医療過疎地に有効な移動診療車

国連ミレニアム開発目標(MDGs)への達成にあたっては、医療へのアクセスの改善が必要不可欠です。しかし、多くの医療施設は都市部周辺に集中しており、特に道路や鉄道といった暮らしを支えるインフラが整っていない国ではアクセスが容易ではなく、大きな課題となっています。そのような、特に医療過疎地に暮らす人々にとっては、移動診療車は大きな助けであり、今後の医療を支える希望となっています。
移動診療車には、基本的な医療設備があり、機動性を最大限に活かし、医療施設から離れた地域においても医療およびプライマリ・ヘルス・ケアを提供し、医療を受ける機会を増やすことでより多くの命を救うことが可能となります。第一三共グループでは、第一三共INC.(アメリカ)やランバクシー社(インド)で既に移動診療車による医療サービスで多くの実績を残しています。

※ 実践的で、科学的に有効で、社会に受容されうる手段と技術に基づいた、欠くことのできない保健活動

インド・ハリヤーナー州での活動

インドでは、急激な経済発展を遂げる一方、さまざまな社会的な課題も多く、収入や社会・地域によって医療格差が大きいのが現状です。
当社のグループ会社であるランバクシー社は、Ranbaxy Rural Development Trust(RRDT)を設立し、1979年に地域社会での保健活動を開始しました。その後、1994年に名称をRanbaxy Community Health Care Society(RCHS)に変更し、現在は16台の移動診療車でインド国内の僻地の村において、おもに妊婦や新生児約55万人を対象にさまざまな医療サービスを提供しています。
2004年、RCHSはハリヤーナー州アクリンプール村において、下記のような活動を開始しました。

VOICE     移動診療車は頼りになる存在です

乳児を抱える母親

村からは病院が遠いことから、移動診療車が毎週来てくれてとても助かっています。医療設備の整った環境の中、信頼できる先生から診察を受けたり、新生児のケアや母乳の重要性、栄養についてなど、多くのことを教えてもらっています。診療車にはとても感謝していますし、できれば毎日来てほしいくらいです。これからも頼りにしています。

VOICE     一人でも多くの患者さんの健康に役立つことを望んでいます

Dr. Nisha Bhat

この活動に関わって9年目になりますが、貧富の差や社会的な背景を気にせず、誰もが気軽に診療を受けられるRCHSの移動診療車は、地域にとってなくてはならない存在と自負しています。
妊産婦や新生児の死亡率は大幅に低下しており、医師としてとても幸せで誇りに思います。これからももっと多くの診療車や医師、仲間が増え、一人でも多くの患者さんの健康に役立てることを強く望んでいます。

都市家族福祉センター(デリー)での活動

ランバクシー社は、政府の支援のもと、1990年にデリーに設立された「都市家族福祉センター」を運営しています。5万人が暮らすこの地域において、おもに女性や子どもを対象とした無料健康診断、家族計画支援、予防接種、教育活動を行っています。医師1名、補助看護師3名など計6名の熱意を持ったスタッフにより運営され、さまざまな医療サービスを提供しています。2000年と2010年を比較すると、この地域の避妊普及率は55.5%(適齢期の夫婦8,575組のうち4,767組が利用)から82.0%(同12,105組のうち9,935組が利用)に向上しました。また同期間において、乳児や妊産婦死亡率は大きく改善されました。このような影響により、同センターは地域の将来に大きく貢献しています。