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各位

2019年1月15日

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 小川 晃司
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

trastuzumab deruxtecan(DS-8201)のHER2低発現乳がん患者を対象とした第3相臨床試験の開始について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、HER2低発現乳がん患者を対象としたtrastuzumab deruxtecan*1(DS-8201、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*2、以下「本剤」)のグローバル第3相臨床試験(試験名:DESTINY-Breast04)において、最初の患者への投与を開始しましたので、お知らせいたします。

乳がん患者全体の40%以上に低レベルのHER2が発現している(HER2低発現)ことが知られていますが、現在、HER2低発現の乳がん患者を対象に承認されている抗HER2療法はありません。HER2低発現乳がん患者は、現在の標準治療においてHER2陰性に分類され、ホルモン受容体の状態により治療法が決定されます。ホルモン受容体陽性乳がんの場合、ホルモン療法とCDK4/6阻害剤の併用療法が推奨されますが、治療抵抗性となった場合は化学療法に移行します。ホルモン受容体陰性(トリプルネガティブ)乳がんの場合、最初から化学療法が行われます。いずれの場合も、治療法が限られているため、多くのHER2低発現乳がん患者においてやがて病勢進行となります。

DESTINY-Breast04は、化学療法による前治療を受けたHER2低発現の再発・転移性乳がん患者を対象としたグローバル第3相臨床試験で、本剤投与群と治験医師選択薬投与(化学療法)群の安全性と有効性を比較評価します。主要評価項目は無増悪生存期間*3、副次評価項目は全生存期間*4、全奏効率*5、奏効期間*6等です。安全性の評価項目は、重篤な有害事象、有害事象等です。北米、西欧、日本を含むアジア等において最大540名の患者を登録する予定です。

本試験は、乳がん患者を対象とした本剤で3つ目の第3相臨床試験です。また本剤については、胃がん、大腸がん、非小細胞肺がん等の臨床試験やがん免疫を含む他剤との併用療法試験も積極的に進めております。様々ながん患者さんに新しい治療の選択肢を一日でも早く提供できるよう、本剤の開発を加速してまいります。

以上

 

*1 trastuzumab deruxtecanの参考字訳:トラスツズマブ デルクステカン

*2 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めた薬剤です。

*3 無増悪生存期間とは、治療中及び治療後に病勢進行せず安定した状態の期間です。

*4 全生存期間とは、原因を問わず死亡するまでの期間です。

*5 全奏効率とは、腫瘍が完全に消失(完全奏効)または30%以上減少(部分奏効)した患者の割合です。

*6 奏効期間とは、腫瘍の完全消失(完全奏効)または30%以上減少(部分奏効)のどちらかの基準が最初に満たされた時点から、再発または増悪が客観的に確認された最初の日までの期間です。

 

 

HER2低発現の乳がんについて
 乳がんは、世界において2012年に約167万人の新規患者が報告されており、また女性において主要ながん死亡原因となっています。
 乳がん患者の約20%は、がん細胞表面にHER2というタンパク質が過剰発現するHER2陽性です。HER2はがんの進行や予後不良に関係していると報告されており、多くの抗HER2療法が登場し、HER2陽性乳がん患者の生存率は改善しています。
 一方、乳がん患者の約80%はHER2陰性に分類されます。HER2陰性患者の半数以上(乳がん患者全体の40%以上)に低レベルのHER2が発現している(HER2低発現)ことが知られていますが、現在、HER2低発現の乳がん患者を対象に承認されている抗HER2療法はありません。

 

 

第一三共のがん事業について
 当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。
 当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)フランチャイズ、急性骨髄性白血病(AML)フランチャイズおよびブレークスルー・サイエンスを3つの柱として、2018年から2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。
 主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体trastuzumab deruxtecan(DS-8201、目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

 

 

第一三共株式会社