*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。
*2 Actionable遺伝子変異とは、EGFR変異等の治療ターゲットとなりうる遺伝子変異を意味します。
*3 無増悪生存期間とは、治療中及び治療後に病勢進行せず安定した状態の期間です。
*4 全生存期間とは、原因を問わず死亡するまでの期間です。
*5 全奏効率とは、腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合です。
*6 奏効期間とは、腫瘍の完全消失(完全奏効)または30%以上減少(部分奏効)のどちらかの基準が最初に満たされた時点から、再発または増悪が客観的に確認された最初の日までの期間です。
*7 病勢コントロール率とは、客観的奏効率に腫瘍が安定している状態(腫瘍が30%未満減少~20%未満増加)の患者の割合を加えたものです。
非小細胞肺がんについて
肺がんは、世界中で多く見られるがんであり、がんの主要な死亡原因となっています。2018年の調査において、新規患者は世界で210万人/年、死亡数は180万人/年と推定されています。肺がんのうち80~85%は非小細胞肺がんです。近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が登場し、非小細胞肺がん患者の治療の選択肢は広がってきましたが、進行性の非小細胞肺がん患者においては、新たな治療法が必要とされています。
TROP2は、非小細胞肺がんを含む複数の固形がんに高発現するたんぱく質の一種で、非小細胞肺がんの大多数に発現しており、がんの進行や生存率の低下に関係していると言われています。現在、非小細胞肺がん患者を対象に承認されているTROP2を標的とした治療法はありません。
アストラゼネカとの提携について
当社とアストラゼネカは、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)とDS-1062に関し、それぞれ2019年3月と2020年7月に、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)において共同で開発及び商業化する契約を締結しました。なお、当社は両剤の製造及び供給を担います。