世界の医薬品市場

2024年の医薬品市場の売上は、世界全体で1兆7,498億ドル(約262兆円※1)に上ります。地域別で見ると、一番大きな市場は米国で、欧州5カ国、中国、日本が続きます。日本の市場規模は約10.2兆円※1です。日本を含む多くの国・地域では、薬の価格(薬価)は行政機関によって決められています。

世界の医薬品市場は、2029年に向けて成長が見込まれていますが、日本市場の年平均成長率は、1.2%と予測されています。

地域別売上高シェア

 ※1 1ドル = 150 円で換算

年平均成長率予測値(2025年‐2029年)

  
グローバル 5‐8%
米国 6‐9%
 欧州5カ国 6.2%※2
中国 2.8%
日本 1.2%

※2 2029年の市場規模予測($327Bn)及び2024年の市場規模($242Bn)を元に算出

欧州5カ国: ドイツ、フランス、英国、イタリア、スペイン
新興国/地域: ブラジル、インド、アルゼンチン、バングラデシュ、コロンビア、エジプト、インドネシア、メキシコ、パキスタン、フィリピン、タイ、ベトナム
出典: IQVIA INSTITUTE, Global Use of Medicines OUTLOOK through 2029 をもとに当社作成
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日本の医薬品市場

医薬品は、医療用医薬品とOTC医薬品に分類されます。医療用医薬品は、病院で直接、もしくは医師の処方箋を薬局に持参して購入する医薬品で、その価格は日本では薬価として国が決めています。OTC医薬品は、ドラッグストアなどで選んで購入できる医薬品で、個別ブランドとして宣伝が可能です。当社ではルル、ロキソニンSなどが該当します。医療用医薬品には、新薬とジェネリック医薬品があります。ジェネリック医薬品は、後発医薬品とも呼ばれ、新薬の独占販売期間が過ぎた後に発売される新薬と同じ有効成分をもつ医薬品です。

医薬品の分類のチャート図

医薬品の分類のチャート図 

製薬会社のビジネスモデル

新薬を発売するには、9年から16年にも及ぶ研究開発期間と、数百億円から、場合によっては1,000億円を越える費用が必要であり、およそ25,000個の化合物から1つの新薬が生まれるというほど、大変ハードルが高いものです。一方、このような過程を経て承認された新薬は、特許期間や再審査期間の間は、独占販売が認められます。(ジェネリック医薬品は、開発期間が3~4年、開発費用は数億円と言われています。)

製薬会社のビジネスモデル

新薬は発売後、独占販売期間中は売上が拡大するものの、独占販売期間が終了すると多数のジェネリック医薬品が登場し、売上が急激に落ち込みます。売上の急激な減少は、そのグラフの形から製薬業界でパテントクリフ(=特許の崖)と呼ばれています。私たち新薬メーカーが、パテントクリフを克服し持続的に成長していくためには、研究開発を通じ絶え間なく新薬を開発・発売していく必要があります。

新薬の売上推移(イメージ)

新薬の売上推移(イメージ)

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