健考カルテ 増加する高齢者糖尿病と上手につきあっていくために

日本頭痛学会代表理事
獨協医科大学副学長
平田 幸一(ひらた こういち)先生

[プロフィール]
1980年獨協医科大学医学部卒業。1986年獨協医科大学院修了。1996年獨協医科大学内科学(神経)主任教授、2011年獨協医科大学付属看護専門学校長、2014年獨協医科大学病院副病院長、2017年獨協医科大学病院長を経て、2019年10月から現職。

片頭痛は、発作的な頭痛が繰り返し起こり、そのために寝込んでしまう、学校や仕事に行けなくなるなど、日常生活に大きな支障をきたしますが、たかが頭痛と軽くみて、つらいのを我慢してしまっている人が多いようです。日本頭痛学会代表理事を務める獨協医科大学副学長の平田幸一先生は「片頭痛の薬物療法は進歩しており、適切な治療を受けることで、頭痛が改善する人も出てきました。日常生活に支障が出るほどの頭痛は、我慢せずに早めに専門医を受診してください」と呼びかけます。

片頭痛は日常生活への支障が大きい

Q頭痛にはどんな種類がありますか?

A頭痛にはさまざまな種類があり、代表的なのは、同じ姿勢の持続などにより起こる緊張型頭痛と頭痛発作を繰り返す片頭痛です。
緊張型頭痛は首から肩、背中にかけての筋肉が緊張し、血行が悪くなることで起こり、重く締め付けられるように痛みます。一方、片頭痛は音や光、におい、気圧の変化など何らかの刺激がきっかけになって、拡張した脳の血管が炎症を起こします。こめかみから側頭部あたりに一般的にはズキンズキンとした拍動性の痛みが発作的に起こります。
このため、寝込んでしまう、学校や仕事に行けなくなるなど、日常生活に大きな支障が生じてしまうのが、片頭痛の大きな特徴です。
頭痛の中には、くも膜下出血や脳腫瘍などが原因で起こるものもあり、放置すると命にかかわるため、過去に経験したことのない痛みを感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

女性が男性の約4倍多い

Q片頭痛の患者さんはどのくらいいますか?

A15歳以上を対象とした日本全国調査によると、片頭痛患者は日本人の8・4%※とされていますが、診断されていない人もいるため、実際にはもっと多くの人が片頭痛を発症しているのではないかと考えられています。20代~50代の働き盛りの世代に多く、男性より女性の方が約4倍多いことがわかっています。学校生活や仕事、子育てへの影響が大きいため、経済的な損失も無視できません。

急性期治療のほか新しい予防療法も

Q片頭痛の治療はどのように行いますか?

A片頭痛の痛みは非常に強いため、市販の鎮痛剤では痛みが抑えられない場合が多くあります。薬が効かないからと量を増やすと、それが頭痛の原因になる場合もあるので注意が必要です。
医療機関で行う片頭痛の急性期治療では、内服薬で起きてしまった頭痛を抑えます。発作が月に1~2回程度で、薬を飲めば治まる場合は、そのままの治療を継続していきます。
痛みが激しく、発作の頻度が月に2回以上あるいは生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある場合は、予防療法の適応になります。予防療法では、現在の発症抑制薬に加え、新しいタイプの薬剤も使用可能となりました。この予防療法を受けるためには、専門医を受診することが必要です。とくに、発作がいつ起こるかと不安で予定が立てられないなど、日常生活に支障のある人は、予防療法を検討してみてもよいのではないでしょうか。

発作を誘発するものを避ける

Q日常生活で気を付けることはありますか?

A個人差がありますが、緊張から解放されたときに発作が起こることが多いので、ふだんから緊張しすぎないよう、リラックスする習慣をもちましょう。睡眠不足や寝すぎが片頭痛の原因になる可能性があるので、自分にとっての適切な睡眠時間を知って、生活のリズムを保つことも大切です。光が強いときはサングラスをかける、騒音が気になるときはイヤホンで好きな音楽を聴いて紛らわす、チョコレート、チーズ、お酒など発作を誘発する食品を避ける、などの注意が必要です。

リラックスする人のイメージ画像

ドクターからの
アドバイス

「片頭痛の治療は新しい予防療法が導入されたことで進歩しています。発作が起きてから抑えるのではなく、片頭痛発作の発症を抑制する薬物療法も加わり、長年のつらさから解放される人も見受けられるようになりました。頭痛によって、生活に支障が出ている人は、我慢せずに早めに専門医を受診してください」

片頭痛の痛みは非常に強く、そのつらさは、脳卒中や認知症にも匹敵するほどだということが数々の医学論文で明らかにされています。
我慢を美徳としてきた日本人は、頭痛発作がつらくても根性で乗り切ろうと頑張ってきた人が多いのではないでしょうか。頭痛発作のため、寝込んでしまったり、学校や会社を休んでしまったりすると、「怠けている」などと誤解されてしまうという話もよく耳にします。そのような誤解を避けるためにも、いつ、どんなときに頭痛が起きたのかを記録して、頭痛を客観的に把握しておくと、医療機関を受診する際に役立ちます。また、頭痛によって、どの程度生活に支障があるのか、頭痛がなくなったらどんなことがしたいのかを考え、整理しておくと、治療法を選ぶときに参考になります。

企画・制作=読売新聞社広告局
2021年12月18日掲載

紙面PDF

他の疾患啓発も見る

to Page Top