2017年06月30日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

ミロガバリンの疼痛患者を対象とした第3相臨床試験結果について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、α2δリガンド*1「ミロガバリン」(以下「本剤」)の疼痛患者を対象とした第3相臨床試験であるNEUCOURSE試験とALDAY試験の結果概要について、以下のとおりお知らせいたします。 

NEUCOURSE試験は、帯状疱疹後神経痛(PHN)患者 765例を対象とした日本を含むアジアにおける第3相臨床試験で、主要評価項目を達成しました。主要評価項目は平均疼痛スコア*2で、投与前ベースラインから投与開始後14週までの平均疼痛スコア*2の変化量(改善度)をミロガバリン(1日総投与量20mgまたは30mg)とプラセボで比較するものです。

ALDAY試験は、線維筋痛症(FM)患者 3,600例以上を対象とした欧米における第3相臨床試験で、主要評価項目を達成しませんでした。主要評価項目は平均疼痛スコア*2で、投与前ベースラインから投与開始後13週までの平均疼痛スコア*2の変化量(改善度)をミロガバリン(1日総投与量15mgまたは30mg)とプラセボで比較するものです。

両試験とも、安全性上の新たな懸念は認められませんでした。両試験結果の詳細は、今後、学会または論文にて公表する予定です。

なお、糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)患者を対象としたREDUCER試験(第3相臨床試験)を、日本を含むアジアにおいて現在実施中です。

 

以 上

 

*1 α2δ(アルファ2デルタ)リガンド:電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合する物質

*2 平均疼痛スコア:痛みの強さを毎日測定した疼痛スコアの1週間の平均値

 

(参考)

帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia: PHN)について

帯状疱疹後神経痛は、神経の損傷によって引き起こされる末梢性神経障害性疼痛の代表的な疾患です。帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節内に潜伏感染し、ウイルスに対する免疫力が低下することで発症します。帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が治癒した後も焼けるような痛みや電気が走るような痛みが持続し、まれに筋力の低下や麻痺を引き起こす難治性疼痛のひとつと考えられています。日本で年間に50~60万人が発症している帯状疱疹患者のうち、PHN に罹患している患者の割合は10~25%と言われています。

線維筋痛症(fibromyalgia: FM)について

線維筋痛症は、身体の広範な部位に原因不明の強い痛みを感じ、こわばり、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつなどさまざまな症状を伴う疾患です。厚生労働省研究班の調査によると患者数は人口の1.7%と言われており、女性に多いことが特徴です。痛みが慢性的に続くことから、社会的・経済的支障を含め、患者への負担の大きい疾患です。

糖尿病性末梢神経障害性疼痛(diabetic peripheral neuropathic pain: DPNP)について

糖尿病性末梢神経障害性疼痛は、神経の損傷によって引き起こされる末梢性神経障害性疼痛の代表的な疾患です。糖尿病性末梢神経障害は、四肢の神経障害や知覚麻痺を引き起こす疾患で、最も一般的で長期化する糖尿病の3大合併症の一つです。症状として、激しい痛み、痛覚過敏、しびれ、平衡および筋肉運動障害、灼熱痛、刺痛などがあり、夜間に痛みが増すことが多く、睡眠障害に至ることもあります。日本で950万人を超えると推測される糖尿病患者のうち、DPNP に罹患している患者の割合は9~22%と報告されています。

 

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