2017年10月12日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

新規核酸送達技術を用いたウイルス感染症遺伝子ワクチン開発の医療研究開発革新基盤創成事業への採択及び産官学連携の研究開発開始について

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、本年8月1日に当社の新規核酸送達技術を用いたウイルス感染症遺伝子ワクチン(以下「新規核酸送達型ワクチン」)開発が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」)の医療研究開発革新基盤創成事業(以下「CiCLE」)*1に採択されたことを受け、今般、産官学連携の研究開発を開始しましたので、お知らせいたします。 

 新規核酸送達型ワクチンは、抗原をコードする核酸を細胞内に送達し、抗原タンパクを抗原提示細胞内で発現させることにより、抗原提示を効率化し、抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)*2を誘導することができます。その結果、予防効果に加えて感染症やがんの治療効果も期待されます。

 当社が、独自に見出した新規核酸送達技術は、ナノ粒子構造の付与・安定化ならびに組織レベルおよび細胞内レベルでの核酸デリバリーを実現する複数の脂質成分から構成され、細胞内蓄積に伴う毒性が低いことが期待されています。

 今後は、CiCLEからの支援をもとに、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所との共同研究で新たなウイルス感染症ワクチンの早期創出に向けた研究開発に一層注力してまいります。

 

以 上

 

*1医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)について

2017年度からAMEDが実施するCiCLEは、産学官連携により、我が国の力を結集し、医療現場ニーズに的確に対応する医薬品・医療機器・医療技術などの実用化の加速化、医療研究開発分野でのオープンイノベーション・ベンチャー育成が強力に促進される環境の創出を推進することなどを目的としており、対象を特定の分野に限定せず、基礎的な研究段階から臨床試験等を含む実用化の開発段階までの幅広い案件に対応している新しい事業です。 

*2抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL

抗原提示細胞によって提示された抗原を認識して分化活性化したT細胞で、細胞内寄生病原体が潜伏感染や慢性感染している宿主細胞やがん細胞を直接認識して排除することができる。

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