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各位

2018年12月10日

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 小川 晃司
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

米国のサンアントニオ乳がんシンポジウムで発表したtrastuzumab deruxtecan(DS-8201)第1相臨床試験におけるHER2低発現乳がん患者の最新データ等について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、trastuzumab deruxtecan*1(DS-8201、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*2、以下「本剤」)の日米共同第1相臨床試験(以下「本試験」)におけるHER2低発現乳がん患者の最新データ等について、米国テキサス州サンアントニオで開催中のサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)2018で発表しましたので、その概要についてお知らせいたします。

予備的有効性については、前治療を受けたHER2低発現の再発・転移性乳がん患者43名において、全奏効率*3は44.2 %(19名/43名)、病勢コントロール率*4は79.1 %(34名/43名)、奏効期間*5中央値は9.4ヶ月、無増悪生存期間*6中央値は7.6ヶ月でした。また、HER2低発現乳がん患者43名のうち、ホルモン受容体陽性の患者38名において、全奏効率は47.4 %(18名/38名)、病勢コントロール率は81.6 %(31名/38名)、奏効期間中央値は11.0ヶ月、無増悪生存期間中央値は7.9ヶ月でした。

安全性については、HER2発現の乳がん患者170名において、グレード3*7以上の有害事象がみられた患者は50.0 %、重篤な有害事象は22.9 %、原因を問わず死亡に至った有害事象は2.9 %でした。

また、本学会では、HER2低発現乳がん患者の本試験データに加え、本剤の全ての臨床試験で発現した間質性肺疾患(以下、「ILD」)についても、ILD外部判定委員会の判定結果を含め中間報告しております。患者665名において、66名(9.9 %)にILDが発現したと報告され、これらのうちグレード2*7以下は53名(80.3 %)、グレート5*7は5名でした。なお、乳がん患者のグレード5のILDは4名(うち5.4 mg / kgの投与量では1名)に認められ、ILD外部判定委員会にて4名とも「本剤との因果関係あり」と判定されました。

更に、HER2陽性乳がん患者に対する推奨用量の設定についても本学会で発表しており、ベネフィットとリスクを勘案のうえ、現在実施中のHER2陽性乳がん患者を対象とした第2相臨床試験および2つの第3相臨床試験の推奨用量を5.4 mg / kgに決定しました。

現在、HER2低発現の乳がん患者を対象に承認されている抗HER2療法はありません。本試験の最新データより、HER2低発現の乳がん患者においても本剤の有用性が示唆されたことから、当社は、アンメット・メディカル・ニーズの充足を目的にHER2低発現の乳がん患者を対象とした第3相臨床試験を間もなく開始する予定です。

以上

*1 trastuzumab deruxtecanの参考字訳:トラスツズマブ デルクステカン

*2 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めた薬剤です。

*3 全奏効率とは、腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合です。確定した全奏効率を意味します。

*4 病勢コントロール率とは、全奏効率に、腫瘍が安定している状態(腫瘍が30%未満減少~20%未満増加)の患者の割合を加えたものです。

*5 奏効期間とは、腫瘍の完全消失(完全奏効)または30%以上減少(部分奏効)のどちらかの基準が最初に満たされた時点から、再発または増悪が客観的に確認された最初の日までの期間です。

*6 無増悪生存期間とは、治療中及び治療後に病勢進行せず安定した状態の期間です。

*7 米国国立がん研究所(NCI)の有害事象共通用語規準(CTCAE)で規定された重症度を意味し、グレード1~5に分類されます。

 

HER2低発現の乳がんについて

乳がんは、世界において2012年に約167万人の新規患者が報告されており、また女性において主要ながん死亡原因となっています。

乳がん患者の約20%は、がん細胞表面にHER2というタンパク質が過剰発現するHER2陽性です。HER2はがんの進行や予後不良に関係していると報告されており、多くの抗HER2療法が登場し、HER2陽性乳がん患者の生存率は改善しています。

一方、乳がん患者の約80%はHER2陰性に分類されます。HER2陰性患者の半数(乳がん患者全体の約40%)には、一定レベルのHER2が発現している(HER2低発現)ことが知られていますが、現在、HER2低発現の乳がん患者を対象に承認されている抗HER2療法はありません。

 

 

第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)フランチャイズ、急性骨髄性白血病(AML)フランチャイズおよびブレークスルー・サイエンスを3つの柱として、2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。

主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体trastuzumab deruxtecan(DS-8201、目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

 

第一三共株式会社