2020年06月01日
企業情報

報道関係者各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 大沼 純一
TEL  03-6225-1126

DS-1062とキイトルーダ®(ペムブロリズマブ)との併用療法を評価する 研究開発提携について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、DS-1062(TROP2に対する抗体薬物複合体(ADC)*1)とキイトルーダ®(免疫チェックポイント阻害薬、一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法を評価する臨床試験の実施に関する契約をMerck & Co., Inc.(本社:米国ニュージャージー州ケニルワース)の子会社と締結しましたので、お知らせいたします。

本契約に基づき、当社は、活性化遺伝子異常のない進行・転移性非小細胞肺がん患者を対象とした両剤併用の第1相臨床試験を実施します。

本試験は2つのパートからなり、パート1(用量漸増パート)では、DS-1062の投与量を段階的に増やしながら安全性と忍容性を評価し、最大耐用量と推奨用量を決定します。パート2(用量展開パート)では、両剤併用の推奨用量での安全性と忍容性を評価します。
 主要評価項目は両剤併用における最大耐用量、推奨用量での安全性と忍容性で、副次評価項目は客観的奏効率*2等です。日米において約60名の患者を登録する予定です。

当社は、DS-1062と標的の異なる他剤との併用療法により、DS-1062の価値を最大化し、がん患者さんのアンメット・メディカル・ニーズの充足に取り組んでまいります。

以 上

*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

*2 客観的奏効率とは、腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合です。

非小細胞肺がんについて
 肺がんは、世界中で多く見られるがんであり、がんの主要な死亡原因となっています。2018年の調査において、新規患者は世界で210万人/年、死亡数は180万人/年と推定されています。肺がんのうち80~85%は非小細胞肺がんで、転移性の場合、5年生存率はわずか6~10%であり、予後が特に不良と言われています。近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が登場し、非小細胞肺がん患者の治療の選択肢は広がってきましたが、進行性の非小細胞肺がん患者においては、新たな治療法が必要とされています。
 TROP2は、非小細胞肺がんを含む複数の固形がんに高発現するたんぱく質の一種で、非小細胞肺がんの大多数に発現しており、がんの進行や生存率の低下に関係していると言われています。現在、非小細胞肺がん患者を対象に承認されているTROP2を標的とした治療法はありません。

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