2018年10月17日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 小川 晃司
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

キザルチニブの国内における製造販売承認申請について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、キザルチニブ(FLT3阻害剤、以下「本剤」)について、本日、FLT3-ITD変異を有する再発または難治性の急性骨髄性白血病(以下「AML」)に係る国内製造販売承認申請を行いましたので、お知らせいたします。

本申請は、FLT3-ITD変異を有する再発または難治性のAML患者を対象としたグローバル第3相臨床試験(QuANTUM-R試験、欧米および日本を除くアジアで実施)および国内第2相臨床試験の結果に基づくものです。

QuANTUM-R試験結果(主要評価項目を達成)の詳細は、2018年6月に開催された第23回欧州血液学会(EHA)で発表されました。

国内第2相臨床試験においても、本剤の有効性および安全性は、QuANTUM-R試験と同様の傾向が認められました。本試験結果の詳細は、2018年10月に開催された第80回日本血液学会(JSH)で発表されました。

本剤は、厚生労働省よりFLT3遺伝子変異を有するAML治療を対象として希少疾病用医薬品指定*1を受けております。当社は、再発または難治性のAML領域における新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんや医療関係者の皆様に貢献できるものと期待しております。

以上

*1 希少疾病用医薬品指定とは、医薬品医療機器等法第77条の2に基づき、対象患者数が国内において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を参考にして、厚生労働大臣が指定する制度です。医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより、国内では十分にその研究開発が進んでいない状況を踏まえ、安全かつ良質な医薬品を一日も早く医療の現場に提供することを目的に、開発を支援・促進する制度です。また、税制措置、再審査期間の延長等の支援措置も受けられます。

(参考)

FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病(AML)について

AMLは、骨髄における白血病細胞の異常な増殖の結果、正常な血液細胞の産生が著しく阻害され、治療をしないと短期間で致死的になる予後不良な血液疾患です。FLT3-ITD変異は、AMLにおいて比較的頻度の高い遺伝子変異であり、AML患者の約25%に認められると考えられています。FLT3-ITD変異を有するAML患者は、変異のない患者と比べ、再発率が高く生存期間が短いと考えられています。

第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)フランチャイズ、急性骨髄性白血病(AML)フランチャイズおよびブレークスルー・サイエンスを3つの柱として、2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。

主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体trastuzumab deruxtecan(DS-8201、目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

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