2018年03月08日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

DS-8201の大腸がん患者を対象とした第2相臨床試験の開始について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、DS-8201(HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*1)の、HER2発現の再発・進行性大腸がん患者を対象とした第2相臨床試験において、最初の患者への投与を開始しましたので、お知らせいたします。

大腸がん治療は従来に比べ大幅に改善していますが、再発・進行性の大腸がんにおいては、現在限られた治療法しかありません。HER2は、大腸がん細胞の約3%に過剰発現し、抗EGFR療法への耐性獲得等に関与する可能性が示唆されています。現在、大腸がんの治療において抗HER2療法はありません。

本試験は、2回以上の標準治療歴のあるHER2発現の再発・進行性大腸がん患者を対象とした第2相臨床試験で、最初にHER2陽性の患者を対象に本剤の有効性と安全性を評価します。主要評価項目は全奏効率*2で、日米欧において約50名の患者を登録する予定です。その後、HER2低発現の患者を対象とした探索的評価も予定しています。

本試験は、DS-8201の乳がん及び胃がん領域に続く第2相臨床試験となります。当社は、他に適切な治療法のない再発・進行性の大腸がん患者さんにとって、本剤が新しい治療の選択肢となることを期待しております。

 

以 上

 

 

*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めた薬剤です。

*2 全奏効率とは、腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合です。

 

 

大腸がんについて

大腸がんは世界で3番目に多いがん腫で、2012年には136万人の新規患者と69万人の死亡が報告されています。大腸がん患者の約半数が転移性がんとなり、その場合の予後は悪いと言われています。



第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)、急性骨髄性白血病(AML)およびブレークスルー・サイエンスをフランチャイズとして、2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。

主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

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