2013年02月14日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 中山 讓治
(コード番号 4568 東証・大証・名証各第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL 報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

独自技術を用いたデュシェンヌ型筋ジストロフィー核酸医薬の開発について

第一三共株式会社(代表取締役社長:中山讓治、本社:東京都中央区、以下「第一三共」)は、株式会社産業革新機構(代表 取締役社長:能見公一、本社:東京都千代田区、以下「産業革新機構」)等との共同投資による新会社(会社名:株式会社Orphan Disease Treatment Institute)を設立し、当該新会社と共同で、第一三共の独自技術を用いた修飾核酸であるENA®オリゴヌクレオチド(*)を有効成分とするデュ シェンヌ型筋ジストロフィー(以下「DMD」)治療剤(以下「本剤」)の開発に着手することを決定しましたので、お知らせいたします。

 

産業革新機構は、新会社の第三者割当を引受け、総額16.5億円を上限とする投資を行います。また、新会社は、三菱 UFJキャピタル株式会社(代表取締役社長:橋本仁宏、本社:東京都中央区)の運用するファンドに対しても第三者割当増資を行う予定です。第一三共は、新 会社に投資を行うとともに、新会社と臨床でのPOC(Proof of Concept)取得を目的とする共同開発を実施します。

 

DMDは、民族差なく、新生男児の約3,500人に1人で発症することが知られています。2~5歳から軽度の自立障害が 起こり、年齢を重ねるとともに筋萎縮が進行して、各種運動障害がおきるとともに、最終的には、心不全・呼吸不全等により、多くは20~30歳代で死に至る 極めて重篤な伴性劣性の遺伝性希少疾患です。なお、DMDの発症原因は、患者の筋細胞においてジストロフィンタンパク質が産生されないことであることが分 かっていますが、根本的な治療法はなく、有効な治療法もありません。

 

松尾雅文教授(神戸学院大学総合リハビリテーション学部)および竹島泰弘特命教授(神戸大学大学院医学研究科)は、2006年、エクソンスキッピン グと呼ばれる作用機作により、DMD患者にアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することによって、ジストロフィンタンパク質が発現することを世界で初め て見出しました(Pediatr. Res., 59:690-694 ,2006)。第一三共と新会社は、両教授の協力のもと、POC取得を目的に、両教授と第一三共との共同研究で見出された本剤(エクソンスキッピング活性を保有)について、国内での非臨床・臨床試験を共同で実施します。

 

なお、本件による今期業績への影響は軽微であります。

 

 

 

*ENA®オリゴヌクレオチドについて

ENA®(2'-O,4'-C-Ethylene-bridged Nucleic Acids) は、核酸の糖部フラノース環の2'位と4'位をエチレンで架橋した修飾核酸です。ENA®を含む短鎖修飾核酸であるENA®オリゴヌクレオチドは、相補的 なDNAやRNAに対して高い結合力を示し、熱安定性やヌクレアーゼ耐性で優れた特性を持っています。ENA®は第一三共の商標です。

以上

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