2011年06月06日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 中山 讓治
(コード番号 4568 東証・大証・名証各第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 斎 寿明
TEL 報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

転移性悪性黒色腫治療剤PLX4032(vemurafenib)の米国臨床腫瘍学会年会(ASCO)における第Ⅲ相臨床試験結果発表のお知らせ

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、当社の子会社のPlexxikon社(本社:米国カリフォルニア州、非上場企業、以下「PLX社」)と提携先のロシュグループが、転移性悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として開発を進めているPLX4032(一般名:vemurafenib)の第Ⅲ相臨床試験(BRIM3)の結果を、2011年米国臨床腫瘍学会(American Society of Oncology: ASCO)年次総会において発表したのでお知らせします。

 

 BRIM3は、未治療のBRAF遺伝子変異がある転移性メラノーマ患者675人を対象に、既存の化学療法剤とvemurafenibを直接比較した多施設共同国際試験です。

 

 本試験において、vemurafenibは化学療法群(dacarbazine治療群)と比較して、死亡リスクを63%、有意に低下させ(ハザード比:0.37、p値<0.0001)、また、癌の進展も74%、有意に抑制させました(ハザード比:0.26、p値<0.0001)。

 

 今回、BRIM3へ参加した675人の患者さんから得られた試験結果は以下の通りです(2010年12月30日時点の試験結果):

・ 無作為化後6ヶ月の時点において、vemurafenib群では84%の患者さんが生存していたのに対し、既存の化学療法群では64%であった。

・ 癌の縮小は、vemurafenib群(48.4%)が、既存の化学療法群(5.5% )と比較してより多く認められた。

・ この時点で想定される全生存期間の中央値は、vemurafenib群では9.23ヶ月であり化学療法群では7.75ヶ月であった。ただし、これらの全生存期間の中央値は、投与期間の中央値が3.75ヶ月までの結果であり、確定的ではない。2011年3月1日の最新の分析結果では、vemurafenib群では10.51ヶ月であり化学療法群では7.75ヶ月であった。

・ Vemurafenib群における無増悪生存期間の中央値は5.3ヶ月であったのに対し、化学療法群では1.6ヶ月であった。

・ 癌のステージ、年齢、性別等にかかわらず、Vemurafenib治療を受けた患者さんのすべての階層で、全生存期間、無増悪生存期間の延長および癌縮小の効果が認められた。

 

安全性面では、最も頻度の高いグレード3の有害事象は、部分切除により処置可能な皮膚扁平上皮癌であり、vemurafenibによる治療を中断することなく処置できた。

 

その他の主な有害事象は、発疹、光過敏症、関節痛、脱毛および疲労感であり、これらの有害事象は、ほとんどの場合、用量変更や、投薬中止により回復した。

 

BRIM3について

BRIM3は、無作為化オープンラベル、第Ⅲ相多施設共同国際試験であり、未治療のBRAF V600変異陽性の転移性メラノーマ患者を対象に、静脈投与のダカルバジン(現時点での標準治療薬)と比較してvemurafenibを評価した試験である。試験参加者は無作為に割り付けられ、vemurafenib 960 mg 1日2回、または、ダカルバジン 1000 mg/m2 (3週間に一回静脈注射)投与を受けた。患者さんへの投与は、癌が増悪するかまたは受け入れられない毒性が認められるまで継続された。二つの主要評価項目は、全生存期間及び無増悪生存期間であった。675名の患者さんが本試験へ登録された。BRIM3は、2009年12月に開始され、世界各国100以上の施設で実施された。

 

本資料は、英語で発表したプレスリリースを日本語に翻訳し、再編集したものです。本資料の正式言語は英語であり、内容および解釈については英語が優先されますことをご了承ください。本資料の原文(英語版)はhttps://www.daiichisankyo.com/でご確認いただくことができます。

以上

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