2015年12月21日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 中山 讓治
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL 報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

てんかん治療薬「ラコサミド(一般名)」の臨床試験の結果について発表

-2015年米国てんかん学会総会にて-  

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「第一三共」)とユーシービージャパン株式会社(本社:東京都新宿区、以下「ユーシービージャパン」また、ユーシービーグループを総称して以下「UCB」)は、てんかん治療薬「ラコサミド」(以下、「本剤」)について、2015年米国てんかん学会(Annual Meeting of the American Epilepsy Society、開催期間:2015年12月4-8日、開催場所:フィラデルフィア)で本邦を含む臨床試験の結果を発表しましたのでお知らせします。

本臨床試験は、部分発作を有する日本人と中国人の成人てんかん患者を対象とした第3相プラセボ対照二重盲検比較試験です。1~3剤の抗てんかん薬投与で発作のコントロールが不十分な患者へのラコサミド(1日200 mg と400 mg)の併用投与は、主要評価項目である部分発作回数について、プラセボと比較して有意に減少させました。維持投与期間中の部分発作回数が投与開始前と比べて50%以上減少した患者の割合も、プラセボと比較して有意に減少させました。さらに、維持期間中に発作消失がみられた患者の割合はプラセボより多かったことが示されました。

なお、この臨床試験で認められた有害事象は、海外のこれまでの臨床試験及び製造販売後の調査で報告されたものと同様であり、安全性に新たな懸念は認められていません。

今後、国内においては、第一三共とUCBが、2014年11月に締結した本剤に関する共同商業化契約に基づき、製造販売承認取得後、製造はUCBが担い、販売・流通は第一三共が担当し、プロモーション活動は両社共同で実施していきます。

第一三共とUCBは、本剤によって、てんかん患者さんの部分発作に対する併用療法において、新たな治療の選択肢を提供することで、国内の患者さんや医療関係者の皆様に貢献できるものと期待しております。

てんかんについて

てんかんは世界中で約6,500万人の患者さんがいると推定される脳の病気で、「(1)24時間以上の間隔で2回以上の非誘発性(または反射性)発作が生じる、(2)1回の非誘発性(または反射性)発作が生じ、その後10年間の発作再発率が2回の非誘発性発作後の一般的な再発リスク(60%以上)と同程度である、(3)てんかん症候群と診断されている」のいずれかの状態により定義付けられます。また、てんかんは小児、成人や高齢者または男女を問わず幅広く発症し、発症率は年齢によって異なります。

UCBとてんかんについて

UCBはてんかん領域で新規てんかん治療剤の研究開発を20年以上続けてきており、その結果、豊富な経験と実績を持っています。毎日、何千人もの患者さんがUCBのてんかん治療剤を使用して、発作の抑制に役立てています。てんかん研究に長期的に取り組む会社としてのUCBの目標は、患者さんのアンメットニーズに焦点を当て、その日々の生活を改善する解決策をお届けすることです。UCBの研究者たちは、てんかんとその治療法についての理解を深めることに貢献できることを誇りにしています。我々は、目標を共有する研究施設、製薬会社、世界的科学者や臨床の先生方と協力し、高度のネットワークを構築しています。我々UCBは患者さんからインスパイアされ、サイエンスを原動力として、てんかんの患者さんをより良くサポートする努力を日々続けています。

「ラコサミド(一般名)」について

ラコサミド」は成人及び青年(16-18歳)患者における部分発作(二次性全般化の有無を問わない)の併用療法として、2008年9月、EUでVIMPAT®との商品名で初めて発売され、現在では世界46カ国のてんかん患者さんに提供されています。欧米ではフィルムコーティング錠、シロップ及び静注剤として販売されています。静注用ラコサミド溶液は一時的に経口投与が不可能となった患者さんへの経口剤代替療法として使用されます。UCBは全世界における開発、製造、販売に関する権利を保有しています。日本では、「ラコサミド」はてんかん治療薬としての承認を取得していません。

参考文献

1. ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01710657: Accessed 23rd November 2014 from http://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01710657?term=NCT01710657&rank = Accessed

2. VIMPAT® Summary of Product Characteristics. Accessed 23rd November 2014 from http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/000863/WC500050338.pdf

3. Fisher, R.S., et al., ILAE Official Report: A practical clinical definition of epilepsy. Epilepsia, 2014. 55(4): 475-82.

4. Institute of Medicine. Epilepsy Across the Spectrum. Promoting Health and Understanding, Washington, DC: The National Academic Press, 2012 brief report. Accessed 17th November 2014 from http://www.iom.edu/~/media/Files/Report%20Files/2012/Epilepsy/epilepsy_rb.pdf 

5. The Epilepsy Foundation of America. Who gets epilepsy? Accessed 17th November 2014 from http://www.epilepsy.com/learn/epilepsy-101/who-gets-epilepsy  

第一三共グループについて

第一三共グループは、「革新的な医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供することで、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを企業理念に掲げております。

世界中で多くの患者さんに服用いただいている高血圧症、脂質異常症、感染症領域の薬剤に続き、血栓症領域でも新薬を上市し、次代のフランチャイズとして育成します。さらには研究の重点領域を、「がん」、「循環代謝」、「先端領域」と定め、バイオ医薬品を含めた新薬創出に向けて取り組みを強化しております。

また、第一三共グループは、患者さん、医療関係者等の皆さまの多様なニーズに対応するべく、イノベーティブ医薬品(新薬)に加え、ジェネリック医薬品、ワクチン、OTC医薬品の事業を展開しております。

詳細については、www.daiichisankyo.co.jpをご覧ください。

UCBについて

ユーシービーグループ(www.ucb.com)は、ベルギーのブリュッセルに本社を置くグローバルバイオファーマ企業で、中枢神経系、免疫系等の重篤な疾患とともに生きる患者さんの生活を改善するための革新的な医薬品や治療法の創出、開発を行っています。従業員は世界約40カ国で8,500名以上。2014年の売上は33億ユーロでした。UCB はユーロネクスト・ブリュッセル証券市場に上場しています(シンボル:UCB)。

ユーシービージャパン株式会社は、1988年に設立され、アレルギー性疾患治療剤「ジルテック®錠」(一般名:セチリジン)などを販売してきました。2010年9月に発売された抗てんかん剤「イーケプラ®錠」(一般名:レベチラセタム)や2013年3月に発売された関節リウマチ治療剤「シムジア®」を新たな成長の起点とし、中枢神経(CNS)ならびに免疫疾患領域を中心に治療の難しい患者さんを対象にしたスペシャリティ・バイオファーマとして、日本の医療・健康へ更なる貢献をしてまいります。

 

 

この件に関するお問い合わせは、下記にお願いします。

 

第一三共株式会社 コーポレートコミュニケーション部

報道関係者の皆様TEL: 03-6225-1126

株式市場関係者の皆様TEL: 03-6225-1125

 

ユーシービージャパン株式会社 広報部

TEL:03-6864-7633

http://www.ucbjapan.com

 

 

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