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医療アクセスの拡大

医療アクセスの拡大は製薬企業の重要な使命の一つです。
開発途上国におけるグローバルヘルスや、先進国における難病・希少疾患に対する医薬品アクセスなど、健康と医療に関する社会課題の解決に向け、第一三共のリソースを有効活用し、貢献していきます。

基本的な考え方

グローバルに取り組むべき課題として、国連加盟国が採択した持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられています。中でも保健分野は、目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に定められています(下図参照)。

持続可能な開発目標(SDGs)

開発途上国におけるグローバルヘルスの課題として、NTD(顧みられない熱帯病)への対策や基礎的な医療へのアクセスが制限されている、あるいは保健・衛生への知識が不十分で健康を損ねている地域・人々の存在が挙げられます。また、難病・希少疾患に対する医薬品アクセスは、先進国においても未だ充足されていません。第一三共グループは、医薬品の創出や開発途上国における医療アクセスを改善する取り組みを通じ、SDGs の目標3に資する活動を中心に行っていきます。17の目標達成に向けた当社グループの取り組みについては、SDGs取り組み一覧表にまとめています。

取り組み事例

Access Accelerated イニシアティブへの参画

日米欧の製薬企業22社が、世界銀行(所在地:米国ワシントンDC)および国際対がん連合(所在地:スイス・ジュネーブ)と連携し、低所得国および低中所得国 の非感染性疾患(NCDs)の予防や診断、治療等の改善に取り組むことを目的としたAccess Accelerated イニシアティブに参画しています。

Access Acceleratedイニシアティブは、持続可能な開発目標(SDGs)のうち、目標3のターゲットのひとつに掲げられている「2030年までにNCDsによる若年死亡率を予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健および福祉を促進する。」ことの達成に向けて取り組んでいきます。

  • ※NCDs:non-communicable diseasesの略。がん、循環器疾患、慢性呼吸器疾患、糖尿病などの非感染性疾患

本イニシアティブへの参画にあたり、当社CEOからのビデオメッセージをご覧ください。

Access Accelerated イニシアティブ

当社の医療アクセスの改善の取り組みについては、下記に記載しています。

インド・アフリカにおける移動診療サービスの提供

インド、カメルーン、タンザニアでは、医師不足や病院へのアクセスが悪いなどの医療インフラが未整備の地域に貢献するために、NGO、現地政府、地域社会と協力し移動診療サービスを行っています。
本活動は、国連ミレニアム開発目標(MDGs)の「乳幼児死亡率の削減」「妊産婦の健康の改善」に貢献する目的で、ワクチン接種や妊産婦健診などの活動を2011年度から開始し、2015 年度の活動状況は下表の通りです。カメルーンでは、保健省管轄下のRegional Delegation of Public Health(地域保健代表団)が実施する母子保健週間と連携することで、非常に多くの乳幼児への予防接種や妊産婦の健診が実施されました。これらの活動を支えるために、医療活動をサポートできるコミュニティ保健員の育成にも注力しています。

2015年度活動状況

インド カメルーン タンザニア
巡回医療活動数(回) 503 1,758 408
乳幼児予防接種者数(人) 6,726 1,070,787 3,240
妊産婦健診者数(人) 563 47,682 535

取り組みの詳細については、下記をご覧ください。

中国における保健人材の育成

2015年7月、発育阻害児童の多い雲南省廣南県の6カ所の郷(約6万世帯)を対象に「母子の健康改善に資する保健人材の育成」と「地域住民に対する保健教育活動」への取り組みを開始しました。本活動は、国際NGOであるプラン ・インターナショナル ・ ジャパンと協働で、中国の活動実施地域の保健行政および母子保健機関とも連携し行っています。小児疾患統合管理研修(IMCIトレーニング)の実施による保健人材の育成やコミュニティーセンター設置による地域住民の疾患対応能力向上のための保健教育を行い、当地域における5歳未満児の健康・栄養状態の改善を目指します。
2015年11月には、雲南省の廣南県において、衛生局などの関係者のほか、保健医療従事者(村医)、村長をはじめ地域住民など、約230名が出席し、コミュニティーセンターのオープニングセレモニーを開催しました。また、順次IMCIトレーニングを行い、保健人材の育成を進めています。

取り組みの詳細については、下記をご覧ください。

グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」への参画

開発途上国における感染症を制圧するための創薬促進に向け、官民連携パートナーシップが必要であるという考えのもと、2013年4月に日本国政府、製薬企業6社、ビル&メリンダ ・ゲイツ財団による日本発の官民連携パートナーシップとして設立された公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」に参画しています。
また、当ファンドによる結核、マラリアおよびNTDs(リーシュマニア症 ・ シャーガス病)の候補物探索のためのスクリーニングプログラムに自社ライブラリー(低分子 ・ 天然物)を用いて参画しています。さらに、それらから見出した有望化合物をもとに結核とマラリアにおいてはリード化合物を創製する共同研究を進めています。

公益社団法人 グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」

希少疾患への取り組み

先進国においては予防医療や希少疾患に関する課題が存在します。当社は、Orphan Disease Treatment Institute※1と共同でデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療用の核酸医薬(DS-5141)の臨床試験を2015 年に開始しました。また、ビオプテン※2、メチレンブルー※3、ギャバロン髄注※4などの希少疾病用医薬品を提供しています。

  • ※1 株式会社産業革新機構と三菱UFJ キャピタル株式会社の運用するファンドと当社との共同投資による会社
  • ※2 天然型テトラヒドロビオプテリン製剤
  • ※3 中毒性メトヘモグロビン血症の治療剤
  • ※4 バクロフェンを作用部位である脊髄の周囲へ直接投与することにより、痙縮をやわらげるITB療法に使用される薬剤

MRワクチン※5の製造に関する技術協力

北里第一三共ワクチン(KDSV)では、ベトナム・日本両政府間による国際協力事業として、ベトナムのハノイ市において、2006年3月から2010年3月まで実施されたPOLYVAC※6への「麻疹ワクチン製造基盤技術移転プロジェクト」の技術協力に続き、2013年5月より5年間の契約で、MRワクチン製造技術移転プロジェクトを実施しています。ベトナムでのMRワクチン生産体制を構築し、麻しんおよび風しんの感染症制圧への貢献を目指していきますす(VOICE参照)。

  • ※5 麻疹風疹混合ワクチン
  • ※6 ベトナムのワクチン公社であるワクチン・生物製剤研究・製造センター
【VOICE】 高品質なMRワクチンの安定製造を実現させ、ベトナムの保健衛生に貢献したい

田村 美貴北里第一三共ワクチン
株式会社
管理本部
経営管理部
田村 美貴

ベトナムへの技術協力は、1987年のWHO からの技術移転の要請に始まり、麻疹ワクチン、その後のMRワクチンの製造技術協力と続いています。
2014年の麻疹流行時には、日本の高い技術で製造された安全で有効なPOLYVAC の麻疹ワクチンを接種することの重要性についてWHO、POLYVACとともによびかけることで、安心感を持って国民に広くワクチンが接種されました。2015年11月には、自国による麻疹ワクチン製造を可能とし、大流行の封じ込めに貢献したことから、KDSV がベトナム保健省より国民健康貢献賞を受賞し、副大臣からは「ベトナムの医療システムおよび国民に長期的な恩恵がもたらされたことを、心から感謝しています」とのお言葉をいただきました。
現在実施しているMRワクチンの製造技術移転プロジェクトは、臨床試験段階にあります。プロジェクトを担う一員として、1日も早くMRワクチンが自国生産され、さらなる保健衛生に貢献し、ベトナムの子どもたちの未来がより広がることを望んでやみません。

ベトナムで開催された「国民健康貢献賞」授賞式の様子
ベトナムで開催された「国民健康貢献賞」授賞式の様子

知的財産保護の考え方

医薬品が研究開発から製品となって、多くの患者さんに使っていただけるようになるまでには、科学・技術の課題を克服するアイデア(特許・実用新案)、使いやすいデザイン(意匠)、医薬品を正しく選んでいただくためのブランド(商標)など、さまざまな知的財産が必要です。
当社グループではこれらの知的財産を適切に保護することを通じて優れた医薬品を創出し、グローバルヘルス※7の向上に貢献したいと考えています。特許においては有効成分自体を保護する物質特許はもちろん、製造方法、製剤技術、新しい効能や効果に関する特許などで製品を保護する、特許のポートフォリオを構成しています。さらに製品に直接関係する発明だけではなく、研究開発に必要なさまざまなツールやバイオマーカー、製造に必要な基本的な技術なども重要な知的財産として認識し、対応を進めています。
また事業展開を支えるために、バイオ医薬品、ジェネリック医薬品、バイオシミラー※8、ワクチン、OTC医薬品などの領域においても、自らの知的財産を保護するとともに他者の知的財産権も尊重しながら事業機会の確保に努めています。グローバルな事業展開に併せて、知的財産権を確保する国々を拡大するとともに、知的財産担当者を日米欧とインドに配し、的確かつタイムリーに地域の特性を考慮した対応を進めています。また、オープンイノベーションやオープンデベロップメントなどを通じて、革新的な医薬品の継続的な創出のために、最新の科学・技術を持つ社外のパートナーとの協力関係を構築しています。

  • ※7 国境の枠を超えた健康や保健医療に関する課題
  • ※8 バイオ後続品

偽造医薬品等への対応

医療用医薬品の流通の効率化やトレーサビリティ強化を図るため、2021年までに販売包装単位及び元梱包単位に、商品コードに加え、有効期限ならびに製造番号もバーコード表示する可変GS1コードが必須化されることになりました。当社グループでは、早くから可変GS1コード対応に取り組み、既に8割以上の製品に対応を完了しています。
また医薬品の保管・輸送時の信頼性保証を高めるべくGDP※9への対応も積極的に推進しています。グローバル課題の偽造医薬品対策も、各国の規制に合わせて的確な対応を進め、患者さんのお手元に、安全にお薬を届けるべく、日々研鑽を重ねています。

  • ※9 Good Distribution Practiceの略。医薬品の適正流通基準

患者支援プログラム(米国)

当社の医薬品を、それを必要とする患者さんに確実にお届けすることは、革新的な治療法の開発への取り組みと同様に重要です。当社の米国子会社である第一三共Inc.では処方薬支援プログラムを通じて、アメリカの何千人もの患者さんが第一三共Inc.の医薬品を使用することを可能にしてきました。
Daiichi Sankyo Open Care Programは、第一三共Inc.の医薬品を処方された無保険や十分な保険給付を受けられない患者さんへ、無償で医薬品を提供しています。
また、第一三共Inc.は米国研究製薬工業協会(PhRMA)のメンバーとして処方薬支援パートナーシップ(PPA)に参画しています。PPAは、公的機関と製薬会社、医療関係者、患者団体、コミュニティグループなどによる連合体組織です。PPAは、患者さんが利用可能な支援プログラムとその適格性を確認し、申請することをサポートしています。

臨床試験データの開示

当社は幅広い関係者に対し、当社が治験依頼者として実施する臨床試験の情報を適切に開示することは重要な意義があると認識し、情報の開示を積極的に進めています。これまでに、各国の規制ならびに各業界団体から示される指針・見解に従って、臨床試験とその結果に関する情報を、各種データベースを通じて登録・公開してきました。これに加え、研究者に対して臨床試験データを提供することが、医薬品への理解を深め、科学的知見をさらに広め、ひいては患者さんのための医療の発展に繋がるなど重要な意義があると考え、2016年2月に専用システムclinicalstudydatarequest.comを通して、臨床試験データの開示を始めました。このシステムを用いることで、外部の研究者は、定められたプロセスの下、患者さんの個人情報保護のために匿名化されたデータに対しての解析・アクセスが可能となります。

第一三共株式会社