2017年09月25日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

ミネラロコルチコイド受容体ブロッカー エサキセレノン(CS-3150)の糖尿病性腎症患者を対象とした第3相臨床試験(ESAX-DN試験)開始のお知らせ

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、ミネラロコルチコイド受容体ブロッカー(以下「MRB」) エサキセレノン(CS-3150)について、糖尿病性腎症患者を対象とした国内第3相臨床試験(ESAX-DN試験)を開始しましたので、お知らせいたします。

 ESAX-DN試験は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)又はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬が投与されている微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者400名を対象に、エサキセレノンの有効性及び安全性を検証するプラセボ対照二重盲検比較試験です。

 エサキセレノンは、Exelixis(エグゼリキス)社(所在地:米国カリフォルニア州)との共同研究で見出され、当社が単独で開発した新しい世代の非ステロイド型選択的MRBです。

 当社とExelixis社は、2006年3月、エサキセレノンを含む化合物群に関する共同研究契約を締結しており、当社は全世界での開発および、商業化に関する独占的権利を有しています。

 

以 上

 

糖尿病性腎症について

糖尿病性腎症は、高血糖に起因する代謝異常、糸球体高血圧などの腎臓の微小血行動態の変化により発症し、病態が進行する糖尿病の代表的な合併症の1つです。糖尿病と診断される患者は増加し続けており、2型糖尿病患者の場合、半数程度が糖尿病性腎症を発症するといわれています。糖尿病性腎症は、透析導入の原疾患の中で最も多い割合を占めており(43.7%、2015年)、積極的な治療が必要とされています。

糖尿病性腎症に対しては、糖尿病に対する治療をはじめ、血圧や脂質の管理が推奨され、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬による薬物療法が推奨されていますが、治療満足度及び薬剤の貢献度は依然として低く、更なる治療薬が望まれています。病態が進展すると、透析移行のリスクが高まり、糖尿病性腎症の改善や進展抑制が見込めない患者層が多くなること、糖尿病性腎症の患者では心血管イベントの発現率も高いことから、早期段階からの有効な治療薬が望まれており、早期の糖尿病性腎症に対して評価指標であるアルブミン尿を減少又は正常化させることで、腎機能の低下速度を抑制し心血管イベントの発現を抑制することが報告されています。

  

エサキセレノン(CS-3150)の腎保護効果について

エサキセレノンは、非ステロイド構造の選択的MRBです。エサキセレノンは、腎臓の組織に存在するミネラロコルチコイド受容体に作用して障害作用を及ぼすアルドステロンの結合を阻害することで、腎組織の保護作用を示すことが考えられています。

ARB又はACE阻害薬が投与されている微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者を対象に国内で実施されたプラセボ対照二重盲検後期第2相臨床試験では、エサキセレノン投与群でプラセボ投与群よりも統計的に有意なアルブミン尿減少効果が認められました。

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