2019年03月29日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 執行役員コーポレートコミュニケーション部長 小川 晃司
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)の乳がんを対象とした米国承認申請目標時期の前倒しについて

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201:HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*1、以下「本剤」)のHER2陽性の再発・転移性乳がんを対象とした米国食品医薬品局(以下「米国FDA」)への承認申請目標時期を2020年としておりましたが、このたび2019年度前半に前倒しすることをお知らせいたします。

本承認申請の基となる、T-DM1を含む前治療を受けたHER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象としたグローバル第2相臨床試験(試験名:DESTINY-Breast01)については、結果が得られた後、学会において発表する予定です。具体的な承認申請時期については、今後の米国FDAとの協議に基づいて決定されます。

本剤は、米国FDAより、HER2陽性の再発・転移性乳がん治療を対象として画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定*2およびファストトラック指定*3を受けているほか、厚生労働省よりがん化学療法後に増悪したHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がん患者に対する治療として先駆け審査指定を受けています。

本剤については、乳がん患者を対象とした第2相及び第3相臨床試験に加え、胃がん、大腸がん、非小細胞肺がん等の臨床試験や他剤との併用療法試験も積極的に進めております。様々ながん患者さんに新しい治療の選択肢を一日でも早く提供できるよう、本剤の開発を加速させてまいります。

以上

*1抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

*2画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定とは、重篤な疾患を対象に、既存の治療薬よりも高い治療効果を示す可能性のある薬剤の開発と審査を促進し、患者さんにより早く新薬を届けるために定められた米国における制度です。

*3ファストトラック指定とは、重篤で未充足の医療ニーズが高い疾患に対し、高い治療効果が期待できる薬剤の開発・審査の迅速化を目的とした米国における制度です。

第一三共のがん事業について
当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。
当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)フランチャイズ、急性骨髄性白血病(AML)フランチャイズおよびブレークスルー・サイエンスを3つの柱として、2018年から2025年までの8年間に7つの革新的新薬の上市を目指します。
主要開発品目には、抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201、目標適応:乳がん、胃がん、その他固形がん)、FLT3阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫)等があります。

 

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