安全管理ユニット長 和田 憲刀

医薬品のライフサイクルを通じて患者さんの安全確保に貢献する

2022年03月15日
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2021年4月、第一三共は第5期中期(2021-2025年度)経営計画と2030年ビジョン「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を発表しました。

医薬品の開発から市販後における安全管理の重要性とミッションについて、安全管理ユニット長の和田さんが語ります。

世界中の安全性情報を収集・分析しタイムリーに提供

医薬品は、「高品質な医薬品」に「適正な情報の提供」が合わさってはじめて良い薬となります。また、どんなに有効性が優れた薬でも、副作用のリスクがないものはありません。

私たち安全管理ユニットは、開発段階から市販後までの製品ライフサイクルを通じて、患者さんの安全確保のために、安全性のモニタリングとリスクマネジメントの実行を図っています。具体的には、世界中から集めた、安全性情報を分析・評価し、リスクマネジメントに必要な情報をタイムリーに医療現場へ提供することで医薬品の適正使用を推進し、患者さんの安全性リスクの最小化に努めています。

事業環境の変化に合わせて進化し続ける組織へ

2030年に向けて、第一三共は抗がん剤をグローバルに展開するとともに、新規モダリティと呼ばれる新たな治療手段の分野での研究開発も進めています。こうした動きに伴って、安全性情報が増加し、リスクマネジメントも多様化・複雑化してきています。これらの変化にいかに対応していくかは非常に重要なテーマの一つです。また、開発時や市販後のタイムリーなリスクマネジメントの実行や、各国で厳格化が進む安全性に関する規制水準への対応を図っていくためにも、一層の業務の高度化が必要だと考えています。

こうした背景から、安全管理ユニットでは「質の高い副作用マネジメント実現」「業務プロセス効率化」「グローバル体制・機能強化」に対する取り組みを進めています。

「質の高い副作用マネジメント実現」において重要なのが、リスク分析をスピーディーに行い、タイムリーな安全対策を講じることです。さまざまな情報をもとにリスクを特定し、医師や患者さんに情報発信を行うなど、分析結果をいち早く対策に結びつける、こういった一連の対策を、迅速かつ的確に行うべく、体制の強化を図っています。

「業務プロセス効率化」に関して、特にがん領域においては、製品のグローバル展開が進むにつれて安全性情報が増えていきます。そこで、有害事象の評価については、グローバルでプロセスを統一化し、業務効率化を図っていきます。「グローバル体制・機能強化」については、グローバルでの意思決定迅速化を目的として、グローバルと地域軸の両輪で課題を把握し、スピーディーに最適な意思決定ができる仕組みの構築を進めています。

 

患者さんへの想いを原動力にして

安全管理の業務は、サッカーに例えればフォワードとして点を取りに行くのではなく、点を取られないようディフェンスのフォーメーションを構築し、必死にゴールを守るポジションだと言えるでしょう。常に状況を冷静に把握しながら必要な対策をいち早く行うことで、「私たちが第一三共グループの事業基盤を支えている」、その自負を持って、患者さんの安全確保への貢献を第一に考えながら日々活動に取り組んでいます。

私は、新薬の開発などに携わった後、長年にわたり安全管理業務に従事してきました。第5期中計を掲げ、第一三共という会社が大きく変わろうとしている今、安全管理ユニットもまたTransformationを一層加速していかねば、と想いを強くしています。実際に、ユニット全体で「変わらなければ」「もっと成長しなければ」という意識が高まっていることを実感しており、日々の業務を通じて、自ら考え変化に対応し行動できる人材を多く育てていくことが、リーダーとしての役目でもあると感じています。

第一三共のすべての製品に関して、高品質な安全性情報をタイムリーにお届けしていくこと。これにより世界中の患者さんの安全確保に貢献し、当社のパーパスの実現を図っていきたいと思います。

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和田 憲刀
Kento Wada
第一三共株式会社

安全管理ユニット長

サントリー株式会社に入社し、新薬の開発、日米のプロジェクトマネジメント、米国子会社の立ち上げ、事業企画等を担当。その後、当社でグローバルでの安全管理業務に従事。2015年に日本のメディカルアフェアーズ本部設立を企画推進。安全管理推進部長、安全管理調査部長を経て、20204月より現職。

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