2018年01月30日
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2017年11月、活動の進捗状況のモニタリングと、本プロジェクトにおいて重要な役割を担っているコミュニティボランティアの表彰を行うためコミュニティセンターを訪問しました。コミュニティセンターは、母子の健康や栄養管理に関する情報を収集、共有し、互いに学びあうことを目的として、コミュニティボランティアと保健医療従事者(村医)によって運営される施設で、プロジェクト対象地域の6カ所の郷※1に1ヶ所ずつ開設しています。

※1 中国の一般的行政区分は、省>県>郷>村

必須新生児ケアトレーニングの視察

廣南県の母子保健センターで行われている必須新生児ケア※2トレーニングを視察しました。本プロジェクトでは、廣南県でトレーニングを受けた医療従事者が増加すること、その医療従事者の指導のもとで、村医が子どもたちの健康管理を行い、廣南県全体において、円滑な医療の連携が可能になることなどを目標としています。

20名の医療従事者がトレーニングを受けていました

 

受講者からは、「トレーニングでは出産後すぐに新生児の呼吸を確認すること、90分以内に母子のスキンシップを行うこと、新生児の身体を暖かく保つこと、など新しい知識を習得することができた。さらに、ここで学んだことを同僚と共有することで、病院全体の能力強化に繋げたい。」などの感想がのべられました。

※2新生児ケアとは、途上国の限られた保健医療体制のもとでも新生児死亡を減らすことができる取り組みとしてWHOが推奨するガイドラインで、新生児ケアの基本三大原則である保温・栄養(授乳)・感染防止に対し行動することを含む。

コミュニティセンター訪問

コミュニティセンターでは月2回、保護者への健康教育が実施されています。廣南県の中心部から 車で1時間ほど山を登り、コミュニティセンターへ到着します。

廣南県の中心部から 車で1時間ほどの山

コミュニティセンターの写真

保護者への健康教育

村医がコミュニティボランティアと連携し、手洗い習慣の重要性、やけどへの対処などのレクチャーが行われました。また、雲南省では、たびたび地震が発生し、特に2014年の震災のあとは、災害リスク管理の重要性が高まったことで、本プロジェクトにおいても災害への備えなどのレクチャーも行っています。

保護者への健康教育の様子1

保護者への健康教育の様子2

コミュニティボランティアの表彰

周囲に好影響を与えるような積極的な活動を行っているコミュニティボランティアへの表彰を行いました。コミュニティボランティアは、その地域に住んでいる母子の健康、栄養管理に関する情報を収集し、村医と連携しながらコミュニティセンターを運営する重要な役割を担っています。今回は、新しく活動に加わったボランティアへの激励も行いました。

村医へのインタビュー

村の住民の健康を見守っている村医と意見交換を行いました。

「この村では、2名の村医が約4,200人の住民をカバーしています。2016年3月に小児疾患統合管理研修(IMCIトレーニング)を受講し、複雑な状況に自信を持って対処できるようになりました。これからも村の健康のために貢献していきます。」と語っていました。

活動開始から2年半が経過し、廣南県で実施しているIMCIトレーニングや必須新生児ケアトレーニングは、廣南県病院から高い評価を得ており、さらに廣南県の妊産婦死亡率の改善に貢献するなど、成功事例が報告されはじめています。今後もさらに、村医と郷・県病院との医療連携がより円滑に進むように、引き続きフォローしていきます。

本プロジェクトは、グローバルに取り組むべき課題として、国連加盟国が採択した持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」への貢献に焦点をあてた活動で、国際NGOプラン・インターナショナルの協力を得て推進しています。また、本プロジェクトは、IFPMA参加企業が中心となって低所得国および低中所得国 の非感染性疾患(NCDs)の予防や診断、治療等の改善に取り組むことを目的としたAccess Accelerated イニシアティブの活動としても認められ、当イニシアティブのウェブサイトでも紹介されています。

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