2015年09月14日
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中国は地域により母子が利用できる医療サービスに大きな格差があり、特に農村部では、小児疾患統合管理に関する保健人材の能力開発や子どもの疾患への地域住民の対応向上が求められています。 そこで、第一三共は、既に実施しているインド、カメルーン、タンザニアの医療アクセス改善のための活動に加え、国際 NGO プラン・ジャパン、プラン中国と協働し、中国で栄養状態の悪い児童の多い雲南省の農村地区を対象に、「母子健康改善に資する保健人材の育成」と「地域保健教育活動」の支援を実施することを2015年7月に発表し、キックオフ・セレモニーを開催しました。

キックオフ・セレモニー出席者で記念撮影

桜の苗木は6箇所の郷のコミュニティーセンターに植えられます

本活動では、インド、アフリカで行っている移動診療車による移動診療活動ではなく、母子の健康、栄養管理に関する情報を収集、共有し、お互いに学びあうために住民ボランティアと保健医療従事者(村医)で運営されるコミュニティーセンターを雲南省廣南県の6箇所の郷に開設するとともに、医師が子どもの疾患の兆候をより早期に発見し、対処することができるよう、順次人材の育成「IMCI※トレーニング」を行っていきます。

キックオフ・セレモニーの後、17名が参加して、第1回目のIMCIトレーニングが行われました。

7月のトレーニングでは、昆明市母子保健センターの協力の下、臨床研修も行いました。

コミュニティーセンターを運営するボランティアへのトレーニングの様子

ボランティアの皆さん

このプロジェクトは5年間活動し、廣南県でトレーニングを受けた医師が増加すること、その医師の指導のもとで、村の医師が子どもたちの健康管理を行い、廣南県内において、円滑な医療の連携が可能になることなどを目標としています。最終的には活動を行っている地域の中から「子どもの健康改善の事例」が示され、それが他の地域の模範となっていくことを目指していきます。

Integrated Management of Childhood Illness Strategyの略。小児疾患統合管理のこと。WHO、ユニセフなどにより標準化された統合管理のガイドラインをもとに、共通の教材を用いて研修を行い、子どもの疾患に対する適切な対処や管理ができること、加えてそのための保健医療システムが構築されることを目指す。(日本国際保健医療学会 / 国際保健用語集より抜粋改編)

写真提供:プラン・ジャパン

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