2016年09月27日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 中山 讓治 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

ミネラロコルチコイド受容体拮抗薬CS-3150の本態性高血圧症患者を対象とした第3相臨床試験開始のお知らせ

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、ミネラロコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor、以下「MR」)拮抗薬CS-3150 (一般名(r-INN):esaxerenone)について、本態性高血圧症患者を対象とした国内第3相臨床試験(ESAX-HTN試験)を開始しましたので、お知らせいたします。

CS-3150は、Exelixis社(所在地:米国カリフォルニア州)との共同研究で見出され、当社が単独で開発した新しい世代の非ステロイド型選択的MR拮抗薬です。

本態性高血圧症患者を対象としたESAX-HTN試験は、既存のMR拮抗薬であるエプレレノンを対照にCS-3150の有効性及び安全性を検証する無作為化二重盲検比較試験です。

当社とExelixis社は、2006年3月、CS-3150を含む化合物群に関して、共同研究契約を締結しており、当社は全世界での開発および、商業化に関する独占的権利を有しています。

 

以 上

 

高血圧症について

高血圧症の有病者数は国内で約4,300万人と試算され、30歳以上の日本人男性の60%、女性の45%が罹患していると報告されています*1。降圧薬服用者のうち降圧目標である140/90mmHg未満(収縮期血圧/拡張期血圧)にコントロールされている患者の割合は男性で約30%、女性で約40%にとどまっています。高血圧は心血管病(脳卒中および心疾患)の主要なリスク因子であり、慢性腎臓病や末期腎障害の発症リスクを上昇させるといわれています*1

本態性高血圧は、ある特定の原因疾患により発症する二次性高血圧に対して、原因が特定できず、遺伝素因や生活習慣等の複数の要因により発症する(一次性)高血圧のことであり、高血圧の90%近くを占めるといわれています*1

 

CS-3150について

CS-3150(一般名(r-INN): esaxerenone)は、非ステロイド構造の選択的ミネラロコルチコイド受容体(MR)拮抗薬です。CS-3150は、腎臓の尿細管に存在するMRに作用し、ナトリウムの再吸収を促すアルドステロンの結合を阻害することにより、降圧作用を示します。

またアルドステロンは、腎臓の尿細管以外の組織や心臓に存在するMRに作用して心血管系に傷害作用を及ぼすことから*2・3 CS-3150は、アルドステロンによるMRへの作用を阻害することで臓器保護作用を示すことが考えられています。

現在、日本で、高血圧症と糖尿病性腎症を目標適応として開発中です。

 

 

参考文献

*1 The Japanese Society of Hypertension Guidelines for the Management of Hypertension (JSH 2014). Hypertens Research 2014; 37: 253-392.

*2 Funder JW. The role of aldosterone and mineralocorticoid receptors in cardiovascular disease. Am J Cardiovasc Drugs. 2007;7(3):151-7.

*3 Rafiq K, Hitomi H, Nakano D, Nishiyama A. et al., Pathophysiological roles of aldosterone and mineralocorticoid receptor in the kidney. J Pharmacol Sci. 2011;115(1):1-7

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