2016年12月02日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 中山 讓治 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

DS-8201のHER2陽性の転移性乳がんに対する米国食品医薬品局のファストトラック指定について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、米国食品医薬品局(以下「FDA」)より、HER2に対する抗体薬物複合体(以下「ADC」)*であるDS-8201がHER2陽性の転移性乳がん治療を対象としてファストトラック(優先承認審査)指定を受けたことをお知らせいたします。

ファストトラック指定は、重篤な疾患やアンメット・メディカル・ニーズが高い疾患に対し、高い治療効果が期待できる薬剤をFDAが優先的に審査する制度です。ファストトラック指定を受けることにより、治療薬の開発を促進し、承認審査を早めることを目的として、開発・審査期間中にFDAとの協議を迅速かつ頻繁に行うことができます。

今回のファストトラック指定は、前治療としてT-DM1(トラスツズマブにエムタンシンを結合させたADC)を含む抗がん剤治療を受けたHER2陽性の転移性乳がん患者等を対象に本剤を投与し、その安全性、忍容性および予備的有効性を評価した第1相臨床試験パート1(用量漸増試験)の結果を踏まえて判断されました。なお、本試験結果は、2016年10月に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のLate Breaking Sessionで発表されております。

当社は、第1相臨床試験パート1(用量漸増試験)で得られた知見を基にして、現在、4つの異なるHER2発現がん患者を対象に本剤の安全性と有効性をさらに評価する目的で、第1相臨床試験パート2(症例拡大試験)を日本と米国で実施中です。

 

以 上

* 抗体薬物複合体(ADC) :抗体と低分子医薬を適切なリンカーを介して結合させた医薬群

 

第一三共のがん事業について

当社は、世界トップ水準のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供していきます。

当社は、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、現在、固形がんと血液がんの両領域で20以上の新規の低分子および抗体医薬を保有しています。主要開発品目には、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病(第3相))、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫(第3相)、固形がんにおける抗PD-1抗体との併用試験(第1/2相)も実施中)、MET阻害剤チバンチニブ(目標適応:肝細胞がん(第3相))、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:固形がん(第1相))等があります。

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