糖尿病Q&A
- 糖尿病ってどんな病気?
- 糖尿病の原因
- 糖尿病と合併症
- 糖尿病のくすりの服用と治療法
- 糖尿病Q&A
よくある質問にお答えします
- 1.両親が糖尿病でないのに糖尿病になったのはなぜ?
- 2.尿糖が陽性だと糖尿病?
- 3.血糖値が日によって違うのはなぜ?
- 4.食べる量を減らせば治る?
- 5.薬の服用が必要なのは、重症ということ?
- 6.甘いものは厳禁?
- 7.水分をたくさん取っても大丈夫?
- 8.足の手入れをするようにいわれたが、なぜ?
1.両親が糖尿病でないのに糖尿病になったのはなぜ?
まだ20代なのですが、糖尿病と診断されました。両親ともに糖尿病ではありません。どんな原因が考えられるのでしょうか?
遺伝子レベルでの研究が進んだ結果、糖尿病を引き起こす遺伝子は親から子どもに受け継がれることが明らかになっています。つまり、親が糖尿病の場合、子どもも高い確率で発症します。しかし、遺伝的素因がすべてではなく、むしろ肥満、過食、運動不足、ストレスの多い生活などの環境要因が引き金となって発症すると考えるべきです。こうした遺伝的素因と生活習慣によって発症する糖尿病を2型糖尿病と呼び、日本人の糖尿病患者の95%以上がこのタイプに該当します。親が糖尿病でない、といっても詳しく調べるとインスリン分泌が遅れ、かつ分泌量も少ないのに、インスリンの働きがよくて、発症していないのかもしれません。また、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)のベータ細胞が破壊され、インスリン分泌ができなくなったために発症した1型糖尿病である可能性も否定できません。医師に確認してください。
2.尿糖が陽性だと糖尿病?
会社の健康診断で尿糖が陽性といわれました。糖尿病なのでしょうか?
糖尿病の誤解で一番多いのが尿糖に関することです。病名から尿に糖が出るのが糖尿病だと思っている人がいますが、これは間違いです。血糖値が170mg/dLを超えると尿に糖が出ます。逆に尿糖がでると、糖尿病というわけではありません。腎性糖尿といって、血糖値が低くても尿に糖が出る人もいます。逆に尿糖が出ない人でも糖尿病の人がいます。糖尿病の診断は、あくまでも血糖検査の結果によります。ただし健康診断などで尿糖が陽性であれば糖尿病の疑いがあるので、必ず血糖検査を受けてください。
3.血糖値が日によって違うのはなぜ?
糖値が日によって違いますが、どうしてですか。また、自分で血糖値を測ることができますか?
血糖値は空腹時に低く、食後に高くなりますが、食事の種類や量、採血の時間によっても異なってきます。また、ストレスや不規則な生活なども血糖値を上げる要因です。ですから日によって、あるいは時間によって血糖値が違っても不思議ではありません。糖尿病の治療はこうした糖の流れを把握することにより、患者さんに合った治療を行うことが求められます。患者さん自身もこうした血糖値の変化を認識することが大切です。自己管理という意味からも、家庭で日常的に血糖自己測定をすることをおすすめします。血糖自己測定器は市販のものがあり、専用針によって指先などから血液を1滴ほど絞り出し、センサーで測定するタイプのほか、上腕または前腕部に当てると採血と測定を自動で行う便利で手軽なものも登場しています。
4.食べる量を減らせば治る?
食べる量を減らして体重を落とせば、糖尿病は治りますか?
いいえ。糖尿病は、「これで治る」というものではありません。治療は、まずその大きな要因である生活習慣を改善しつつ行う食事療法と運動療法、さらに進行に応じた薬物療法の組み合わせによって上手な血糖コントロールを行っていくことを目的とします。食事療法はとても重要で、いわゆるダイエットとは違います。ですから単純に食べる量を減らしたからといって糖尿病はよくなりません。基本は、適正なエネルギー量の摂取と栄養バランスです。そのためには摂取エネルギーの厳守と、糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルのバランスの取れた食材と、糖代謝の負担にならないように1日3回の規則正しい食事が望まれます。極端に食事量を減らしたり、サラダだけ、果物だけといった偏った食事はかえって糖尿病を悪化させるもとです。
5.薬の服用が必要なのは、重症ということ?
病院に行ったら糖尿病と診断され、薬を飲み始めるようにいわれました。それほど重症ということなのでしょうか?
詳しい状況がわからないので答えにくいのですが、2型糖尿病の場合、食事療法と運動療法から始めるのが一般的です。まず、それをしっかりやってください。それでも血糖コントロールがうまくいかない場合に経口糖尿病用薬、さらにインスリン療法へと切り替えます。1型糖尿病ではすぐにインスリン療法を行います。経口薬を使い始めたからといって、それだけで重症とはいえません。良くなれば服薬が不必要になることもあります。食事療法と運動療法が正しく行われているかを見直すことも必要です。なお、血糖コントロール状態の評価としては、空腹時血糖値110mg/dL未満、食後2時間血糖値140mg/dL未満が「正常」とされますが、年齢や臓器障害の有無、妊娠中かどうかなどによっても違います。
6.甘いものは厳禁?
甘いものは絶対に食べてはいけないのでしょうか。また、お酒はどうでしょうか?
糖尿病の食事療法で「絶対に食べてはいけないもの」はありません。ただし、なるべく量を控えたほうがよいものはあります。その代表的なものが砂糖です。また、塩分、コレステロール、動物性脂肪を多く含む食品もなるべく控えてください。アルコールも基本的には禁酒が望まれます。というのもアルコールは7kcal/gとエネルギー量が高いわりに、栄養素がほとんど含まれていません。また、つい量が過ぎたり、つまみも欲しくなります。ただし血糖コントロールが良い人の場合、160kcalまでならとっても良いとされています。その目安は、ビール小ビン1本、日本酒1合弱、焼酎(25度)コップ半分、ワイングラス2杯、ウイスキーシングル2杯です。こうした注意事項は糖尿病予防にもあてはまります。
7.水分をたくさん取っても大丈夫?
私は糖尿病なのですが、いつも喉が渇いて困っています。そのたびに水分をたくさん取ってしまい、トイレの回数が増えてしまいます。大丈夫でしょうか?
高血糖で多尿・頻尿となるのは、糖が水分を伴って尿として排泄されるためです。そのため喉が渇くのも当然のことです。この状態では血管内が脱水気味になっていて、血液も濃縮されているので、血糖値はさらに上昇します。頻尿を嫌って水を飲まないのはよくありません。特にお年寄りの方は、高血糖で多尿になっても喉の渇きに気づきにくいので注意が必要です。著しい場合は、非ケトン性高浸透圧性昏睡に陥るケースもあります。
8.足の手入れをするようにいわれたが、なぜ?
糖尿病の人は足の手入れをしっかりするように医師からいわれました。どうしてですか。また、どんなことに気をつければいいのですか?
糖尿病になると、血管障害や神経障害によって足の潰瘍や壊疽を起こしやすくなります。足先の血流が悪くなって小さな傷が化膿しやすくなったり、痛みに鈍感なために細菌が増殖しても気づかなかったりするのです。ひどい場合にはどんどん腐っていき、足の切断もありえます。そのため、日ごろから、足を清潔に保つフットケアが重要です。小さな傷や靴擦れがないかチェックし、裸足で歩かない、深爪をしない、低温火傷に注意するなどしてください。
(本文監修:順天堂大学医学部内科学教授 河盛 隆造先生)
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