2017年01月19日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 中山 讓治 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

抗体薬物複合体 U3-1402の第1/2相臨床試験開始について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、HER3に対する抗体薬物複合体(以下「ADC」)*であるU3-1402について、HER3陽性の乳がん患者を対象とした第1/2相臨床試験を国内で開始しましたので、お知らせいたします。

 本試験は、HER3陽性の難治性の転移性乳がんの患者を対象とした非盲検試験です。第1相臨床試験パート1は用量漸増試験で、本剤の安全性、忍容性および最大耐用量を評価します。第1相臨床試験パート2は本剤の安全性および有効性を評価し第2相臨床試験の推奨用量を決定します。第2相臨床試験は推奨用量を対象患者に投与し、安全性および有効性を評価します。

 本剤は、当社ではDS-8201に続いて2番目に臨床開発段階に入った抗体薬物複合体で、独自のADC技術を使って、リンカーを介して抗HER3抗体にトポイソメラーゼⅠ阻害剤(以下「DXd」)を結合させた薬剤です。本剤は、1つの抗体につき約8個のDXdが結合するという特徴を持ち、前臨床試験においてHER3高発現腫瘍に対する退縮効果を確認しています。

乳がんは、転移・進行性あるいは再発例において十分な治療法が確立していないがんの一つであり、特にHER3陽性例では予後が悪い事が報告されており、本剤が他の治療法のない患者さんに新たな治療の選択肢を提供できることを期待しております。

 

以 上

* 抗体薬物複合体(ADC) :抗体と低分子医薬を適切なリンカーを介して結合させた医薬群

 

第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)と急性骨髄性白血病(AML)をフランチャイズとして、合計20以上の新規の低分子医薬、抗体医薬および抗体薬物複合体(ADC)を保有しています。

主要開発品目には、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:固形がん)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫、固形がんにおける抗PD-1抗体との併用試験も実施中)、MET阻害剤チバンチニブ(目標適応:肝細胞がん)等があります。

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