2008年02月04日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 庄田 隆
(コード番号 4568 東証・大証・名証各第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 高橋 利夫
(TEL:03-6225-1126)

鉄欠乏性貧血治療剤「Injectafer(TM)」に関するFDA の諮問委員会の評価に関するお知らせ

当社の米国子会社であるLuitpold Pharmaceuticals, Inc.(ルイトポルド・ファーマシューティカルズ Inc.、米国・ニューヨーク州 以下LPI)は、鉄欠乏性貧血治療剤Injectafer(TM)(開発コード:VIT-45 / 一般名:ferric carboxymaltose injection )を米国FDA(米国食品医薬品局)に新薬承認申請中ですが、2008年2月1日にDrug Safety and Risk Management Advisory Committee(薬剤安全性・リスク管理諮問委員会、以下 諮問委員会)が開催され審議を受けましたので、その結果についてお知らせします。

この諮問委員会において、Injectafer(TM)の有効性および安全性のデータを検証のうえ投票を行なったところ、重症子宮出血または分娩に伴なう 鉄欠乏性貧血患者のうち、経口の鉄分補給剤での治療効果が十分に見られない患者に対しては、リスク/ベネフィットのバランスを勘案しても InjectaferTM)による治療が有益であるとの結果が示されました。

「当社が当初申請した適応を、諮問委員会が完全には支持しなかったことは残念なことです。しかしながら制限付きの適応とはいえ、 Injectafer(TM)の承認に向けた推薦があったことを喜ばしく思います。」と、LPIの社長 兼 CEOのメリージェーン・ヘレネックは述べています。「この諮問委員会の推薦によりFDAから承認を得る道筋が見えてきたと思います。我々はこの製品の承 認を得るべく、引き続きFDAと緊密に連携して取り組んで参ります。」

FDAは前述の患者群への本剤の新薬承認申請に関する意思決定を、2008年3月中旬までに行なうことが見込まれます。FDAの意思決定は今回の諮問委員会の推薦に拘束されることはありませんが、承認審査の過程で諮問委員会の助言を考慮に入れるだろうと思われます。

Injectafer(TM)の臨床試験は、これまでFDAに承認申請された注射用鉄分補給剤の中では最大の規模で実施されています。臨床データは12施設から集められ、患者数は3,000名以上にものぼります。

鉄欠乏性貧血は女性にとって重要な健康問題です。(米国において)年間400万人の出産女性のうち半数以上が鉄欠乏を引起し、この内約100万人の方が鉄欠乏性貧血に進行するとされています。さらに5人に1人もの女性が重症子宮出血(過度あるいは長期失血)
を患っています。

Injectafer(TM)は2007年9月に欧州18カ国で、同11月にはスイスで承認されました。

ルイトポルド・ファーマシューティカルズ Inc.について

ルイトポルド・ファーマシューティカルズ Inc.(以下LPI)は、米国ニューヨーク州に本社を構え、65品目以上の医薬品を開発・製造・販売しています。特に貧血治療剤「Venofer(R)」は米国の注射用鉄製剤の代表的な製品です。LPIは第一三共グループの子会
社で、歯科用製品や動物薬も販売しています。Injectafer(TM)は、Galenica*グループのVifor (International) Inc.からのライセンスのもと、販売します。

詳細は www.luitpold.com をご参照ください。

* Galenicaはスイスに本社を構え、ヘルスケア市場において医薬品の開発・製造・販売、薬局の運営などを積極的に展開するグループです。

以上

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