 取締役会実効性評価の実施と評価結果に基づく改善施策への取り組み(2025年度までに第三者機関による評価2回含む)
  3. 監査機能の実効性の継続的な評価と向上
  4. 各種媒体を通じた情報開示の充実・透明性向上
現状
  1. 2018年6月改訂を100%遵守
  2. 自社による評価を毎年度実施
  3. 2019年度の活動より実効性評価を実施
  4. 各種媒体を通じた情報開示
創出する社会的価値
  • 本業を通じて提供できる価値の総体
  • 株主・投資家を中心としたステークホルダーの期待に応える透明性の高い経営の実現
創出する経済的価値 会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上

取り組み事例

  • 女性社外取締役の就任(2019年6月)
  • 社外取締役の取締役会議長就任(2020年6月)
  • 社外役員の理解促進と取締役会の議論の活性化に繋がる情報提供の充実
  • 取締役会評価を通じた取締役会の実効性向上(毎年度、自社による評価を実施)
  • 監査役会の実効性評価を実施(2019年度の活動より)
8. 競争力と優位性を生み出す多様な
人材の活躍推進と育成
選定理由 全ての事業活動は人材によって支えられており、グローバルな事業展開において、多様な人材の獲得や効果的な人材マネジメントは競争力の源泉である。
第一三共グループでは、「人」を最重要な「資産」であると位置付け、人材マネジメント理念に基づき社員一人ひとりの多様性を尊重するとともに、バリューチェーンの各領域における人材の活躍推進と育成により、社員と会社の相互の持続的な成長を目指す。





長期目標 社員一人ひとりの多様性を尊重するとともに、バリューチェーンの各領域における人材の活躍推進と育成により、社員と会社の相互の持続的な成長を目指す
マテリアリティ実現に向けた課題(2025年度目標に向けて)
  • 多様な人材がエンゲージメントを高くもち、いきいきと活躍できる環境の整備
  • 事業競争力を高めていくための人材獲得と育成
KPI項目
  1. 女性上級幹部社員*1比率
  2. 企業風土・職場環境に関するエンゲージメントサーベイ肯定的回答率
  3. 育成・成長機会に関するエンゲージメントサーベイを通じた肯定的回答率
  4. 社員一人当たりの教育投資額
2025年度の目標値
  1. 30%
  2. 80%以上もしくは2021年度比10%向上
  3. 80%以上もしくは2021年度比10%向上
  4. 実績値の公表
2020年度実績
  1. 16.3%
  2. 76%(国内)
  3. 76%(国内)
  4. 71,032円
 ※2、3:2021年度よりグローバル共通で測定
創出する社会的価値 人材の多様性、人権尊重、人材育成
創出する経済的価値 事業活動を支える人材力強化による企業価値の向上
*1 部所長或いはそれと同等以上の役職にある女性社員


取り組み事例

  • 女性活躍の推進
     2020年度新卒女性採用割合49.5%(男性:108名、女性:106名)
     2020年度女性マネジメント職*2比率(第一三共単体) 対前年度146.0%(2019年度:5.0%、2020年度:7.3%)
  • LGBTの取り組みについて、任意団体「work with Pride」が策定した「PRIDE指標2020」において、「ブロンズ」受賞
  • グローバル共通で健康対策重点領域の設定や労災事故削減に向けた労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)の構築
  • グローバル業務に従事する社員のグローバルスキルを強化するため、グローバルスキル研修の実施
*2 当社では、管轄組織の責任者として、業績や人材の管理に対して責任を負う本部長・部長・グループ長をマネジメント職と定義


マテリアリティを通じたSDGsへの貢献

当社グループは、「革新的な医薬品の創出」をはじめとするマテリアリティへの取り組みを通じて「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」というパーパス(存在意義)の実現を目指しており、この中で経済的価値だけでなく、様々な社会的価値を創出しています(第一三共が創出する社会的価値)。
同時に、これは国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)の目標3「すべての人に健康と福祉を」にもつながっています。
また、事業に関わるその他のマテリアリティへの取り組みが、イノベーションの推進(目標9)やパートナーシップの促進(目標17)に、事業基盤に関わるマテリアリティへの取り組みは、事業における社会価値の創出の源泉になるとともに、ジェンダー平等(目標5)、働きがい(目標8)、気候変動対策(目標13)、コンプライアンス重視による平和と公正(目標16)などの目標に、コーポレートシチズンとして貢献しています。

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