医療関係者への質の高い情報提供

医薬品はその性格上、ベネフィット・リスクバランスの上に成り立っているため、製薬企業が有効性・安全性に関する質の高い情報を創出し、医療現場へ情報提供することによって適正使用の推進に役立てていくことが重要です。特に新薬の発売当初は、開発段階での有効性・安全性が確認されてはいるものの、医療現場の多様なニーズに応えるだけの情報が十分そろっているとはいえません。当社グループでは、関係ユニットが協力し、それぞれ専門的な視点から必要な情報や不足している情報を特定し、上市後に実施する製造販売後調査*1などから、医療関係者の協力を得て情報を創出しています。その結果を医学専門雑誌、学会発表、適正使用資材などを通じてタイムリーに医療関係者へ情報提供していくことで適正使用を推進し、医療への貢献を目指しています。
質の高い情報とは、コンプライアンス遵守の下で創出された医学的・科学的に価値がある情報を意味します。したがって、製造販売後調査などの実施においては、関係法令やガイドラインの遵守、倫理性、科学性といった観点で確認しています。さらに、何れも医療機関との契約に基づいて行うことで透明性を確保し、利益相反を適正に管理することによって、公正な情報の創出に努めています。
また、これらの情報提供においては、製造販売後の医薬品等に関する安全管理業務の責任を負う安全管理責任者、製造販売後調査業務の責任を負う製造販売後調査等管理責任者、医薬品等の品質を保証し市場への出荷に関する責任を負う品質保証責任者及び医薬品等の品質管理と製造販売後の安全管理に関する統括責任者である総括製造販売責任者が、適宜連携し実施しています。なお、これらの責任者はいずれも会社が任免しています。

  • *1GPSP(医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準)省令に基づき製薬企業と医療機関が契約し、製品を対象として製薬企業が実施する日常診療下での調査をいう

医療関係者からの情報収集とフィードバック

国内医療関係者から収集する市販品や治験薬の副作用などの安全性情報は年間約44,000件、国外提携会社からの情報を含めると年間約95,000件の情報が集まります(件数は2019年度実績)。安全管理統括部門では、これらの情報をグローバル安全性データベース管理システムに入力して評価を行い、規制で定められた基準に従って遅滞なく規制当局へ報告しています。さらに安全性情報に関する分析をグローバルで行い、得られた最新情報を医療関係者にフィードバックしています。

情報収集・提供の流れ

情報収集・提供の流れ

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メディカルアフェアーズ活動

MAユニットでは、2017年10月よりグローバルMA体制を立ち上げ、「がん領域」ならびにがん以外の「Specialty & Value Product領域」の2つの疾患領域に注力し、各製品のグローバルメディカルプランの立案と、それに基づく情報創出・発信活動を日・米・欧・ASCAの4極において推進しています。
2025年ビジョンとして制定した“MA unit strives to be a transformative strategic partner to deliver value-added medical solutions to enhance patient lives”の実現に向け、第一三共グループが世に送り出す医薬品に関する価値の高いエビデンスを産み出し、社会に広く発信する活動を通じ、医薬品の治療における貢献を最大化することで、世界中の医療従事者や患者さん/患者団体等、医療を提供/享受するステークホルダーの皆さまに最適なメディカルソリューションを届けるパートナーとなることを目指し、日々の活動にあたっています。
2019年度は、MAユニットが実施したエドキサバン・プラスグレルの臨床研究データに加え、新製品(ミロガバリン、エサキセレノン、キザルチニブ、ペキシダルチニブ)と開発中のがん領域プロジェクトでは治験データを、国内外の学会において発表すると共に主要論文への掲載を行い、医療関係者への情報発信を推進しました。2020年度は情報発信活動をさらに加速させます。これらの試験結果に基づき、社外医科学専門家と医学的・科学的情報交換を行い、クリニカルクエスチョン(=薬剤の使用に際しての患者さんや医療現場における疑問点)を特定し、それらを解明するための企業主導型臨床研究を企画・推進して新規エビデンスを取得することにより、患者さんや医療現場に必要な情報を創出・発信する活動を推進していきます。また、医師主導型の臨床研究の支援も行っています。情報発信活動に加え、2020年度はがん領域の新製品(トラスツズマブ デルクステカン)の活動に取り組み、できる限り早期に有用なエビデンスを患者さんや医療現場の皆さまに届けるようにしていきます。

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