2008年07月10日
その他

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 庄田 隆
(コード番号 4568 東証・大証・名証各第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 斎 寿明
(TEL:03-6225-1126)

第6回「高峰記念三共賞」について

当社の関連財団法人である三共生命科学研究振興財団(東京都港区、理事長:池上康弘)は、2003 年11 月財団設立20 周年記念事業として、旧三共株式会社の初代社長である高峰譲吉博士(社長在職;1913 年3 月~1922 年7 月)の研究業績に因み、「高峰記念三共賞」を創設しました。
  このたび、2008 年度の第6 回受賞者として、山中伸弥博士(京都大学 物質-細胞統合システム拠点 iPS細胞研究センター センター長;45歳)を選出しましたのでお知らせします。
  ;なお、当財団は設立以来、生命科学分野における独創的な研究に対する研究助成(2 年間)、国際交流の援助(外国人学者招聘、わが国研究者の海外派遣及び国際シンポジウムの開催援助)、三共"フェローシップ"奨学助成(2 年間)などの助成事業を行っております。

(参考)受賞研究テーマ「多能性幹細胞の維持と誘導」

山中伸弥博士は1987 年神戸大学医学部を卒業後、大阪市立大学大学院医学系研究科博士課程を経て博士研究員として米国グラッドストーン研究所へ留学した。同研究所で遺伝子改変 マウスを用いた研究を行う過程で、ある遺伝子が胚性幹細胞(ES細胞)の分化多能性に必須の役割を果たしていることを発見した。これをきっかけに山中博士 は本格的にES細胞研究に取り組んだ。2006 年マウスの皮膚細胞に初期化を促す4つの遺伝子を組み込み、ES細胞と同等の高い増殖能力と分化能力を備えた多能性幹細胞の作製に成功し、この細胞を人工 多能性幹細胞(iPS)と命名した。2007 年山中博士はヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作ることにも成功した。当初、癌遺伝子を含む4つの遺伝子が組み込まれ、安全性に課題があるiPS細胞であっ たが、癌遺伝子を除く3つの遺伝子でもiPS細胞の作製に成功した。

本研究成果は、多くの病気の原因解明や新薬開発に役立つと考えられ、将来、患者本人の細胞を培養して、臓器や身体の一部に再移植する再生医療への応用の可能性を拓いた。

(所属機関・役職)
京都大学 物質-細胞統合システム拠点 iPS細胞研究センター センター長

(主な略歴)
1987 年 3 月 神戸大学医学部卒業
1993 年 3 月 大阪市立大学大学院医学研究科修了
1993 年 4 月 Gladstone Institute, Postdoctoral Fellow,
                  University of California San Francisco, Research Fellow
1996 年 10 月 大阪市立大学医学部薬理学教室 助手
1999 年 12 月 奈良先端科学技術大学院大学 遺伝子教育研究センター 助教授
2003 年 9 月 同教授
2004 年 10 月 京都大学再生医科学研究所 再生誘導研究分野 教授
2007 年 10 月 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 教授
2008 年 1 月 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 iPS細胞研究センターセンター長

以上

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