2017年07月11日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

がん治療用ウイルスG47Δ(DS-1647)の希少疾病用再生医療等製品の指定獲得について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、当社が東京大学医科学研究所 藤堂具紀教授(以下「藤堂教授」)と共同で開発しているがん治療用ウイルスG47Δ*1(DS-1647)が、悪性神経膠腫*2を対象として、厚生労働省より希少疾病用再生医療等製品*3 に指定されましたので、お知らせいたします。

G47Δは、藤堂教授らにより創製されたもので、悪性神経膠腫を始め、複数のがん腫を対象として開発が進められていますが、今回の指定は、現在、第2相臨床試験(医師主導治験)が実施されている悪性神経膠腫を対象としています。G47Δ(DS-1647)は、当社と藤堂教授との共同申請により、2016年2月10日、医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の先駆け審査指定制度*4の対象品目に指定されております。これに加えて、今回の指定を受けたことより、当社は藤堂教授とともに、未充足医療ニーズの高い悪性神経膠腫の患者さんや医療関係者に、より早く新たな治療を提供できるよう、努めてまいります。

 

以 上

 

 

*1 G47Δを用いたがん治療法の特徴

G47Δは、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された人為的三重変異を有する制限増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型(第三世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型)であり、これを用いたがん治療法は、がんの治療体系を抜本的に変える可能性のある新規で先進的なものです。現在、複数のがん治療用ウイルスの開発が行われておりますが、本治療法は、非臨床試験・臨床試験で、既に高い安全性や有効性が確認されています。

 

*2 悪性神経膠腫

神経膠腫は神経細胞の支持組織であるグリア細胞から発生する原発性脳腫瘍で、病理組織学的所見に基づきgrade I~IV に分類されており、国内の罹患数は年間5,000人程度と推定されています。中でも悪性度が高いgrade III(退形成性星細胞腫や退形成性乏突起神経膠腫など)とgrade IV(膠芽腫)は悪性神経膠腫と呼ばれ、罹患数は同3,500人程度と推定されます。

 

*3 希少疾病用再生医療等製品の指定制度

希少疾病用再生医療等製品は、医薬品医療機器法第77条の2に基づき、対象患者数が国内において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を参考にして、厚生労働大臣が指定するものです。医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより、国内では十分にその研究開発が進んでいない状況を踏まえ、安全かつ良質な再生医療等製品を一日も早く医療の現場に提供することを目的に、開発を支援・促進する制度です。また、税制措置、再審査期間の延長等の支援措置も与えられます。

 

*4 先駆け審査指定制度

世界に先駆けて革新的医薬品や医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の日本での早期実用化を目指す「先駆けパッケージ戦略」(平成26年6月17日厚生労働省取りまとめ)の重点施策の1つで、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して極めて高い有効性が期待される医薬品や再生医療等製品等を指定し、世界でも最先端の治療を最も早く日本の患者に提供することを目指す制度です。開発の比較的早期の段階で指定され、治験相談・承認審査において優先的な取扱いがなされることとなっています。

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