2020年12月14日
研究開発情報

報道関係者各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 大沼 純一
TEL 03-6225-1126

トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)に関する欧州医薬品庁医薬品委員会による承認勧告のお知らせ

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)とアストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ)は、欧州医薬品庁(以下「EMA」)の医薬品委員会(以下「CHMP」)より、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*、以下「本剤」)について、切除不能なHER2陽性乳がんの治療薬として、条件付き販売承認を推奨する肯定的見解が示されたことをお知らせいたします。

本剤については、2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の切除不能な乳がん患者を対象としたグローバル第2相臨床試験(DESTINY-Breast01)の結果に基づき、2020年6月にEMAにて承認申請が受理されておりました。

CHMPの肯定的見解は、欧州連合(EU)に承認を与えている欧州委員会(以下「EC」)への最終的な承認勧告とみなされます。本剤は、今回のCHMPによる承認勧告を受け、今後ECにて審議され、承認可否は数ヶ月以内に決定される見込みです。
なお、本剤は、HER2陽性乳がんについて米国及び日本にて承認を取得しております。また、HER2陽性胃がんについて日本にて承認を取得しており、米国にて承認申請が受理されております。

当社とアストラゼネカは、がん治療における新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんに貢献できるものと期待しております。

 

以 上

 * 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

HER2陽性の乳がんについて 
乳がんは、ヨーロッパにおいて毎年約52万人の新規患者が報告されており、5人に1人がHER2陽性と推定されています。HER2は、乳がん、胃がん、肺がんを含む多くのがん細胞表面に発現するタンパク質であり、HER2の過剰発現は、乳がんにおいて進行性疾患や予後の不良と関連しています。抗HER2療法の登場によりHER2陽性乳がん患者の生存率は改善していますが、既存薬による治療後に再発・転移したHER2陽性乳がんにおいては治療の選択肢が限られており、依然として高いアンメット・メディカル・ニーズがあります。

アストラゼネカとの提携について

当社とアストラゼネカは、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)とDS-1062に関し、それぞれ2019年3月と2020年7月に、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)において共同で開発及び商業化する契約を締結しました。なお、当社は両剤の製造及び供給を担います。

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