移動診療サービスを受ける子供と母親

ミャンマーの人々とともに安心して出産・子育てできるコミュニティーづくりを

2020年10月09日
Sustainability
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都市部と農村部の格差が健康と生命の深刻なリスクとなる

巡回診療サービスに携わる現地プロジェクトメンバー

ミャンマー北部マンダレー地方域にあるニャンウーは、世界三大仏教遺跡であるバガン観光の拠点となる町。空港や長距離バスのバスターミナルがあり、町の中心部には宿泊施設やレストランが立ち並びます。しかし、そんな華やかな中心部を少し離れると、一転して昔ながらのアジアのひなびた農村が広がります。心安らぐ風景ですが、この土地で母となり、子どもを育てていくことは決して楽なことではありません。それというのもミャンマーでは都市と農村の保健医療の格差が大きな課題となっており、乳幼児・5歳未満児の死亡率において農村部は都市部のおよそ2倍となっているからです。

この地域の主な保健医療施設は中心部に集中し、人口の約7割におよぶ農村部に住む母子の保健医療は、村の保健センターである地域保健センター(RHC*)と限られた保健医療サービスしか提供できない地域補助保健センター(SHC**)が担っているのが実情です。現地の保健医療人材は量的にも質的にも不足しており、SHCには概ね助産婦1名しか配置されていません。医療アクセスの改善は急務と言えるでしょう。

保健医療人材の強化で母子の健康を守る地域の自立を促す

2019年より、第一三共では、ニャンウー郊外の農村部において、世界70カ国以上で活動する国際NGO「プラン・インターナショナル」とのパートナーシップのもと、「巡回医療活動」「現地の保健医療従事者とボランティアの能力強化」「地域の母親たちへの意識啓発」を中心とした3年間にわたるプロジェクトに取り組んでいます。同年10月末、ニャンウー中心部から車で約1時間半離れた村で、プロジェクトのローンチセレモニーが開催されました。出席した第一三共・サステナビリティ推進部の担当者は「セレモニーに多数集まった住民、特に、乳幼児を抱えた多くの母親の参加と国や地方の行政関係者の出席とそのスピーチから我々のプロジェクトに対する熱い期待を感じました。」と話しています。

貧血症を検査するため、妊娠中の女性の採血を行う医療スタッフ

巡回診療活動は月1回、地域内の村を医師と看護師を乗せた専用の巡回車で訪問します。RHC、SHCとの連携により妊産婦と5歳未満児の健康診断を行うほか、巡回車は妊産婦の救急搬送にも対応しています。あわせて妊産婦を対象に栄養管理、妊産婦の健康管理などに関する意識啓発なども実施。栄養指導ではその土地の食材を活用した離乳食レシピを提案するなどしています。また、こうした活動を通して地域の保健医療人材の強化・育成にも力を注いでいます。この点についてサステナビリティ推進部の担当者は次のように説明します。「現在、我々のプロジェクトは、公衆衛生の実務にも豊富な経験を有する医師や看護師などとても優秀な現地のプロジェクトメンバーに支えられている。プロジェクト終了後も彼らが中心となって、それぞれの村・地域が自立して母子の健康を継続的に見守ることができるようになることを目指しています」。初年度は約20の村、3年間で合計55の村で活動を展開していく予定です。

医療アクセス改善に向けたグローバルかつ継続的な取り組みを

第一三共は「医療アクセスの改善に資する社会貢献活動」をCSR中期方針の重要課題として掲げ、2011年よりカメルーン、タンザニア、インド、中国の各国において母子の健康に関わるプロジェクトに取り組んできました。今回のミャンマーは5カ国目のプロジェクトとなります。なお、プラン・インターナショナルは、同じミャンマーで深刻化しているロヒンギャ難民支援にも取り組んでおり、第一三共はこちらの活動への支援も行っています。「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」は、2015年9月に採択された国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標3に定められています。本プロジェクトでの取り組みは、特にそのターゲットとして記載されている妊産婦、乳幼児及び5歳未満児を対象としており、プロジェクトの活動毎に具体的な達成指標を定めて取り組んでいます。医療アクセスの向上に加え、現地での保健医療への意識向上と人材強化・育成を通じて、安心した暮らしと多くの母子の生命を守る。健康と生命を守る製薬企業として、第一三共は今後も低中所得国などを舞台としたプロジェクトの推進によって、SDGs目標達成の一翼を担っていきます。

RHC*: Rural Health Center
SRH**: Sub-rural Health Center

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