2008年08月22日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 庄田 隆
(コード番号 4568 東証・大証・名証各第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 斎 寿明
(TEL:03-6225-1126)

クロピドグレルとの直接比較試験においてプラスグレルは 心血管イベントの再発を統計学的有意に減少させた

~プラスグレル投与患者群はクロピドグレル投与群と比較し、初回イベント発現後の心臓発作・脳卒中の再発および心血管死を起こしにくいことが新たに示された~



  第3相実薬対照比較臨床試験TRITON TIMI-38においてあらかじめ計画されていた解析の結果が今回新たにまとめられ、最新の欧州心臓病学会の学会誌『European Heart Journal』に掲載されましたので以下の通りお知らせします。
  急性冠症候群(ACS: acute coronary syndrome)治療のために経皮的冠動脈形成術(PCI:percutaneous coronary intervention)を受けた後に非致死性の心血管イベントを経験した患者において、その後もプラスグレルを服用していた患者はクロピドグレル (Plavix®、Iscover®)服用患者群よりも、さらなるイベント(心臓発作、脳卒中、心血管死)の再発現を起こしにくいことが示されました(プ ラスグレル投与群およびクロピドグレル投与群の発現率はそれぞれ10.8%、15.4%)。
  また、このプラスグレル効果は致死性のリスクに限っても認められ、クロピドグレルの7.1%において心血管死が発現したのに対し、プラスグレルでは3.7%と有意差を持って減少させることが確認されました。

  ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ・ホスピタルのサミュエル・A・レバイン循環器部門の部長であるエリオット・アントマン博士は「心イベントが 数度にわたり発生することは、入院、検査、内科医による診療など医療費負担を増やすだけではなく、多くの患者の死亡率を上げ、QOLを下げることにつなが ります。」と述べています。同博士は、ブリガム・アンド・ウィメンズ・ホスピタルに拠点を置くTRITON-TIMI 38 臨床試験のTIMIスタディー・グループのプリンシパル・インベスティゲーターでもあります。

  プラスグレルが承認された場合、アメリカではEffient™、欧州連合ではEfient™という商品名で販売されます。

プラスグレルについて
プラスグレルは、第一三共と宇部興産株式会社(コード番号:4208)が発見し、第一三共とイーライリリーが共同開発している経口抗血小板剤であり、まず はPCIを受けている急性冠症候群(ACS)患者への治療法として開発されています。プラスグレルは、血小板表面でP2Y12 アデノシン二リン酸(ADP:adenosine diphosphate)受容体を遮断し、血小板の活性化および凝集を抑制します。抗血小板剤は、動脈硬化および心臓発作、脳卒中を引き起こす可能性のあ る血小板の凝集を防ぎます。

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
イーライリリー・アンド・カンパニーは、技術革新を拠り所とする製薬業界のリーディングカンパニーです。全世界の自社研究所や提携する優れた研究機関から もたらされた最先端の研究成果を応用することで、ファースト・イン・クラス/ベスト・イン・クラスの製品ポートフォリオを構築しています。米国インディア ナ州インディアナポリスに本社を構え、医薬品および医薬関連情報の提供を通じて、世界の最も緊急性の高い医療ニーズに応えています。
Plavix(R)/Iscover(R) は、サノフィ・アベンティスの商標です。

以上

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