2016年08月30日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 中山 讓治 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

抗凝固剤「エドキサバン(製品名:リクシアナⓇ錠)」の 電気的除細動を施行予定の心房細動患者を対象とするENSURE-AF試験の結果について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、電気的除細動(低エネルギーの電気的ショックにより心臓のリズムを正常化する治療)を受ける予定の非弁膜症性心房細動患者2,199名を対象としたENSURE-AF試験の結果が発表されましたので、その概要についてお知らせいたします。

 

本試験では、1日1回経口投与されるエドキサバン(製品名:リクシアナ錠 60mgまたは用量調整時30mg)が、脳卒中等の血栓症の発症抑制に対して、適切に管理されたエノキサパリン/ワルファリンと同程度の有効性と安全性を示す主要評価項目を満たしたことが確認されました。本試験の結果は、イタリア・ローマで開催中の欧州心臓病学会(ESC 2016)のHot Lineセッションで発表されました。また、医学雑誌「The Lancet」にオンライン掲載されました。

 

ENSURE-AF試験は、北米および欧州にて、電気的除細動を施行予定の非弁膜症性心房細動患者を対象に、適切に管理されたエノキサパリン/ワルファリンとの比較を通じて、エドキサバンの有効性と安全性を評価するために239施設で実施されました。

有効性の主要評価項目(脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞および心血管死)において、発現率はエドキサバン群で0.5%、エノキサパリン/ワルファリン群で1.0%でした。

安全性の主要評価項目(重大な出血および臨床的に重要な出血)において、発現率はエドキサバン群で1.5%、エノキサパリン/ワルファリン群で1.0%でした。

試験期間全体にわたるネット クリニカル アウトカム(脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞、心血管死および重大な出血の複合の発現率)は、エドキサバン群で0.7%、エノキサパリン/ワルファリン群で1.4%でした。

 

本試験は、有効性や安全性の各評価項目について統計的有意差を出すことを目的に設計されたものではありませんが、非弁膜症性心房細動患者に電気的除細動を行う場合のエドキサバンの使用方法について知見を深めることができました。

 

以 上

 

心房細動について

心房細動とは、心拍動が速く不規則になる状態のことで、心房室内に血液が溜まって肥厚すると血栓のリスクが高まります。血栓は、血管からはがれて血流と共に脳(場合によっては別の身体部位)に達すると、脳卒中等を招くおそれがあります。

心房細動は最もよく認められるタイプの心拍障害であり、疾病や死亡に関連しています。心房細動を有する人は、そうでない人と比べると、脳卒中のリスクが3~5倍高くなります。全ての脳卒中症例の5分の1は、心房細動が原因です。

 

エドキサバンのライフサイクルマネジメントについて

当社は、エドキサバンの科学的知見を継続的に発展させるよう取り組んでいます。エドキサバンの臨床研究プログラムは、無作為化比較試験およびレジストリーとして知られる非介入試験から成り、心房細動や静脈血栓塞栓症の患者におけるエドキサバンの使用について、新規の臨床試験や使用実態下のデータを創出することを目的としています。当社は、エドキサバン臨床研究プログラムに、完了・継続・計画中のものを加えると10万人以上の患者さんが参加されることを見込んでおります。

 

これらの無作為化比較試験は以下のとおりです。

・電気的除細動を施行予定の心房細動患者を対象としたENSURE-AF試験

・冠動脈インターベンションを受ける予定の心房細動患者を対象としたENTRUST-AF PCI試験

・癌を合併した静脈血栓塞栓症患者を対象としたHokusai-VTE Cancer試験

 

また、エドキサバンや他の経口抗凝固剤の重要な使用実態下の実臨床エビデンスのデータを提供するグローバルおよび地域的レジストリーは以下のとおりです。

・ETNA-AF

・ETNA-VTE

・EMIT-AF/VTE

・Prolongation PREFER in AF

 

当社は、幅広いAFおよびVTE患者におけるエドキサバンに関連する科学的知見の充実に一層尽力していきます。

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