ハイブリッドビジネスの推進

2010年度の実績
イノベーティブ医薬品(新薬)
  • 高血圧症治療剤「レザルタス」、抗インフルエンザウイルス薬「イナビル」の国内製造販売開始
エスタブリッシュト医薬品(ジェネリック医薬品と長期収載医薬品)
  • 第一三共エスファの設立と国内事業体制の構築
ワクチン
  • 北里第一三共ワクチンの設立
  • 研究開発・生産・販売一貫体制の構築
OTC 医薬品
  • 企業ホームページの全面リニューアルを実施し、製品・疾患情報提供を強化
  • スイッチOTC 解熱鎮痛薬「ロキソニンS」を発売
ランバクシー社とのシナジー創出
  • 先進国市場と後進国市場をカバーすべく着実な協業推進
2011年度の目標
イノベーティブ医薬品(新薬)
  • アルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」、経口FXa 阻害剤「リクシアナ」の国内製造販売開始とプロトンポンプ阻害剤「ネキシウム」の国内流通・販売開始
エスタブリッシュト医薬品(ジェネリック医薬品と長期収載医薬品)
  • 事業基盤の拡充
ワクチン
  • 新型インフルエンザワクチンの開発と新工場設立
  • 研究開発・生産・販売体制の拡充
OTC 医薬品
  • 「ロキソニンS」をはじめとする第1 類医薬品や主力の感冒薬の伸長による事業基盤拡充
ランバクシー社とのシナジー創出
  • 製品ラインアップの拡充などの取り組みによるさらなる事業の拡大

基本的な考え

新興国のプレゼンスの拡大に伴い、アンメット・メディカル・ニーズを解消する新薬とともに、高品質・廉価な医薬品が求められているなど、医療ニーズが多様化しています。
このような状況下、第一三共グループではイノベーティブ医薬品(新薬)、エスタブリッシュト医薬品(ジェネリック医薬品と長期収載医薬品)、ワクチン、OTC医薬品をもって患者さん個々のニーズに合わせた医薬品を提供すべく事業の強化・拡大に取り組んでいます。同時に、バリューチェーン全体におけるランバクシー社とのシナジー創出に取り組み、ハイブリッドビジネスを展開しています。

※Over The Counter Drug の略で、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品

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イノベーティブ医薬品(新薬)

基本的な考え

医療産業に属する企業として、より高い業績を達成し経済に貢献する責任とともに、医療サービスシステムの一翼を担う責任、この2つの責任を高い水準で果たすことを目指しています。世界には未だに治療満足度が不十分であったり、治療法の確立されていない多くの疾病が存在しています。私たち製薬企業の使命は、優れた新薬を創り、一日も早くより多くの患者さんに届け、「生きたい」「健康でありたい」という人類共通の願いをかなえることです。

取り組み事例

高血圧治療剤「オルメテック」と「カルブロック」との配合剤「レザルタス」の販売を2010年4月に開始しました。単剤では十分な降圧効果が得られなかった患者さんに新たな治療の選択肢を広げることができます。また、2011年度はアルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」の発売など、新薬を通して患者さんの健康にさらに貢献していきます。希少疾病用医薬品※1の分野においても、私たちの知識や技術を活かし「ビオプテン」や「ITB療法※2」などを提供しています。

TOPICS
国際製薬団体連合会(IFPMA)が発行している開発途上国・地域の疾病の研究開発に関するステータスレポート※3において、当社による以下の3つのプロジェクトが掲載されました。
疾病 パートナー プロジェクト概要
結核 インド科学技術省バイオテクノロジー局 化合物スクリーニング
マラリア MMV※4 化合物スクリーニング
デング熱 遺伝子工学バイオテクノロジー国際センター
インド科学技術省バイオテクノロジー局
化合物スクリーニング

※1 患者数が少ない希少疾病を対象とする医薬品:オーファンドラッグ

※2 バクロフェン(商品名:ギャバロン髄注)という薬剤を作用部位である脊髄の周囲へ直接投与することにより、痙縮をやわらげる治療法

※3 IFPMAの会員企業による、途上国で蔓延する感染症および特有疾患(結核、マラリア、アフリカトリパノソーマ症(睡眠病)、リーシュマニア症、デング熱、オンコセルカ症、シャーガス病、住血吸虫症、ハンセン病、リンパ管フィラリア症)に対する研究開発状況を報告している

※4 スイス、イギリス、オランダの各官庁および世界銀行、ロックフェラー財団により設立されたマラリア薬を開発するための組織

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エスタブリッシュト医薬品(ジェネリック医薬品と長期収載医薬品)

基本的な考え

「多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」というグループ基本方針のもと、高齢化の進展と経済の低成長などにより、医療費の適切なコントロールが求められている日本市場において、ニーズが高まっているジェネリック医薬品や市場で長く販売され、有効性・安全性が確立された製品を取り扱っています。

取り組み事例

2010年4月に第一三共エスファ株式会社を設立し、2010年10月以降より、第一三共からの承継・販売元変更品として、パントシン、SM配合散、ミルタックスなど7成分19品目、ジェネリック製品として、ピオグリタゾン、アムロジピンなど28成分57品目(2011年8月現在)の販売をしています。医薬品に大切な「品質」「情報」「安定供給」に加えて、「経済性」の面でも安心してご使用いただける製品の提供に努め、皆さまの健康に貢献していきます。

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ワクチン

基本的な考え

2009年の新型インフルエンザの流行で、世界的大流行(パンデミック)に備えるという意識の高まりに加え、予防による医療費抑制にもつながることから、ワクチンへの医療ニーズはますます高まってきています。またワクチン事業は、「革新的医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供することで、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する。」という当社の企業理念にも適うものであり、公衆衛生の一翼を担っていくという中長期の視点で、特に日本においてはコア事業の一つとすることを目指して事業を推進しています。

取り組み事例

ワクチン事業はこれまでに、北里研究所のインフルエンザワクチンなど9製品を国内販売し、また、サノフィ・パスツール社のHibワクチンを国内共同開発・販売を展開するなど、販売、および開発ノウハウを蓄積してきました。さらには2011年4月に、我が国の公衆衛生の向上および予防医療充実と普及を目的として北里第一三共ワクチン株式会社を設立し、当社ワクチン事業本格化の大きな一歩を踏み出しました。
また、近年、新型インフルエンザの世界的な大流行によって社会的な問題になっている新型インフルエンザ対策に対しても、政府の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」に参画し、製薬企業の責任を全うすべく、事業活動を行っています。それらの事業活動に加え、社会貢献の一環としてワクチンの専門家と「ワクチン予防医療フォーラム」を開催し、日本の予防医療をめぐる環境をより充実させ、最先端のワクチンを接種できる社会の形成、「ワクチンで防ぐことのできる病気」の根絶を目指していきます。

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OTC※1医薬品

基本的な考え

第一三共ヘルスケアを通して「セルフメディケーション※2」のさらなる発展に取り組んでいます。第一三共ヘルスケアは、製薬会社オリジンの研究開発力とマーケティング力を活かし、生活者満足度の高い製品・サービスを継続的に生み出し、より健康で美しくありたい人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に貢献するとともに、日常生活に最も近い事業として、皆さまとの間に確かな信頼関係を築くべく努力しています。

取り組み事例

2010年度の新製品として、OTC医薬品ではスイッチOTC解熱鎮痛薬「ロキソニンS」を発売しました。
「ロキソニンS」は第1類医薬品※3であることから、販売にあたる薬局・ドラッグストアへの情報提供に加え、購入時には薬剤師による説明だけでなく、服用方法や使用上の注意を記載した小冊子を配布するなど、適正使用の推進に注力しています。また、重点領域である機能スキンケア領域では、敏感肌・乾燥肌向けスキンケアシリーズ「ミノン アミノモイスト」のご愛用者のご要望にお応えして、保湿力の高いミスト化粧水「ミノン アミノモイスト アミノフルシャワー」を発売するなどラインアップを拡充しています。

※1 Over The Counter Drugの略で、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品

※2 健康や医療に関する情報・知識を駆使して、健康管理や軽い病気、ケガの手当てを自らの判断で行うこと

※3 OTC医薬品としての使用経験が少ないものや、副作用や飲み合わせなどの項目で、安全性上、特に注意を要するもの

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ランバクシー社とのシナジー創出

先進国市場と新興国市場の双方をカバーし、あらゆる市場の変化やニーズに対応しうる「ハイブリッドビジネス」を実現するために、ランバクシー社との協業を着実に推進しています。2010年8月には第一三共の主力製品である合成抗菌剤レボフロキサシンを、ルーマニアにおいてランバクシー社の現地子会社が「タバニック」の製品名で販売を開始しました。
着実な歩みで世界46ヵ国に基盤を築き上げてきたランバクシー社は2011年6月、創立50周年を迎え、より一層、第一三共とのシナジーを進化させハイブリッドビジネスを推進していきます。

VOICE     信頼と安心のブランドでQOL 向上に貢献していきたい

第一三共ヘルスケア
マーケティング部
カテゴリー第一グループ
岡本 淳

「ロキソニンS」のSは、医療用からOTC医薬品に転用したスイッチOTCであることから付けました。痛みに悩む生活者に、新たな選択肢を提案できるものと考えています。
「ロキソニンS」はOTC医薬品としての正しい使用方法を薬剤師、生活者に理解してもらうことが何よりも求められますので、薬剤師から生活者へのきっちりとした服薬指導が行われるよう、これまで薬剤師への製品説明会を中心とした情報提供活動を徹底して行ってきました。おかげさまで、発売後の反響は大きく、「ロキソニンS」を発売する社会的な意義を改めて感じています。これからも継続して、正しくご使用いただくように努力を重ね、痛みに悩む一人でも多くの生活者の QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に貢献したいと考えます。