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報道関係者各位

2019年11月8日

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 大沼 純一
TEL 03-6225-1126

エサキセレノンの糖尿病性腎症患者を対象とした 第3相臨床試験(ESAX-DN試験)の結果について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、エサキセレノン(ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー)について、糖尿病性腎症患者を対象とした国内第3相臨床試験(ESAX-DN試験、以下「本試験」)において、主目的(主要評価項目及び重要な副次評価項目)を達成し、本試験の結果を米国ワシントンで開催中の米国腎臓学会議(ASN)2019のlate breaking sessionにて発表しましたので、お知らせいたします。

本試験は、ARB又はACE阻害薬を投与中の早期糖尿病性腎症*1患者455名を対象に、エサキセレノンの有効性及び安全性を検証するプラセボ対照二重盲検比較試験です。

本試験の主要評価項目である治験薬投与終了時の尿中アルブミン/クレアチニン比(以下「UACR」)の寛解*2達成率については、プラセボ群に対しエサキセレノン群の優越性が示されました(プラセボ群:4.0%、エサキセレノン群:22.1%)。
 また、重要な副次評価項目である治験薬投与終了時のUACRの減少率については、プラセボ群に対しエサキセレノン群の有意な減少が観察され(プラセボ群:+8.4%、エサキセレノン群:-58.3%)、早期から顕性期*3への進行率については、プラセボ群に対しエサキセレノン群の有意な減少が観察されました(プラセボ群:7.5%、エサキセレノン群:1.4%)。

本試験では新たな安全性の懸念は見られませんでした。安全性評価項目である全有害事象と重篤な有害事象の発現率は両群とも同程度で、また血清カリウム値上昇例の発現率についてはプラセボ群に対しエサキセレノン群で高い傾向を示しましたが(プラセボ群:2.2%、エサキセレノン群:8.8%)、エサキセレノン投与中止後には回復傾向を示しました。

当社は、本試験結果を通じて深めたエサキセレノンの科学的知見により、医療に一層貢献できるよう取り組んでまいります。

以上

*1 早期糖尿病性腎症:本試験では尿中アルブミン/クレアチニン比が45mg/g・Cr以上300mg/g・Cr未満である2型糖尿病と定義

*2 尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)の寛解:腎機能指標である尿中アルブミン(尿中クレアチニン濃度により補正)が正常値まで低下し、維持された状態(連続2 時点のUACR がいずれも30 mg/g•Cr 未満で、かつUACR のベースラインから30%以上減少した状態)

*3 顕性期:腎機能指標である尿中アルブミン(尿中クレアチニン濃度により補正)が増加し、UACRが300mg/g・Cr以上を呈する状態

糖尿病性腎症について
 糖尿病性腎症は、高血糖に起因する代謝異常、糸球体高血圧などの腎臓の微小血行動態の変化により発症し、病態が進行する糖尿病の代表的な合併症の1つです。糖尿病と診断される患者は増加し続けており、2型糖尿病患者の場合、半数程度が糖尿病性腎症を発症するといわれています。糖尿病性腎症は、透析導入の原疾患の中で最も多い割合を占めており(42.5%、2017年)、積極的な治療が必要とされています。
 糖尿病性腎症に対しては、糖尿病に対する治療をはじめ、血圧や脂質の管理が推奨され、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬による薬物療法が推奨されていますが、治療満足度及び薬剤の貢献度は依然として低く、更なる治療薬が望まれています。病態が進展すると、透析移行のリスクが高まり、糖尿病性腎症の改善や進展抑制が見込めない患者層が多くなること、糖尿病性腎症の患者では心血管イベントの発現率も高いことから、早期段階からの有効な治療薬が望まれており、早期の糖尿病性腎症に対して評価指標であるアルブミン尿を減少又は寛解(正常化)させることで、腎機能の低下速度を抑制し心血管イベントの発現を抑制することが報告されています。

エサキセレノンの腎保護効果について
 エサキセレノンは、新規の非ステロイド構造の選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカーです。エサキセレノンは、腎臓の組織に存在するミネラルコルチコイド受容体に作用して障害作用を及ぼすアルドステロンの結合を阻害することで、腎臓の保護作用を示すと考えられています。

Exelixis(エグゼリキス)社との共同研究について
 エサキセレノンは、Exelixis(エグゼリキス)社(所在地:米国カリフォルニア州)との共同研究で見出され、当社が単独で開発した薬剤です。当社とExelixis社は、2006年3月、エサキセレノンを含む化合物群に関する共同研究契約を締結しており、当社は全世界での開発および、商業化に関する独占的権利を有しています。

第一三共株式会社