2018年11月28日
企業情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 小川 晃司
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

ロシュグループとのHER2低発現コンパニオン診断薬の開発提携について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、HER2低発現を特定するためのコンパニオン診断薬*1の開発において、ロシュグループ(本社:スイス バーゼル、以下「ロシュ」)と提携しましたので、お知らせいたします。

当社は、HER2低発現の再発・転移性乳がん患者を対象としたtrastuzumab deruxtecan*2 (DS-8201、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*3、以下「本剤」)のグローバル第3相臨床試験を開始する予定で、本試験における本剤の有効性と安全性を適切に評価するためには、HER2低発現患者をより正確に特定する必要があります。

本契約に基づき、ロシュは、IHC(免疫組織化学)法によりHER2低発現を特定するためのコンパニオン診断薬の、全世界における開発、製造および商業化を進めます。

HER2低発現のがん治療において、現在、承認されている抗HER2療法はありません。当社は、ロシュとの本提携を通じて、HER2低発現の患者さんを対象とした本剤の開発を促進し、同患者さんに新たな治療の選択肢を提供することを期待しております。

以上

*1コンパニオン診断薬とは、薬剤投与前に治療の有効性や安全性を予測し、適切な治療を選択するために利用され、またその治療効果のモニタリングにも利用される臨床検査薬のことです。

*2 trastuzumab deruxtecanの参考字訳:トラスツズマブ デルクステカン

*3 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群で、がん細胞に特異的に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めた薬剤です。

第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)フランチャイズ、急性骨髄性白血病(AML)フランチャイズおよびブレークスルー・サイエンスを3つの柱として、2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。

主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体trastuzumab deruxtecan(DS-8201、目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

 

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