2018年10月19日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 小川 晃司
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

DS-1205の非小細胞肺がん患者を対象とした第1相臨床試験開始について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(以下「EGFR TKI」)投与中に病勢進行したEGFR変異のある非小細胞肺がん患者を対象にDS-1205(AXL阻害剤)とゲフィチニブの併用療法を評価する第1相臨床試験において、最初の患者への投与を開始しましたので、お知らせいたします。

EGFR変異のある非小細胞肺がん患者には、一次治療ではEGFR TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ)が投与されますが、多くの患者は同薬剤に抵抗性となり、病勢進行します。これらの患者には、現在、限られた治療法しかありません。EGFR TKI投与後に病勢進行となった非小細胞肺がん患者では、AXLの高発現例がみられることから、AXLはEGFR TKIに対する抵抗性に関与している可能性があります。当社の非臨床試験において、AXL阻害剤であるDS-1205をEGFR TKIと併用することにより、EGFR TKIに対する抵抗性の獲得遅延または解除が示唆されています。

本試験は、EGFR TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ)投与中に病勢進行となった再発・転移性の非小細胞肺がん患者を対象とした第1相臨床試験で、二つのパートからなります。パート1ではDS-1205とゲフィチニブの併用における安全性と忍容性を評価しパート2の推奨用量を決定します。パート2では併用における安全性、忍容性に加え有効性も評価します。国内において約60名の患者を登録する予定です。

EGFR変異のある非小細胞肺がん治療は従来に比べ大幅に改善しましたが、EGFR TKIに抵抗性となった患者さんの治療満足度はいまだ低いのが現状です。当社は、DS-1205が既存薬抵抗性となり他に満足な治療法のない患者さんに新たな治療の選択肢を提供できることを期待しております。

以上

第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)フランチャイズ、急性骨髄性白血病(AML)フランチャイズおよびブレークスルー・サイエンスを3つの柱として、2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。

主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体trastuzumab deruxtecan(DS-8201、目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

 

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