脂質異常症の原因
脂質異常症原因のいろいろ

  • 主な原因は、(1)食生活などの生活習慣によるもの、(2)遺伝的な異常によるもの、(3)ほかの病気などによるもの、(4)加齢によるもの
  • 脂肪、糖質、アルコールなどの取り過ぎは危険
  • 運動不足や喫煙も脂質異常症を引き起こす危険因子

脂質異常症の原因は・・・

脂質異常症の原因のうちで最も多いのが、食生活や運動習慣などのライフスタイルの乱れが引き金となって引き起こされるケースです。これにもともと持っている遺伝的に脂質異常症になりやすい体質(後述)が重なれば、高い頻度で脂質異常症が発症します。特に食生活の影響は大きく、高カロリーの食事、コレステロール・飽和脂肪酸・糖質などを多く含む食品、アルコールの取り過ぎは、コレステロールや中性脂肪を増加させてしまいます。また、運動不足は脂質の代謝能力を低下させて中性脂肪の蓄積、すなわち肥満の原因になりますし、タバコは善玉コレステロールを減らして悪玉コレステロールをより悪玉にするといわれています。

遺伝性の強い家族性(原発性)高コレステロール血症も要注意

  • LDL受容体の先天的な異常が原因の家族性高コレステロール血症
  • リポ蛋白リパーゼに遺伝的な異常が見られる高トリグリセリド血症

遺伝性の強い高脂血症に家族性高コレステロール血症があります。500人に1人という高い割合で見られるので、この病気を持つ親族のいる人は注意が必要です。家族性高コレステロール血症は、リポ蛋白の1つであるLDL(悪玉)コレステロールを細胞内に取り込むLDL受容体に先天的な異常があるため、血液中にLDLが蓄積してしまうものです。 子供のころからコレステロール値が高く、動脈硬化も進みやすくなります。ほかの症状としては、まぶた、関節、アキレス腱などに黄色腫と呼ばれるコレステロールの固まりができたりすることがあります。遺伝的な要因に食生活などの要因が加われば、家族性高コレステロール血症は一層悪化しますので注意したいものです。また、中性脂肪を分解するリポ蛋白リパーゼに遺伝的な異常があると(リポ蛋白リパーゼ欠損症)、著明な高トリグリセリド血症になることがあります。リポ蛋白リパーゼ欠損症の症状としては、黄色腫、急性膵炎(すいえん)などがあります。

ほかの病気で脂質異常症になる場合も

  • ある種の病気が引き起こす続発性(二次性)脂質異常症
  • 更年期を迎える50歳前後からコレステロールや中性脂肪が急上昇
  • 女性ホルモン(エストロゲン)の減少でLDL(悪玉)コレステロールの処理能力が低下

なんらかの病気が原因となって脂質異常症が引き起こされるケースがあり、これを続発性(二次性)脂質異常症といいます。原因となる主な病気としては、甲状腺ホルモンの分泌が減る甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌性のもの、ネフローゼ症候群や腎硬化症などの腎臓病、肝臓や胆道の病気、糖尿病、肥満などがあげられます。また、薬の副作用が原因となって脂質異常症になることもあるので、他の病気を治療中の人は医師にしっかりと伝える必要があります。
女性は40歳ぐらいまでは男性に比べて脂質異常症になる頻度は低いのですが、更年期を迎える50歳前後からコレステロールが急に増えていき、脂質異常症と診断されるケースがあります。これは女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が、閉経によって減少するためです。エストロゲンは肝臓でのLDL受容体を増やす働きがあり、それによってLDL(悪玉)コレステロールの処理が十分に行われますが、閉経によってエストロゲンが減少すると、LDL(悪玉)コレステロールの処理能力が低下してしまいます。そのため血液中にコレステロールが増えてしまい、高コレステロール血症になるのです。また、中性脂肪値も閉経期前後から上昇していきます。

(本文監修:帝京大学医学部内科学教授 寺本 民生先生)

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