2008年06月24日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 庄田 隆
(コード番号 4568 東証・大証・名証各第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 斎 寿明
(TEL:03-6225-1126)

米国食品医薬品庁(FDA)が新薬承認申請中の抗血小板剤プラスグレルの審査期間を延長することについて

第一三共株式会社(以下、第一三共)とイーライリリー・アンド・カンパニー(以下、イーライリリー、本社:米国、インディアナ州 NYSE:LLY)は、米国食品医薬品庁(FDA)が新薬承認申請中の抗血小板剤プラスグレルの審査期間を延長したことをお知らせします。

  プラスグレルの新薬承認申請は2007年12月26日に行なわれましたが、2008年2月にFDAが優先審査の対象に指定したことにより、審査期限は2008年6月26日となっておりました。
  今回の延長は、審査期間中に提出した補足情報を検討する期間がさらに必要であるとFDAが判断したことによるものであり、これにより本剤に関する新た な審査期限は、2008年9月26日となります。この3ヶ月の延長は、FDAが審査を完了するために十分な時間であると考えております。
  なお、本剤に関する現在の申請適応症は、冠動脈ステント術を含む経皮的冠動脈形成術(PCI: percutaneous coronary intervention)を受けている急性冠症候群(ACS:acute coronary syndrome)の患者に対する治療効果です。
  また、第一三共とイーライリリーは、PCI治療ではなく、薬剤治療を施されているACS患者を対象とした、プラスグレルとクロピドグレル (Plavix®/Iscover®)の有効性を比較するための第三相大規模臨床試験、TRILOGY ACS (TaRgeted platelet Inhibition to cLarify the Optimal strateGy to medicallY manage Acute Coronary Syndromes)試験を、予定通り今月中に開始することを決定いたしましたので、併せてお知らせいたします。

「我々はプラスグレルの申請内容そのものには引き続き自信を持っています。今回の申請内容に含まれているTRITON試験は、13,000例超の大規模試 験でありました。我々は今後も、FDAの審査に積極的に協力してまいります。また新しいFDA改正法(FDA Amendment Act)についても引き続き話し合っていきます。」とイーライリリーの薬事担当副社長であるジェニファー・ストッカ博士は、話しています。

「TRILOGY ACS試験を開始することは、プラスグレルの薬剤治療中のACS患者に対する有効な治療手段としての可能性を引き続き評価していく強い意思を示すものであ ります。」と第一三共のグローバル研究開発の責任者であるジョン・アレキサンダー博士は話しています。

臨床試験TRILOGY ACSについて
TRILOGY ACSは35カ国の800以上の施設で約10,000人の患者を対象に行われます。

第一三共とイーライリリーは、本臨床試験をデューク・クリニカル・リサーチ・インスティチュート (DCRI:Duke Clinical Research Institute)と共同で行います。DCRIは世界最大の臨床研究を行う、デューク大学メディカルセンター内の組織です。

TRILOGY ACSは多施設、二重盲検法、無作為の臨床試験であり、血行再建術を予定していないACS患者を対象とし、薬剤治療による心血管死、心臓発作、または脳卒 中のリスク軽減に関して、プラスグレルの安全性と有効性をクロピドグレルとの比較において評価することが目的です。

ACSは、心臓発作や不安定狭心症(胸痛)といった症状から成り、米国では毎年140万人以上の人に影響を与えているとされます。(1)
様々な治療法があるにもかかわらず毎年32万人の患者が心臓発作を再発しています。(2)

(1) American Heart Association. Heart Disease and Stroke Statistics - 2008 Update. Dallas, TX. American Heart Association. (Pg. 14)

(2) American Heart Association. Heart Disease and Stroke Statistics - 2008 Update. Dallas, TX. American Heart Association. (Pg. 12)

プラスグレルについて
プラスグレルは、第一三共と宇部興産株式会社(コード番号:4208)が発見し、第一三共とイーライリリーが共同開発している経口抗血小板剤であり、まず はPCIを受けている急性冠症候群(ACS)患者への治療法として開発されています。プラスグレルは、血小板表面でP2Y12 アデノシン二リン酸(ADP:adenosine diphosphate)受容体を遮断し、血小板の活性化および凝集を抑制します。抗血小板剤は、動脈硬化および心臓発作、脳卒中を引き起こす可能性のあ る血小板の凝集を防ぎます。

イーライリリーについて イーライリリー・アンド・カンパニーは、技術革新を拠り所とする製薬業界のリーディングカンパニーです。全世界の自社研究所や提携する優れた研究機関から もたらされた最先端の研究成果を応用することで、ファースト・イン・クラス/ベスト・イン・クラスの製品ポートフォリオを構築しています。米国インディア ナ州に本社を構え、医薬品および医薬関連情報の提供を通じて、世界の最も緊急性の高い医療ニーズに応えています。


Plavix®/Iscover® は、Sanofi-Synthelabo Inc.の商標です。

以上

to Page Top