ページ内の移動用のリンクです

  • TOP
  • > 会社概要
  • > CSR
  • > コンプライアンス経営の推進

コンプライアンス経営の推進

コンプライアンスが担保されていなければ、どんなに良い成果、実績が得られても、社会の中で企業活動を継続していくことはできません。グローバルに事業を展開する製薬企業として、コンプライアンスを基盤とした経営を行います。

コンプライアンス・オフィサーからのメッセージ

青柳 吉弘第一三共株式会社
常務執行役員
総務本部長
コンプライアンス・オフィサー
青柳 吉弘

第一三共グループは、コア・バリューの一つに「Integrity」を掲げ、コンプライアンスを意思決定や価値判断の基準とすることを明確にし、グローバルな企業活動において、法令およびルール等の遵守はもちろんのこと、生命関連企業としてふさわしい高い倫理観と社会的良識をもって行動するコンプライアンス経営を実践しています。
そのために、当社グループ共通の「第一三共グループ企業行動憲章」および「第一三共グループ個人行動原則」を定めるとともに、これらの精神に基づいた具体的な社内規程として、当社およびグループ各社は、それぞれの地域における社会的要請に応じたコンプライアンス行動基準等を策定し、役員および社員に周知徹底しています。

取り組み事例

コンプライアンス体制の継続的運用

当社グループでは、法務部長が、グループ全体のコンプライアンスを推進する役割を担っており、コンプライアンスグループが具体的な推進活動を行っています。
当社では、総務本部長がコンプライアンス・オフィサーに任命され、当社のコンプライアンス行動基準や関連規程、年度目標等のコンプライアンス・プログラムを統括するとともに、当社のコンプライアンスに関する審議・決議機関である「企業倫理委員会」の委員長をつとめています。企業倫理委員会は、委員長をはじめとする社内委員10名のほかに、委員会の運営の透明性、信頼性を確保するために、社外弁護士1名を加えた計11名で構成され、原則として年2回開催しています。
国内外グループ会社においても、コンプライアンス・オフィサーなどが任命され、各社のコンプライアンスを推進しています。
また、2016年4月より、当社グループのグローバル・コンプライアンス体制の進展のため、「企業倫理委員会」の諮問機関として「グローバル・コンプライアンス諮問委員会」を設置し、欧米グループ会社のコンプライアンス・オフィサーを常任委員として、グローバル・ポリシーや当社グループの年度目標などを検討しています。

グローバル・マーケティング・コード・オブ・コンダクトの制定

当社およびグループ会社は、すでにIFPMA Code(国際製薬団体連合会コード)またはIFPMA Codeを踏まえた各国・各地域の業界コードに準拠した自社コードを制定していましたが、当社グループとして医療関係者、医療機関および患者団体との交流ならびに医薬品のプロモーションにおける高い規範を保つことを目的に、当社グループ共通のポリシーとして2016年10月1日にグローバル・マーケティング・コード・オブ・コンダクトを制定しました。なお、2016年度中に国内外のグループ会社へ展開を完了し、運用を開始しています。

第一三共グループ個人行動原則の周知徹底

近年、企業がグローバルな活動を誠実に行うためには、組織に属する個人の行動にかかわるグローバルなポリシーの制定とその遵守および社外に対する宣言が求められています。その背景を踏まえ、当社は、「第一三共グループ企業行動憲章」を補則する位置付けで、役員および社員の行動面における当社グループ共通のポリシーである「第一三共グループ個人行動原則」を制定し、2015年4月から国内外のグループ会社で運用しています。当該ポリシーのグループ全社員による理解促進と遵守のため、各社各部所における対話式研修や当社の法務部員が現地に出向いて直接支援する研修などを精力的に実施しています。

コンプライアンス研修・意識啓発活動

コンプライアンス推進には、コンプライアンス研修や教育・啓発活動の継続的な実施が不可欠です。
2016年度には、「第一三共グループ個人行動原則」の理解促進および高い倫理観と風通しの良い職場風土の醸成のため、国内グループ各社各部所において少人数グループによる対話式研修を実施しました。
また、当社グループのコンプライアンス経営をより一層充実させるため、当社および国内グループ会社の役員およびコンプライアンス・オフィサー等を対象に、外部専門家による研修を実施しました。
加えて、eラーニングの実施、社内サイトにおける啓発情報の発信、各部所に対するコンプライアンス研修DVDの貸出し等にも積極的に取り組み、社員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上に努めています。
海外グループ各社においても、社員に対し、継続的にケーススタディーやeラーニング研修を実施しています。

【VOICE】顔の見えるコンプライアンスの推進

松本 俊介第一三共株式会社
総務本部 法務部
コンプライアンスグループ長
松本 俊介

法務部コンプライアンスグループは当社グループ全体のコンプライアンスを推進するための活動を行っています。
2016年度は「顔の見えるコンプライアンスグループ」をキーワードとして活動を行いました。国内グループ会社では各々、組織ごとにコンプライアンス研修を実施していますが、コンプライアンスグループ員が493組織中、年間276組織の研修に陪席し、「コンプライアンス違反の具体例の提示」「組織の対話式研修への参加」を実践してきました。コンプライアンスグループ員が各組織の研修に陪席することで、実例の紹介による当事者意識の喚起やディスカッションの活性化による倫理観理解度向上の手応えを掴みました。
2017年度も同様の施策を実施するとともに、贈収賄および腐敗防止に関する新たなグローバルポリシーを制定し、より高いコンプライアンス意識の醸成につなげていきたいと考えます。

内部通報制度の活用

当社では、内部通報窓口を法務部および社外弁護士事務所に設置し、当社および国内グループ会社にかかわる法令違反やハラスメント等に関する通報を受け付け、迅速かつ適切な問題解決にあたっています。
国内グループ会社においても、それぞれ社内に専用電話やeメール等による内部通報窓口を設置し、運用しています。
当社および国内グループ会社は、内部通報に関する社内規程を整備し、通報者の秘密の保持および通報者に不利益な取り扱いをしないことを明確化しています。
海外グループ会社では、各国や地域の状況に応じて内部通報制度を構築しています。たとえば、第一三共Inc. では、コンプライアンスに関する通報を24時間受け付ける通報窓口を社外に設置しており、また、第一三共ヨーロッパでは、同社傘下の欧州各国のグループ会社を含む通報を受け付ける社外窓口を設置し、各国語で対応しています。

個人情報保護、情報セキュリティの徹底、マイナンバー法への対応

個人情報は、企業の事業活動に不可欠な情報ですが、その性質上、誤った取り扱いがなされると、個人に取り返しのつかない被害を及ぼすおそれがあることから、当社および国内グループ会社では、情報管理や個人情報保護に関する社内規程を整備し、情報セキュリティを推進しています。それとともに、当社および国内グループ会社の情報管理担当を対象とした改正個人情報保護法の説明会を開催する等、個人情報を適正に取り扱うための施策を講じています。また、2015年10月に施行された、いわゆる「マイナンバー法」についても、定期的に委託先のマイナンバーの安全管理状況を評価したり、当社および国内グループ会社の従業員を対象としたeラーニングを実施する等、適切に対応しています。
さらに、社員が会社貸与のパソコンを社外に持ち出す場合は、紛失・盗難などがないよう管理を徹底させるとともに、緊急連絡カードを携行させ、万一の場合の連絡ルートを明確化しています。また、会社貸与のパソコンには、情報漏えいの未然防止のため、ハードディスクドライブ上においてセキュリティ対策を講じています。

腐敗防止への取り組み

当社グループでは、贈賄および腐敗行為の防止について、コンプライアンス研修において積極的に取り上げるなど、継続的に取り組んでいます。一方、贈賄等に関する規制は世界各国で年々強化されており、グローバルに事業を展開する企業にとっては、贈収賄および腐敗防止に対する取り組みがますます重要になっています。
当社グループでは、贈賄および腐敗行為の防止については、すでに「第一三共グループ個人行動原則」の領域別原則の一つとして明記していますが、一層の徹底を図るため、より詳細な贈収賄および腐敗防止に関するグローバルポリシーを2017年10月に新たに制定しました。

第一三共グループグローバル贈賄および腐敗防止ポリシー(参考訳付き)(260KB)

調達におけるコンプライアンスの推進

当社グループでは、調達に関する最上位ポリシーである「グローバル調達ポリシー」を2017年10月に改正し、海外を含む全てのグループ会社がSupplier Code of Conduct(サプライヤー行動規範)を策定することを明記し、当社グループ全体としてCSR調達の推進を強化することとしました。

また、当社および国内グループ会社は、調達ミッションの一つとして「コンプライアンス」を掲げ、調達にかかわる関連法令(独占禁止法、下請法、その他の法令)の遵守を定めています。また、購買取引先に対して企業の社会的責任を踏まえた行動を促すことを目的とした「CSR調達基準」を整備し、定期的なCSR自己点検を通じてその遵守状況を把握し、必要な改善を促しています。これら調達関連規程をもとに、調達プロセスの明確化の徹底、最適調達の実現に取り組んでいます。

CSR調達基準

CSR調達基準

CSR調達の推進

これまで取り組みを進めてきたCSR自己点検調査は、海外のグループ会社を含めた当社グループ全体の活動として位置づけ、また、原材料のみならず間接材も含めた広義の取引先を対象として新たに展開することとしました。2017年度は、直接材/間接材それぞれ上位100社を対象としてCSR自己点検調査を開始しました。調査は、(1)倫理観に基づいた誠実な事業活動、(2)人権尊重と労働、(3)安全衛生、(4)環境経営の推進、(5)最適な品質とコストおよび安定供給の確保、(6)マネジメントシステムという6つの視点から構成され、その自己点検調査結果に基づき、取引先とともに必要な改善活動に取り組んで参ります。これからも「パートナー(取引先)とともに歩むCSR調達活動」をコンセプトに、高品質、安定供給、低コストに加え、持続可能性にも配慮し、CSR調達を推進して参ります。

企業活動の透明性の確保への取り組み

当社グループは、日本国内では当社の医療機関等および患者団体との関係の透明性に関する基本方針に基づき、支払いに関する情報をコーポレートウェブサイトにて公開しています。米国では「サンシャイン条項」に則り、欧州では欧州製薬団体連合会(EFPIA)の行動規範に基づき、医療機関等への支払い情報を暦年で開示するとともに、各国ごとに異なる法令やコードにも対応しています。

研究支援への取り組み

臨床研究支援については、研究者が当社のコーポレートウェブサイトを通じて直接申請する“第一三共研究者主導臨床研究公募プログラム”を2017年7月に導入しました。2017年に一部改正された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」等を遵守、確認の上、研究を支援します。
また、奨学寄付金については、大学をはじめとする研究機関が、当社のコーポレートウェブサイトを通じて直接申請する“第一三共奨学寄付プログラム”を2016年4月から導入しています。

研究開発倫理

企業の経済活動において、社会的な信頼を獲得し続けることは重要なことです。特に、生命関連産業においては、生命に対する崇高な倫理観が強く求められています。2016年、研究開発本部では“Ethics and Patient Safety First(倫理と患者さんの安全を科学的興味やビジネスより優先します)”をGlobal RD unit Core Valuesとして掲げ、その理念のもとに研究開発活動を行っています。私たちは、人々の健康と生命の安全に深く関与していることを自覚し、生命倫理に基づく価値観の醸成に取り組んでいます。以下に当社研究開発本部における活動を紹介します。

・ヒト由来試料を用いる研究における倫理的配慮

臨床試験を実施する前には、ヒト由来試料(組織、細胞、血液、遺伝子など)・情報を用いて、薬剤の薬理効果や副作用を予測・推定する必要があります。また、臨床試験における早期の有効性判定、無益な治療の回避を目的にがん領域を中心に臨床検体を用いるバイオマーカー研究が加速しています 。さらに、近年、ES細胞やiPS細胞などヒト由来の細胞を用いた基礎研究、再生医療研究も飛躍的に発展しています。そこで当社は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」など国の指針に準拠した「ヒト試料・情報等利用研究に関する倫理細則」を制定しています。併せて外部有識者を交えた「ヒト試料・情報等利用研究に関する倫理審査委員会」を設置し、研究の必要性、有用性について客観的に確認するとともに、試料・情報提供者の人権や尊厳を尊重しています。また、事前の自由意思に基づく同意取得はもとより、遺伝情報を含む改正個人情報保護法への対応も実施し、必要な研究課題についてはホームページ上で公開を開始しました。以上の研究を行う従事者には一般財団法人 公正研究推進協会(APRIN)の提供する研究倫理教育などの受講を進めています。

・動物実験における倫理的配慮

動物実験は、動物愛護の観点に配慮しつつ、科学的観点に基づいて適正に実施することが求められています。 当社は、「動物の愛護及び管理に関する法律」や「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」などの国の法律・指針に準拠した「動物実験に関する細則」を制定し、3Rs※1の推進に努めています。動物実験は事前に動物実験委員会の審査を経て承認された動物実験計画のみを実施し、動物実験従事者には毎年教育訓練を行っています。国の法律・指針への適合性について年1回以上自ら点検・確認するとともに外部機関による評価認証も受けています。葛西研究開発センターはヒューマンサイエンス振興財団内動物実験実施施設認証センターの認証を、品川研究開発センターはAAALACインターナショナル※2(国際実験動物ケア評価認証協会)の認証(Full Accreditation)をそれぞれ取得・更新しました。

  • ※1 Replacement(代替試験法の利用)、Reduction(実験動物数の削減)およびRefinement(苦痛の軽減)
  • ※2 Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care International の略

・3Rsについて

3Rsについては動物実験実施前に動物実験委員会において慎重に審査し、それぞれ以下のような取り組みを行なっています。

1)Replacement
動物を用いない完全置換および系統発生学的に下位の動物に置換する部分置換による代替法がないかを調査し、代替不可能との結論に至った実験のみ動物実験を実施しています。

2)Reduction
実験目的に対して、統計学的な根拠を基に最少限必要な匹数を設定して使用する匹数を決定しています。実験デザインにより予備動物、除外動物が必要な場合も、それが科学的に必要であることが正当化されない限り匹数を追加することは認めません。

3)Refinement
動物実験で実施する実験手技については、実験目的達成のため必要最少限の苦痛であることが承認された場合のみ実施可能としています。全ての実験申請において実験のエンドポイントとは別に、人道的エンドポイント※3について検討することを必須としています。

これら3Rsの理念および考え方は厳しくなる傾向を踏まえ、定期的に社外講師を招いて講演を行い、実験者に対し、常に社会的に許容される最新の動物実験倫理について教育を行なっています。また実験手技については日本実験動物協会より指導員資格を認定された講師が技術研修を行なっています。

  • ※3 実験動物に過度な苦痛を与えることなく、実験を中断・中止する基準。

・バイオハザードマテリアル・遺伝子組換え生物の取り扱い

感染症予防法、家畜伝染病予防法などにかかわる法令を遵守し、病原体および病原体を含む材料を安全に取り扱うため、「バイオセーフティに関する細則」を制定し、バイオセーフティ委員会においては、適正な運用ルールを決定しています。また、カルタヘナ法※4に則って遺伝子組換え生物を適正に取り扱うため、「遺伝子組換え実験に関する細則」を策定しています。遺伝子組換え実験安全委員会は、研究がカルタヘナ法に則った計画であるかを事前に確認しています。また、一般財団法人 公正研究推進協会(APRIN)の提供する研究倫理教育など従事者研修の機会等を通じ、実験事故の未然防止に努めています。

  • ※4 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性確保に関する法律

・遺伝資源の公正な利用

生物多様性の保全、持続可能な利用、および遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分について、生物多様性条約に則って対応しています。また、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)において採択された名古屋議定書の締結に向けた国内動向にも留意しています。

・臨床試験における倫理

当社が国内外で実施する臨床試験は、人を対象とする医学研究に関する倫理規範を定めたヘルシンキ宣言、医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)※5および各国の薬事規制等を遵守して実施され、被験者の人権、個人情報の保護、生命の安全性の確保、および福祉の尊重を徹底しつつ、本人の自発的な自由意思のみに基づいた同意(インフォームドコンセント)を厳守しています。
また、当社が行うすべての臨床試験は、社内で定めた検討プロセスに従い、倫理的な妥当性と科学的な正当性を両面から検討し、実施することが適切な医学試験であることを担保しています。

  • ※5 Good Clinical Practice の略。医薬品の臨床試験の実施の基準

・医薬品開発業務受託機関との協働

当社は臨床試験を実施するためのグローバルポリシー「Global Policy of Clinical Trials Standards」を作成しており、臨床試験に参加するすべての被験者の人権と福祉を最大限に尊重し、臨床試験の科学的に高い質と成績の信頼性ならびに倫理性を確保するとともに、医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)および各国の薬事規制等を遵守してすべての臨床試験を計画・実施しています。
当社が実施する臨床試験に関する業務の一部または全てを「医薬品開発業務受託機関(CRO)」に委託した場合でも、当社のグローバルポリシーが適用されます。従って、CRO選定にあたっては、業務を遂行するために必要な事項を事前調査し、評価した上で決定します。CROが業務を実施するにあたっては、当社の方針と基準に沿った業務手順に基づき、必要とされるトレーニングを実施した者による業務遂行を取り決めます。契約後もその業務状況を確認するとともに、継続的に評価し、責任を持って管理しています。

・臨床試験データの開示について

当社は幅広い関係者に対し、当社が治験依頼者として実施する臨床試験の情報を適切に開示することは重要な意義があると認識し、情報の開示を積極的に進めています。これまでに、各国の規制ならびに各業界団体から示される指針・見解に従って、臨床試験とその結果に関する情報を、各種データベースを通じて登録・公開してきました。これに加え、外部の研究者に対して臨床試験データを提供することが、医薬品への理解を深め、科学的知見をさらに広め、ひいては患者さんのための医療の発展に繋がるなど重要な意義があると考え、2016年2 月より、データ開示ポータルclinicalstudydatarequest.com を利用した臨床試験データの開示を始めました。このポータルを利用することにより、外部の研究者は、定められたプロセスの下、個人情報保護のために匿名化された臨床試験データの閲覧・解析が可能となります。

第一三共株式会社