2020年09月25日
製品情報

報道関係者各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 大沼 純一
TEL 03-6225-1126

抗悪性腫瘍剤「エンハーツ®」のHER2陽性の胃がんに係る効能又は効果、用法及び用量追加の国内承認取得のお知らせ

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、抗悪性腫瘍剤「エンハーツ® 点滴静注用 100mg」(一般名:トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*1)について、本日、「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌」の効能又は効果、用法及び用量追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得しましたので、お知らせいたします。

 本剤は、日本及び韓国で実施した第2相臨床試験(DESTINY-Gastric01)および日米共同第1相臨床試験の結果に基づき2020年4月に国内製造販売承認事項一部変更承認申請が行われ、先駆け審査指定制度*2のもとで承認されました。

 当社は、がん治療における新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんに貢献できるものと期待しております。

 

 

以 上

製品概要

 販売名

 エンハーツ®点滴静注用100mg

 一般名

 トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)

 効能又は効果
  (追加内容下線部)

 ・化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)
  ・がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌

 用法及び用量
  (追加内容下線部)

 <化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)>
  通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
  <がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌>
  通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回6.4㎎/㎏(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。

 承認条件

 1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌患者を対象に実施中の第Ⅲ相試験における本剤の有効性及び安全性について、医療現場に適切に情報提供すること。
  3. 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

 一部変更承認日

 2020年9月25日

 製造販売元

 第一三共株式会社




*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

*2 先駆け審査指定制度とは、世界に先駆けて革新的医薬品や医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の日本での早期実用化を目指す「先駆けパッケージ戦略」(平成26年6月17日厚生労働省取りまとめ)の重点施策の1つで、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して極めて高い有効性が期待される医薬品や再生医療等製品等を指定し、日本の患者さんに世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指しています。開発早期の段階から一定の要件を満たす画期的な新薬等が指定され、薬事承認に係る相談・審査において優先的な取扱いがなされることとなっています。

胃がんについて
胃がんは、世界で5番目に多いがん種であり、がん種別死亡数は第3位です。2018年の調査において、世界の新規患者は約100万人/年、死亡数は約80万人/年でした。世界の胃がん症例の約半数を東アジアが占め、胃がん発症率は韓国が第1位、日本が第3位となっています。胃がんの約2割にHER2(がん細胞の成長を促進するたんぱく質)が過剰発現していますが、トラスツズマブに抵抗性となったHER2過剰発現の胃がんでは、他の抗HER2療法が存在しないため、高いアンメット・メディカル・ニーズがあります。

アストラゼネカとの提携について
当社とアストラゼネカは、2019年3月に全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)においてトラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)を共同で開発及び商業化する契約を締結しました。なお、当社は本剤の製造及び供給に責任を持ちます。

 

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