2018年08月01日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 小川 晃司
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

キザルチニブの再発・難治性の急性骨髄性白血病に対する米国食品医薬品局による画期的治療薬指定について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、米国食品医薬品局(以下「米国FDA」)より、キザルチニブ(FLT3阻害剤、以下「本剤」)がFLT3-ITD変異を有する再発または難治性の急性骨髄性白血病(以下「AML」)治療を対象として画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定*1を受けたことをお知らせいたします。

今回の画期的治療薬指定は、FLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML患者を対象としたグローバル第3相臨床試験(QuANTUM-R試験、以下「本試験」)結果に基づくものです。本試験において、本剤は既存の化学療法剤と比較して全生存期間(OS)*2を有意に延長し、安全性においても新たな懸念は認められませんでした。本試験結果の詳細は、2018年6月に開催された第23回欧州血液学会(EHA)で発表されました。

本剤はこの他、米国FDAよりFLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML治療を対象としてファストトラック指定*3を、また米国FDA及び欧州医薬品庁(EMA)よりAML治療を対象としてオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けています。

当社は、AML患者さんへ本剤をいち早く提供できるよう、国内を含めたグローバル承認申請に向けた準備を進めています。

以 上

 

*1 画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定とは、重篤な疾患を対象に、既存の治療薬よりも高い治療効果を示す可能性のある薬剤の開発と審査を促進し、患者さんにより早く新薬を届けるために定められた米国における制度です。

*2 全生存期間(OS)とは、原因を問わず死亡するまでの期間です。

*3 ファストトラック指定とは、重篤で未充足の医療ニーズが高い疾患に対し、高い治療効果が期待できる薬剤の開発・審査の迅速化を目的とした米国における制度です。

 

(参考)

FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病(AML)について

AMLは、骨髄における白血病細胞の異常な増殖の結果、正常な血液細胞の産生が著しく阻害され、治療をしないと短期間で致死的になる予後不良な血液疾患です。FLT3-ITD変異は、AMLにおいて比較的頻度の高い遺伝子変異であり、AML患者の約25%に認められると考えられています。FLT3-ITD変異を有するAML患者は、変異のない患者と比べ、再発率が高く生存期間が短いと考えられています。

 

第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)フランチャイズ、急性骨髄性白血病(AML)フランチャイズおよびブレークスルー・サイエンスを3つの柱として、2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。

主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

 

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