2020年08月31日
研究開発情報

報道関係者各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 大沼 純一
TEL 03-6225-1126

抗凝固剤「エドキサバン」に関する第3相臨床試験(ELDERCARE-AF試験)結果について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、抗凝固剤エドキサバンの非弁膜症性心房細動を有する出血リスクの高い高齢者を対象とした国内第3相臨床試験(ELDERCARE-AF試験、以下「本試験」)において、主要評価項目を達成しましたので、お知らせいたします。
 本試験の結果は、欧州心臓病学会議(ESC Congress)2020において発表されるとともに、The New England Journal of Medicineにオンライン掲載されました。

本試験は、既存の経口抗凝固剤の承認用法及び用量での投与が困難と判断された出血リスクの高い80歳以上の非弁膜症性心房細動患者984例を対象として、エドキサバン15 mg 1日1回経口投与時の有効性(脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制)の検証および安全性(出血性イベント等)を検討するプラセボ対照二重盲検比較試験です。

本試験における主要評価項目である脳卒中および全身性塞栓症の年間発現率は、エドキサバン群2.3%に対し、プラセボ群6.7%で、エドキサバン群の優越性が示され、所期の目的を達成しました。
 安全性評価項目の一つである重大な出血の年間発現率は、エドキサバン群3.3%に対し、プラセボ群1.8%で、エドキサバン群において高い傾向にありましたが、特に臨床的に問題と考えられる致死的な出血や頭蓋内出血は、両群間で差はありませんでした。
 また、本試験において安全性上の新たな懸念は認められませんでした。

当社は、高齢の非弁膜症性心房細動患者さんに新たな治療の選択肢を提供できるよう取り組んでまいります。

以 上

EDOSURE(エドシュア)について -エドキサバン臨床研究プログラム-
 全世界で10万人以上の患者さんを対象に10試験以上の臨床研究を実施
 当社は、エドキサバンの科学的知見を継続的に発展させるよう取り組んでいます。
 エドキサバンの臨床研究プログラムは、グローバル第3相臨床試験のENGAGE AF及びHokusai-VTEの試験結果を基盤に、心房細動や静脈血栓塞栓症の患者さんにおけるエドキサバンの使用について、臨床試験や使用実態下のデータを創出することを目的としています。
 EDOSUREは、これまでに完了、あるいは継続、計画中の試験を含めて10試験以上の無作為化比較試験、レジストリー及び非無作為化比較試験に全世界で10万人以上の患者さんが参加することが見込まれています。当社は心房細動・静脈血栓塞栓症の患者さんにおける新たな臨床データやリアルワールドデータを創出することで医療関係者や患者さんがエドキサバンによる治療について更なる安心感を頂いてもらうよう活動して参ります。

本プログラムにおける無作為化比較試験は以下のとおりです。
・非弁膜症性心房細動患者を対象としたENGAGE AF-TIMI 48試験
・静脈血栓塞栓症患者を対象としたHokusai-VTE試験
・電気的除細動を施行予定の心房細動患者を対象としたENSURE-AF試験
・冠動脈インターベンションを受ける予定の心房細動患者を対象としたENTRUST-AF PCI試験
・癌を合併した静脈血栓塞栓症患者を対象としたHokusai-VTE CANCER試験
・非弁膜症性心房細動を有する高齢者を対象としたELDERCARE-AF試験(日本)
・非弁膜症性心房細動を有するカテーテルアブレーション施術後の患者を対象としたELIMINATE-AF試験
・経カテーテル大動脈弁置換術後の患者を対象としたENVISAGE-TAVI AF試験
・脳梗塞の既往を有する非弁膜症性心房細動患者を対象としたSTABLED試験(日本)
・頭蓋内出血の既往を有する心房細動患者を対象としたENRICH-AF試験(研究者主導臨床研究)
 また、エドキサバンや他の抗凝固剤について日常診療に関する重要なリアルワールドデータを創出するためのグローバル及び地域のレジストリー及び非無作為化試験は以下のとおりです。
・ETNA-AF
・ETNA-VTE
・EMIT-AF/VTE
・Prolongation PREFER in AF
・ANAFIE Registry(日本)
・Cancer-VTE Registry(日本)
・RYOUMA  Registry(日本)
・KYU-RABLE (日本)
・BPV-AF Registry(日本)

当社は、EDOSUREを通じて、様々な心房細動・静脈血栓塞栓症の患者さんにおけるエドキサバンの科学的知見の充実に取り組んで参ります。

 

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